ゆるい感じで。

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好きだけど、嫌い。(ガウリナ)

2020-08-06 22:24:02 | スレイヤーズ二次創作
どもですお久しぶりです~。
エアイベントに出た際の、エアスケブで書いた短いガウリナSSを投稿しまっす。

お題「好きなところと嫌いなところ」
リクエストくださった方、ありがとうございました~。
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 ガウリイ=ガブリエフはあたしの旅の連れである。
「旅の連れ」、「相棒」、「自称保護者」。彼とあたしの関係性を言い表す言葉はいくつかあって。――まあ、『自称保護者』は彼が勝手に言い出した事なんだけど。
 家族ではない。恋人でもない。けれど、なんだかんだずっと一緒に居る。旅の連れ。
 ――一緒にいる事に理由なんていらないだろう?
 そんな事を言ったガウリイの、本心をあたしは知らない。そう言って隣にいてくれるガウリイとの関係は、あたしにとってはとても心地がいいものだけど。だけど、いざ誰かに「あなたと彼の関係は?」なんて尋ねられてしまえば、途端に居心地が悪くなる。上手く言葉に出来なくて、もどかしい。決定的でなくて、なんだかふわふわとした関係。……このままでいいのか? そもそもあたしはどうなりたいのだ?
 結局、考えても答えを見つけられずに、あたしは今日も彼と一緒に旅をしている。並んで歩く、街道の石畳。

「リナ、何か考え事か?」
 不意にそう尋ねてきたガウリイに、あたしは小さく息を詰めた。
「なんで?」
「見てりゃわかるさ。さっきからなんか難しい顔してたろ」
 ぼーっとしてると転ぶぞ、なんて。言って、何故だかあたしの頭をぐしゃぐしゃ撫でる掌は、相変わらず大きくて、あたしよりほんの少し体温が高い。
「……なんで分かんのよ」
「オレはお前さんの『自称保護者』だから、な」
 微笑んで言う。その言葉にまた、あたしの中で複雑な感情が渦巻いた。――その、『自称』保護者って、なによ。
 明確な理由も、目的も、何もなくても傍にいてくれる。ガウリイのそんな所が、あたしは好きだ。――けれど同時に。傍にいる、その決定的な理由をくれない所が。
「……きらい」
 ぼそりと口の中だけで呟いたあたしに、自称保護者はきょとんとして首を傾げた。


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