昨夜の「教育基本条例下の辻谷処分を撤回させるネットワーク」(Tネット)第2回総会・学習会には多くの方にご参加いただきありがとうございました。当該としてお礼申しあげます。まずは第Ⅰ部の講演の報告(感想)を掲載いたします。
Tネット総会・学習会第Ⅰ部
講演「君が代を憲法で強制したい安倍壊憲―憲法・メディア・天皇制」
講師山口正紀さん(人権と報道・連絡会世話人)
10頁のレジュメを元に、恐ろしいまでの壊憲状況をわかりやすくソフトな語り口で語っていただきました。
最初に堺市で過ごされたご自身の小学校時代の体験(エライ人であるヒロヒトを出迎える為に小学校で動員がかかったこと等)から天皇制に疑問を持たれた話を皮切りに読売新聞社時代、天皇報道の数々に疑問を持たれ異議申立てをされてきたはお話など、教育の世界とは違うマスメディアの職場でありながら、不思議と私たち「君が代」強制への異議申立ての運動と重なることがありました。教育とメディア―いつの世も為政者が牛耳りたいのつの分野において共に闘う同志として共感しました。
さて、本題である壊憲の状況についてですが、最初にご自身の日本国憲法観を話されました。現憲法の平和主義について、「自衛権(正当防衛権)はあっても、政府に「自衛戦争」をする権利は与えない」という点がストンと腑に落ちました。これまで、日本が軍隊を保有するかかどうか話題になった時、賛成派から、「じゃあ侵略されたらみすみす殺されるの?」と聞かれることがありますが、今までは「殺すより殺される方がまし」程度のことしか言えませんでしたが、私たちに自衛権はある、しかし政府(国家)にそれを認めることはできないと説明できそうです。
山口さんは、自らを改憲論者だと、それは第1~8条は前文・9条の精神に反するからだとおっしゃっていました。そして現行憲法の矛盾を、1946年2月憲法草案公表から1051年講和条約までの詳細な過程を通して解説していただきました。印象に残ったことは「沖縄の歴史を考えることが憲法を考えるうえで重要であり、憲法の前文から考えていくことが必要」と言われたことでした。
そして、自民党改憲草案の性格、条項をあげての解説に、改めて恐ろしさを感じました。自民党改憲草案が狙う「戦争のできる神の国」の復活、もしそのようなことにでもなれば、どのような世の中が出現し、どのような日常生活になり、どのような学校での営みが行われるか、と少し想像しただけでも本当にこれは真夏の恐怖の怪談です。
96条先行改正は憲法破壊、「壊憲」でああると。なるほど、憲法が壊されることには、改憲論者も賛成はできません。ここをはっきりしておこうと思いました。私たちの「君が代」強制反対の闘いにも触れてくださり、壊漢情勢に対する最前線の闘いだとエールを送っていただきました。またその為にも表現の自由を守っていくことも必要だと。
時間が許せばもっとお話ししていただきたかったですが、レジュメを読むだけでも「壊憲」の情勢、メディア報道の状況、そして私たちの課題を考えるうえでもひじょうに参考になります。
最後に会場と山口さんの質疑応答を通して、今こそ、学校でも労働運動の場でも憲法を語り、憲法を使うことが求められていくときはなく、そういった日常の活動を通してしか「壊憲」は阻止できないと考えました。山口さん、どうもありがとうございました。
※なお、当日に講演レジュメはご本人の了承を得てから当ブログに掲載します。