どもです。お久しぶりに更新です。
ワンライ参加作品でございます。
髪の毛を思い付きで切るガウリイ。
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片手にナイフ、そして反対の手で自分の髪を掴む。放っておいたら伸びすぎてしまった、あまり手触りが良いとは言えない髪。金色のそれを綺麗だと褒められた事はあるが、それを誇った事は特にない。……そろそろ、髪型を変えてみたって良いじゃないか。
――これは完全な思い付き。なんとなく、ただなんとなく鬱陶しく思えたから。
長い冬を越え、春を感じる季節になった。吹かれても寒さに凍えない風を、もう少し肌身に感じたいと思ったものだから。
「……よし」
首の後ろの少し下辺り。まとめてぐっと掴んだそれに、ナイフの刃を滑らせる。なまくらでは痛いだけでまともに切れやしないが、きちんと研がれた刃なら。
ざくり。気持ちの良い音と共に、頭の後ろが少しばかり軽くなる。すっぱりと頭から切り離された髪の毛の束を、オレは宿の屑籠にそのまま放り捨てた。ふるふると頭を振れば、ぱらぱらと残りの髪が床に落ちては、窓から差し込む朝日を浴びてきらりと光る。
「ああー、後で掃除しないと怒られちまうかな……」
苦笑して、しかしオレはどこか清々しい気分で切ったばかりの髪を手で櫛削る。腰まで伸びていた長いそれは、今は肩の上でさらりと揺れる。その感覚が新鮮だ。
思い立って、昨日拾った革紐で短くなった髪を括って。――リナはなんと言うだろうか。……まあ、嫌がられはしないよな?
小さく欠伸をかみ殺し、顔を洗って宿の部屋を出る。
「おはようガウリイ……て、は? え、……はぁーーーー!???」
瞬間、宿屋の廊下に木霊した旅の連れの悲鳴は、想像よりも凄まじい声なのだった。
――これは完全な思い付き。なんとなく、ただなんとなく鬱陶しく思えたから。
長い冬を越え、春を感じる季節になった。吹かれても寒さに凍えない風を、もう少し肌身に感じたいと思ったものだから。
「……よし」
首の後ろの少し下辺り。まとめてぐっと掴んだそれに、ナイフの刃を滑らせる。なまくらでは痛いだけでまともに切れやしないが、きちんと研がれた刃なら。
ざくり。気持ちの良い音と共に、頭の後ろが少しばかり軽くなる。すっぱりと頭から切り離された髪の毛の束を、オレは宿の屑籠にそのまま放り捨てた。ふるふると頭を振れば、ぱらぱらと残りの髪が床に落ちては、窓から差し込む朝日を浴びてきらりと光る。
「ああー、後で掃除しないと怒られちまうかな……」
苦笑して、しかしオレはどこか清々しい気分で切ったばかりの髪を手で櫛削る。腰まで伸びていた長いそれは、今は肩の上でさらりと揺れる。その感覚が新鮮だ。
思い立って、昨日拾った革紐で短くなった髪を括って。――リナはなんと言うだろうか。……まあ、嫌がられはしないよな?
小さく欠伸をかみ殺し、顔を洗って宿の部屋を出る。
「おはようガウリイ……て、は? え、……はぁーーーー!???」
瞬間、宿屋の廊下に木霊した旅の連れの悲鳴は、想像よりも凄まじい声なのだった。
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