不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Pinocchio a Palazzo Pitti

2007-01-11 23:46:00 | まち歩き

私は子供の頃に親から絵本や童話を読んでもらった
という記憶がほとんどありません。
我が家は自営業で、両親が夜には
家にいないことが多かったせいもあるのでしょうけど。
小学校の図書館で自分で本を借りるようになって
自分で読んだ本の記憶はあっても
それよりも以前の本やお話の記憶はまったくなし。

そしてチャンスを逃したまま
読んでいない「名作」は数知れぬほど。
その中のひとつが「ピノキオ」。
本や絵本で読んでいないどころか、
ディズニーのピノキオも知らないし、
数年前にRoberto Begniniが監督主演した映画も観ていない。
(50歳のベニーニがピノキオという設定に抵抗があったので)

実際、ピノキオの話を知らないのです。

そんなこともあって、
ちょっと気になっていた展覧会に行ってきました。
フィレンツェのピッティ宮殿内にある「近代美術館」での特別展。
ピノキオの原作者は1826年11月26日・フィレンツェ生まれで
その生誕から180年を記念した展覧会。
1883年以降のイタリアを中心に世界各国の
さまざまな時代の「ピノキオ本」の挿絵を中心に展示。
有名な場面は何点かわかるのだけれど、
知らないシーンもいくつもありました。やはり。
挿絵のほかにはピノキオを扱ったおもちゃや
ピノキオが書かれた同時代の
社会的背景を物語る絵画作品も展示されていて
フィレンツェを中心に活躍したマッキアイオーリ派の
巨匠の絵画も紹介されていて面白かったです。
その当時のイタリアののどかさと
ピノキオが生まれてくる背景に思いを馳せているうちに
やっぱりピノキオを原作で読まなくちゃと思いました。

というのはディズニーが脚色したピノキオは
原作とはずいぶんイメージが違うのではないか
という感じがちょっとしたから。
まったくの子供向けじゃない、
ちょっと残酷で寂しげなエピソードがカットされていない
原作を読んでみたら、
1800年代のイタリアの一部が垣間見られるかも。

ということで2007年中にピノキオ原作読むことにします。

展示には日本で1920年代に発行された
「ピノキオ」も出展されていましたが
旧仮名遣いでお話が書かれていて
しかもタイトルは「ピノチヨ」でした。
確かにイタリア語表記のPinocchioはそう読めないこともない。
「ピノチヨ」はかわいい感じがするけど、別物のイメージ。
でもこれも今回の展示の目玉なのだそうです。

Pinocchio

展覧会は2007年3月25日まで。

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