不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

La Ricerca della Felicita

2007-01-27 23:51:00 | 映画

邦題は「幸せのちから」。
La ricerca della felicitaなので
厳密に訳したら「幸せ探し」なんだろうけどね。
実際に映画を観ると「幸せ探し」のお話なのだ、と納得。

息子を幸せにすることが彼の幸せであったわけで
それを達するために試行錯誤している姿が「幸せ探し」なのだろうし
そうして生きていくことの源が「幸せのちから」なんだろうね。

何をもって幸せとするかは本当に難しいところで
個人差もあるし、ものの捕らえ方によっても違うし。
他人にとってしょうもないことが自分にとっては幸せだったり。
「幸せ」という概念を突き詰めようとすれば哲学的であり
答えは自分の中にしかないという結果になるんだけど。

一生懸命なのにどうにもならなくなって
息子と二人地下鉄のベンチに腰掛けて
売れないスキャンをタイムマシンに見立てて
二人で想像の世界に入り込んで
地下鉄のトイレに隠れて眠るまでのシーン。
突拍子もないけれど、
理不尽な世界で生きようとする不器用な父親の
極限での温かい心の表れみたいで、
なんとなく「La Vita e' Bella」の直向な父親の姿と
重ね合わせてしまったり。
そのへんがもしかしたら「イタリア人監督」のもつ
父親像の共通点のひとつなのかなぁ。

この映画、ウィル・スミスの実の息子との競演ということで
世界中で話題になったけれど
イタリアでは、やっぱりGabriele Muccinoの監督した
ハリウッド作品ということで話題になって
かなりの興行成績を上げています。

後半すごく駆け足になってしまうし
いろいろ突っ込みどころはあるけれど良作。

幸せ探しの途中でなくしてしまった息子の大事なキャプテン人形を
最後に買いなおしてプレゼントしてあげてほしかったなぁ・・・。