電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

平岩弓枝さんの剛腕

2009年08月10日 05時40分38秒 | -平岩弓技
『御宿かわせみ』シリーズの作者、平岩弓枝さんの作品を、前回の単身赴任の頃に読み始め、たまたま同じペースで読んでいたブログ仲間の方と感想を交換しあいながら、30巻も続く物語を読んでいました。ほかにも、田沼意次を優れた政治家として描いた作品など、異色の時代小説も面白く読みました。ところが、ある時期に、パタッと読まなくなってしまいましたが、その原因は、今になって考えるとたいへん示唆に富むものです。
たしか、『はやぶさ新八御用帳』のシリーズだったと思うのですが、登場人物の誰かの姉が気性の強い大女という想定でした。ところが、あまり活躍しないうちに、無惨にも惨殺されてしまうのでした。ちょいと美人で可愛い女性はずっと活躍するけれど、そうでない人はあっさり殺してしまうというのは、あんまり可哀想ではないか、と少々ムッとしたというか、義憤にかられたというか(^o^)/
最近、『新御宿かわせみ』シリーズを購入し、はじめのほうをぱらぱらとめくってみたところ、驚き呆れてしまいました。幕府の崩壊と明治維新のどさくさで、主人公だった東吾は行方不明、七重と小太郎と源右衛門が賊によって惨殺され、畝源三郎は探索中に暗殺されている、という想定です。
なんということでしょう。長く続くシリーズの結末に困った作者は、主要な登場人物を一気に殺してしまいました!うーむ。さすがは戦争を経験し、生死を越えた激動の経験をした世代です。女性作家だから優しく繊細とばかりは言えません。作品の想定も、実はやっぱり剛腕でした(^o^)/
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