蒸し暑い日には蒸し暑い本＠七里ガ浜 中島義道 著 「エゴイスト入門」 新潮文庫

どんどん蒸し暑くなる。曇天の時は空気が目一杯湿気を含むし、雨が降ったり止んだりする日が多い。ここまで来るともはや終日窓を開放したままで、とにかく家の中に空気を通す。



蒸し暑さでは、日本でこの人に勝てる人も少ない。
中島義道先生。蒸し暑い日には蒸し暑い人の本！



彼を有名にした著作「うるさい日本の私」。私はそれ以来彼のファンである。この「エゴイスト入門」も面白い。彼の旧著を文庫化したものだが、そこに書かれた話は相変わらずおかしい（本人は大まじめ）。しかし彼はおそらく多くの日本人に敬遠されるか、変人扱いされる。「スノッブ」と揶揄されるリンボウ（林望）先生以上に好かれないことだろう。



でもたいていの人に好かれる「普通人」とは、多かれ少なかれ「妥協の人」である。中島先生は自身の大学教授の職（＝食）を失いかねないことでもいつもズバズバ書いてしまうし、自らの信じるところに従って行動する。彼の人生における物事の優先順位が、普通人のそれとは異なるのだろう。彼を敬遠する普通人にはなかなか出来ないことだ。



彼をご存じない方は是非一度、彼の著作をお読み下さい。「変わった内容だ」と評されながらも、いつも彼の本はそれなりの部数で売れている。お勧めします。