ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

共に歩くこと(ガウリナ)

2012-05-06 12:31:01 | スレイヤーズ二次創作
久しぶりにガウリナSSです(*´∀`*)
原作長編終了後のイメージ。

なんだかガウリイがうじうじしてます...(汗)

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リナは強い。
颯爽と歩く彼女の後ろ姿を見ながら、オレは思った。
何度も死線をくぐり抜け、シャブなんとかと言う魔王を二度も倒して...もう保護者など必要無いのではないか。
ふと、最近そんな言葉が頭をよぎる事が増えた。
しかしいつもそんな思いに知らんぷりを決め込む。どんなに強くたって、危なっかしい事に変わりはない。──まだ、まだこのままで。

「ちょっとガウリイ?」
こつん、と頭を小突かれてオレは顔を上げた。
目の前のリナが膨れっ面でオレを睨んでいた。
「またぼーっとしちゃって!どうせあたしの話聞いてなかったでしょ?」
「すまん、聞いてなかった」
あはは、と笑ってみせると、リナは呆れた顔をした。
「まったく。あんたね、気を付けないとそのうち脳ミソ完全にふにゃふにゃになっちゃうんだからね!」
「ふにゃふにゃってお前さん...」
「ガウリイはもう半ふにゃよ、半ふにゃ」
苦笑いすると、リナが肩を竦めた。
「全く、どっちが保護者か分かったもんじゃないわね...」
ぽつり、と言ったリナの言葉は、何故かいつもよりオレの胸に刺さった。

「...ガウリイ?」
リナの声に心配げな色が混じったのに気付いて、オレは笑って頭を掻いた。
「あ、すまんすまんまたぼーっとしてた。ほら、早く行こうぜ」
「あんたねぇ...もー!行くわよっ」
ツッコミを抑えてリナが早足で街道を歩き出す。確か次の街はもう半日は歩かなければ着かないはずだ。ぐずぐずしている暇はない。
オレもリナの後を着いていく。

「確かに...そうだよな」
リナに聞こえないように、小さく小さく呟いた言葉は、風に流されて消える。
周りの木々が揺られてさわさわと音を立てた。
──『どっちが保護者か分かったもんじゃないわね』...確かに、そうかもしれないな。
ただ、護りたいと思うのは、保護欲なのか、何なのか...。


目的地にはまだまだだが、街道沿いの小さな村にたどり着き、休憩することにする。
小さな食堂は人が少ない。まだ昼時には少し早いのだろう。
「なあリナ」
頼んだ料理が届き、リナが三つめの玉子焼きを口に放り込んだ所で、オレは口を開いた。

もぐもぐもぐもぐ...ごくん。
「何よ?」
「もう保護者はいらない、か...?」
オレは言って、思わずリナから目を逸らした。手元にあったカップスープを一口飲み込む。
「...あたしは、元々あんたを保護者とは認めてないわよ」
「...」
「“自称”保護者でしょ?ガウリイ」

オレは頭を掻いて顔を上げた。リナはなんだか、怒ったような呆れたような顔だ。思わず苦笑する。
「あんたが何で悩んでるか分かんないけど...ガウリイはあたしの保護者じゃない。あたしは相棒のつもりよ」
「相棒...か」
悪くない響きだ。

「ね、ガウリイはあたしと義務感で一緒にいるわけ?」
「そんなわけないだろ!」
思わず大声を出せば、近くに居たウェイターにじろりと睨まれた。
「...それじゃ、何を悩むのよ。良いじゃない、これからも今みたいに一緒に旅を続ければ」
「今までみたいに...?」
「なによ、不満?」

よくよく見れば、リナは顔を赤くして、ちょっと泣きそうな目でオレを見つめていた。
オレは思わずリナの頭をぐしゃぐしゃに撫でる。
「──全然不満なんかじゃないぞリナ!ありがとな」
「...変な心配させないでよ、ばかっ」
「すまん」

笑ってみせれば、リナも苦笑した。
胸のつかえが取れた気がして、手を付けていなかった料理を食べようとテーブルを見れば、そこには空の皿しか並んでいなかった。
「....ぅおいっ」
「あは...」
リナが頬をぽりぽりと掻いて笑う。
「しょ、食事は戦争なのよガウリイ!」
「オレのハンバーグ...!」

結局、オレたちは何があっても変わりそうにないなぁ。


終わり

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なんだか前にも書いたことありそうな話になってしまいました(^^;)



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