ようやくゼロシル続きです。
注意!こちらはゼロス×シルフィールのカップリング小説です。妄想とねつ造に溢れていますので、苦手な方はお戻りください。
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上空からエルフの村を観察して小一時間。
村はあまり人気(?)が無く、静かなものだった。皆家に閉じこもってでもいるのだろうか。
人間と会うことを極力避けているのか、それとも魔の気配を感じとったか......。
考えていると、シルフィールさんが小さな家から出てきた所だった。アストラルサイドに隠れながら近づくと、何やら深刻そうな表情をしている。
まさかフラグーンの種が偽物だとでも言われたのだろうか。
まさか。僕が見た限りでは本物だったはずだ。
それとも何か別の問題が......?
考える間もなく、シルフィールさんは村の入り口に向かい歩き出した。たぶん、僕を待つために。
僕はそれを確認すると、森の方へ視線を向けた。
「あちらがちょうど良いですね」
僕が一人の女性を連れて行った事になっている村。本当に小さな村で、サイラーグの街の半分の広さも無い。
僕は、その小さな村を焼くことにした。
──まあ、これくらいすればシルフィールさんも急いで来ますよね。
僕がエルフの村に入る訳にはいかない。それなら、シルフィールさんにはこちらに来て頂かないと。
火の手が上がると、ついで黒々とした煙が空へ上って行く。
逃げ惑う人々を見ながら、上空の僕はそろそろ彼女は気がついただろうか、と考えていた。
負の感情がこちらにも届いて来る。思わず唇の端がつり上がる。
サイラーグにはあからさまに手を出してはいけないと言われていたが、他の村に関しては何も言われていない。
さあ、彼女はあとどのくらいで来るだろうか。
火の手が収まった頃、ようやく現れた彼女は、完全に焼けてしまった村の様子に愕然としていた。
「これは一体......!」
倒壊した家屋。黒い灰といまだくすぶる火。動かなくなった人々。赤と黒のコントラストが実に生々しい。
僕は、そんな村の真ん中に立ってそれを眺めていた。
「ゼロスさん!」
シルフィールさんが僕を見つけて駆け寄って来た。
「シルフィールさん」
彼女はこの惨状に少なからずショックを受けている様子だった。
「ご無事でしたかっ」
...まさか僕の心配をしてくれるとは思わなかった。驚きである。
「僕があの女性を送ったあと、エルフの村へ向かう途中で、この村に火の手が上がった事に気付いたんですよ。慌てて引き返して、今この有り様です」
「あの人の、追っ手の仕業でしょうか」
言ってから、彼女ははっと目を見開いた。
「そうだ、あの人は!?」
僕は黙ってゆっくり首を横に振った。
「......そうですか」
シルフィールさんはどのように解釈したのだろうか。
──まあ、そんなことはどうでも良い。
彼女は何人かまだ息のある人を見つけては治癒魔法をかけて周り、火の始末を完全に終えてからようやく立ち止まった。
「ゼロスさん...」
「なんでしょう」
「サイラーグへ急ぎましょう。嫌な予感がします」
その予感は全く正しい。
僕たちは日の落ち始めた森の中を、サイラーグへと急いだのだった。
続く
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ゼロス君魔族の本領発揮なう!
注意!こちらはゼロス×シルフィールのカップリング小説です。妄想とねつ造に溢れていますので、苦手な方はお戻りください。
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上空からエルフの村を観察して小一時間。
村はあまり人気(?)が無く、静かなものだった。皆家に閉じこもってでもいるのだろうか。
人間と会うことを極力避けているのか、それとも魔の気配を感じとったか......。
考えていると、シルフィールさんが小さな家から出てきた所だった。アストラルサイドに隠れながら近づくと、何やら深刻そうな表情をしている。
まさかフラグーンの種が偽物だとでも言われたのだろうか。
まさか。僕が見た限りでは本物だったはずだ。
それとも何か別の問題が......?
考える間もなく、シルフィールさんは村の入り口に向かい歩き出した。たぶん、僕を待つために。
僕はそれを確認すると、森の方へ視線を向けた。
「あちらがちょうど良いですね」
僕が一人の女性を連れて行った事になっている村。本当に小さな村で、サイラーグの街の半分の広さも無い。
僕は、その小さな村を焼くことにした。
──まあ、これくらいすればシルフィールさんも急いで来ますよね。
僕がエルフの村に入る訳にはいかない。それなら、シルフィールさんにはこちらに来て頂かないと。
火の手が上がると、ついで黒々とした煙が空へ上って行く。
逃げ惑う人々を見ながら、上空の僕はそろそろ彼女は気がついただろうか、と考えていた。
負の感情がこちらにも届いて来る。思わず唇の端がつり上がる。
サイラーグにはあからさまに手を出してはいけないと言われていたが、他の村に関しては何も言われていない。
さあ、彼女はあとどのくらいで来るだろうか。
火の手が収まった頃、ようやく現れた彼女は、完全に焼けてしまった村の様子に愕然としていた。
「これは一体......!」
倒壊した家屋。黒い灰といまだくすぶる火。動かなくなった人々。赤と黒のコントラストが実に生々しい。
僕は、そんな村の真ん中に立ってそれを眺めていた。
「ゼロスさん!」
シルフィールさんが僕を見つけて駆け寄って来た。
「シルフィールさん」
彼女はこの惨状に少なからずショックを受けている様子だった。
「ご無事でしたかっ」
...まさか僕の心配をしてくれるとは思わなかった。驚きである。
「僕があの女性を送ったあと、エルフの村へ向かう途中で、この村に火の手が上がった事に気付いたんですよ。慌てて引き返して、今この有り様です」
「あの人の、追っ手の仕業でしょうか」
言ってから、彼女ははっと目を見開いた。
「そうだ、あの人は!?」
僕は黙ってゆっくり首を横に振った。
「......そうですか」
シルフィールさんはどのように解釈したのだろうか。
──まあ、そんなことはどうでも良い。
彼女は何人かまだ息のある人を見つけては治癒魔法をかけて周り、火の始末を完全に終えてからようやく立ち止まった。
「ゼロスさん...」
「なんでしょう」
「サイラーグへ急ぎましょう。嫌な予感がします」
その予感は全く正しい。
僕たちは日の落ち始めた森の中を、サイラーグへと急いだのだった。
続く
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ゼロス君魔族の本領発揮なう!
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