「家」 @ 鎌倉七里ガ浜 + 時々八ヶ岳

湘南七里ガ浜(七里ヶ浜とも)から発信。自分の生活をダラダラと書きとめるブログ。食べ物、飲み物、犬の話題が多い。

アパートを売却(4) 怖いと思ったことは狭い地域ごとの需給の将来の変化

2011-09-12 14:00:16 | アパート
アパートのメンテナンスにお金がかかるから、賃貸経営は嫌だという人は多い。入居者が入れ換わると、内装を部分的に交換しなければいけないこともあるし、そうでなくとも雨漏りだとか外壁塗装だとか何か不都合があると、修理も必要になる。それにより、家賃収入の多くが吹っ飛んでしまうと思われるからだ。築後10年を超えると最近の木造アパートでも、構造的にいろいろと不都合が出るらしい。しかし私の場合、新築アパートなので、それは遠い話だ。放っておくことにしよう。問題は、入居者が変わった時の内装の入れ替えだ。

(画像はすべてイメージ)


入居者が入れ替わる時にバスタブや便器やシンクの入れ替えが生じることもある。気まぐれな新規入居者を次々と呼び込むためにはそれも必要な手段のひとつである。ユニット・バスの入れ替えなど想像しただけで大変だ。一旦設置してしまったユニット・バスをアパートの中で分解し運び出して、そこにまた新たなパーツを持ちこんでバス・ユニットを組み立てるのは、かなりのコスト負担だ。独身者向けの安い家賃のアパートで計算すると、何十カ月分の家賃が飛んでしまいそうにも思える。だから嫌だ、と人は言う。

しかしそんなことはないのだ。



普通の戸建ての感覚でユニット・バスを交換しようとして、ハウスメーカーにそれを依頼したら100万円を遥かに越える金額が必要になったりする。アパートだって同じだ。でもそうでないアパートもある。安上がりなアパートはそんな交換も恐ろしく安上がりに出来ている。面倒なユニット・バスなど使わない。都合の悪くなった部品を個々に最小限で交換出来るように最初からしておく、とうのがその造りの発想だ。バスタブだけの交換なら費用が2ケタ違う。驚くなかれデジカメ1台の値段だ。クロスも床材もサッシもドアも同じだ。最初からそれらの交換を想定し、専門のアパート業者が格安のパーツを自社で大量に確保している。それらのパーツと業者を利用し、仮に一戸建てを新築したとしたら、小さい家なら基礎工事 + 数百万円で出来るくらいだ。

だからバカみたいに高いコストを要求するメーカーなどを避けて、そういう安い業者をうまく使えば良いのである。仮に高価なバスタブを入れたところで、もらえる家賃は変わりはしないし、時間が経過すればまた交換だ。大半の入居者にとっては、設備のグレードなどより、それが新品であるということが重要なのだ。



だから私が恐れたのは、将来の建物の内外装メンテ費用のことではない。アパートに関するその地域の将来の需給の変化だった。こちら方が、もっと根本的で経営の根幹に係わる問題である。



需給のギャップを利用し、コスト高で空室だらけのエキチカを避け、僻地に格安なアパートを新築してうまくスタートした事業だったが、そんなことは誰でも真似出来るのである。書きっぷりの良い申し込み書類が揃えられるなら銀行から金を借りるのは簡単だし、どこにアパート需要が多いのかは真剣に調べればバカだってわかる。自分で歩いて調べる気のある人なら、ほとんど無一文でも経営がスタート出来るだろう。

ということは、新しくキレイなアパートが、今後5年のうちに私のアパートの近くに続々と建てられることになってもおかしくはないのだ。その時私のアパートはもはや「新築」ではない。う~~ん、将来が読めない。



自分でやってみて、素人を呼び込むアパート経営ブームの魅力とそれがその後にもたらす問題のうちのひとつが、私は見えたと思った。

日本は不幸である。まず住宅の耐用年数、建て替えサイクルがあまりに短い。ローンも税制も、20年もすれば建物の金銭的価値がゼロになりそうなストーリーで出来ている。ローンもいわゆるリコースで、抵当に入るアパート物件以外に、債務者に追加担保や保証を求めて来る。収益物件のキャッシュフローを見積もり、何かあっても債務者の負担がその事業物件に限定されるノン・リコースを実行するだけのノウハウが日本の金融機関にも育っていないので、単純に他の保証を求めて来る。金さえあれば誰にでも出来る貸し方と言えよう。
コメント (2)
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