どもです。本日の800字SSです~。
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「おーいリナ、そろそろ飯食いに行こうぜ……って、何やってんだお前さん?」
数回のノックの後、すぐに開けられた部屋のドア。顔だけ覗かせた自称保護者の旅の連れは、あたしの姿を見るなりげぇっと言って不審そうに顔を顰めてみせた。
「ちょっとガウリイ、ノックしたからって返事する前にドア開けないでよね」
あたしの抗議を聞き流して、彼は勝手に部屋に入ってドアを閉める。――まあいいけどさ。
「この暑いのになんでそんな恰好してるんだ。具合悪くなっちまうぞ」
そう、あたしは今マントで身体をすっぽり覆ってベッドの上で膝を抱えて丸まっていたのだった。
窓から差し込む陽射しの眩しさと、ガウリイの額に浮いた酷い汗を見れば部屋の内外の暑さは一目瞭然であろう。――端的に言うと死ぬほど暑い。死ぬほど暑くて一歩でも外に出れば溶けそうである。
けれど。
「だーいじょうぶよ。このマントの下、冷え冷えだから」
あたしはマントにすっぽり包まれたままニヤリと不敵に笑ってみせる。実際、あたしは今快適状態なのでこのまま一歩も動きたくないのであった。
「……??」
「弱冷気の呪文でちょろ~っと空気を冷やしてんのよ。それをマントで密閉してるってわけ」
極限まで弱めた氷の呪文を大気に放ち、それをマントで包み込む。……我ながら頭が良い。天才かもしんない。
あたしの説明に納得したのか、ガウリイはポンと手を打って。
「なるほど……って、リナずるいぞっ! そんな事出来るならオレにもやってくれればいいのにっ」
言って、マントをめくろうとしてくる自称保護者にあたしは慌てた。
「ぎゃっ、ちょっと! マントの裾引っ張んないでよ。冷気が逃げるでしょっ!」
「またやればいいだろ。――ほら飯行くぞリナ」
聞かないガウリイは無理やりマントを引っぺがして手を取ろうとして。……そして見てしまった。マントの下、暑さのあまり下着一枚になっていたあたしを。
「あ」
「…………」
「…………すまん」
「た、た、黄昏よりも昏き者ぉぉぉおおおお」
「だぁあああ~~~~っ! すまんリナ悪かったぁあ~~っ」
その後、宿の部屋が大爆発しなかったのはあたしの自制心のたまものであった。
数回のノックの後、すぐに開けられた部屋のドア。顔だけ覗かせた自称保護者の旅の連れは、あたしの姿を見るなりげぇっと言って不審そうに顔を顰めてみせた。
「ちょっとガウリイ、ノックしたからって返事する前にドア開けないでよね」
あたしの抗議を聞き流して、彼は勝手に部屋に入ってドアを閉める。――まあいいけどさ。
「この暑いのになんでそんな恰好してるんだ。具合悪くなっちまうぞ」
そう、あたしは今マントで身体をすっぽり覆ってベッドの上で膝を抱えて丸まっていたのだった。
窓から差し込む陽射しの眩しさと、ガウリイの額に浮いた酷い汗を見れば部屋の内外の暑さは一目瞭然であろう。――端的に言うと死ぬほど暑い。死ぬほど暑くて一歩でも外に出れば溶けそうである。
けれど。
「だーいじょうぶよ。このマントの下、冷え冷えだから」
あたしはマントにすっぽり包まれたままニヤリと不敵に笑ってみせる。実際、あたしは今快適状態なのでこのまま一歩も動きたくないのであった。
「……??」
「弱冷気の呪文でちょろ~っと空気を冷やしてんのよ。それをマントで密閉してるってわけ」
極限まで弱めた氷の呪文を大気に放ち、それをマントで包み込む。……我ながら頭が良い。天才かもしんない。
あたしの説明に納得したのか、ガウリイはポンと手を打って。
「なるほど……って、リナずるいぞっ! そんな事出来るならオレにもやってくれればいいのにっ」
言って、マントをめくろうとしてくる自称保護者にあたしは慌てた。
「ぎゃっ、ちょっと! マントの裾引っ張んないでよ。冷気が逃げるでしょっ!」
「またやればいいだろ。――ほら飯行くぞリナ」
聞かないガウリイは無理やりマントを引っぺがして手を取ろうとして。……そして見てしまった。マントの下、暑さのあまり下着一枚になっていたあたしを。
「あ」
「…………」
「…………すまん」
「た、た、黄昏よりも昏き者ぉぉぉおおおお」
「だぁあああ~~~~っ! すまんリナ悪かったぁあ~~っ」
その後、宿の部屋が大爆発しなかったのはあたしの自制心のたまものであった。
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