どもです。あきらです。
というわけで久しぶりに本日の800字です。
診断メーカーお題『今ならしんでもいいよ』
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——眩しい。気が付いて、まず一番に思ったのはそれだ。
「んん……、」
旅の道中、木陰に寝転がって小休憩。……のはずが、いつの間にか日陰が日向に変わる程の時間眠ってしまっていたようで。一つ欠伸を漏らして、オレはその場でそっと身を起こした。
「ガウリイ、起きた?」
「……結構寝ちまってたみたいだな」
ひょいと顔を覗き込んできたリナは、随分しゃっきりしているから、とっくに起きてオレが起きるまで暇を潰していたのかもしれない。
「そりゃもうぐっすりとね。そろそろ行かないと日が暮れる前に街に着かないわよ」
「おう。じゃ、行くかあ」
伸びをして、立ち上がる。雲一つない空の下、陽光を浴びる草原の草花は目にも鮮やかだ。防具も剣も、身に着けたまま眠っていたせいか少々体が強張っている。ほぐすために手足や首を動かすオレを、眺めていたリナは不意に何かに気付いたように口を開いた。
「あ。ねえ、待って」
「?」
「そのままストップ」
動くな、と言われてその場で固まったオレに、彼女は背伸びをして、手を伸ばしてくる。その手が、そっとオレの顔から何かを摘まみ上げた。
「葉っぱ。付いてた」
寝ている間に付けてしまったのだろう、小さな草の葉。リナはそれにふっと息を吹きかけて空に飛ばしてしまって、それから小さな子供みたいにくしゃりと笑ってみせた。
——……。
「なあ、リナ」
幸せだな、と思う。彼女と共に居る時間が、例えどんな事件に巻き込まれても、危ない目に遭っても、それでも良いと思ってしまうくらい、楽しく愉快で、心が満たされる時間だから。
「オレ、今なら死んでもいいかも。……なんつって、な」
思わずぽろりと口からこぼれ出た本音。つい先日、被保護者から恋人になった彼女は、オレの言葉に目を見開いて、それからジト目でオレ睨んだ。
「ばーか」
言葉と共に、伸びてきた指に額を弾かれる。
「いでっ」
「……貴方は私とじーちゃんになるまで一緒に居て、笑っててくれなきゃ許さないんだから」
——貴方も、光の剣も、もうあたしの物になったんだから。勝手にいなくなるなんて、承知しないから。
腕組してそう宣言する相棒に、オレは笑って頭を掻いた。
「……はは、こりゃ参ったな」
こんなに嬉しい未来までの束縛が、あるだなんて思ってもみなかった。
「んん……、」
旅の道中、木陰に寝転がって小休憩。……のはずが、いつの間にか日陰が日向に変わる程の時間眠ってしまっていたようで。一つ欠伸を漏らして、オレはその場でそっと身を起こした。
「ガウリイ、起きた?」
「……結構寝ちまってたみたいだな」
ひょいと顔を覗き込んできたリナは、随分しゃっきりしているから、とっくに起きてオレが起きるまで暇を潰していたのかもしれない。
「そりゃもうぐっすりとね。そろそろ行かないと日が暮れる前に街に着かないわよ」
「おう。じゃ、行くかあ」
伸びをして、立ち上がる。雲一つない空の下、陽光を浴びる草原の草花は目にも鮮やかだ。防具も剣も、身に着けたまま眠っていたせいか少々体が強張っている。ほぐすために手足や首を動かすオレを、眺めていたリナは不意に何かに気付いたように口を開いた。
「あ。ねえ、待って」
「?」
「そのままストップ」
動くな、と言われてその場で固まったオレに、彼女は背伸びをして、手を伸ばしてくる。その手が、そっとオレの顔から何かを摘まみ上げた。
「葉っぱ。付いてた」
寝ている間に付けてしまったのだろう、小さな草の葉。リナはそれにふっと息を吹きかけて空に飛ばしてしまって、それから小さな子供みたいにくしゃりと笑ってみせた。
——……。
「なあ、リナ」
幸せだな、と思う。彼女と共に居る時間が、例えどんな事件に巻き込まれても、危ない目に遭っても、それでも良いと思ってしまうくらい、楽しく愉快で、心が満たされる時間だから。
「オレ、今なら死んでもいいかも。……なんつって、な」
思わずぽろりと口からこぼれ出た本音。つい先日、被保護者から恋人になった彼女は、オレの言葉に目を見開いて、それからジト目でオレ睨んだ。
「ばーか」
言葉と共に、伸びてきた指に額を弾かれる。
「いでっ」
「……貴方は私とじーちゃんになるまで一緒に居て、笑っててくれなきゃ許さないんだから」
——貴方も、光の剣も、もうあたしの物になったんだから。勝手にいなくなるなんて、承知しないから。
腕組してそう宣言する相棒に、オレは笑って頭を掻いた。
「……はは、こりゃ参ったな」
こんなに嬉しい未来までの束縛が、あるだなんて思ってもみなかった。
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