徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

That's Entertainment !

2020-10-11 22:34:19 | 映画
 昨夜、BSプレミアムでオードリー・ヘプバーン主演の「パリの恋人」を放送した。久しぶりの再見だったが、ダンスシーンにはあらためて感動。オードリーもそれなりに頑張っていたが、特に凄かったのはフレッド・アステアとケイ・トムソンが踊った「Clap Yo' Hands」、まさにプロだ。二人とも歌も踊りも大ベテラン、アステアはこの時60前だし、トムソンも50に近い。あのキレはいったいどこから?思えば、僕が小中学生の頃、よくNHKでクラシック映画を放送していて、フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースのコンビの映画を何本も見た。あのおかげでミュージカルに親しむようになった。最近、学校でもダンスの授業があるらしいが、どうもこの頃のダンスには馴染めない。





嗚呼 竹内結子…

2020-09-28 20:06:42 | 映画
 どんな事情があったのかはわからない。本人が亡くなった以上、おそらく誰にもわからないだろう。ただ、ご冥福を祈るのみだ。
 映画をほとんど見なくなったので、彼女の最近の作品は知らない。今から10年前くらいまではよく映画を見ていて、彼女が出演した作品を結構見ている。まだ彼女が20代の頃だ。若いながら、なかなかしっかりした女優さんという印象が残る。40代になり、これからますます幅広い役をこなしていけるはずだったろうに。惜しい人をなくしたものだ。
 ちなみにこれまで見た彼女の出演作品は次のとおり。なお、テレビドラマはほとんど見ていない。
  • 黄泉がえり(2003)
  • 天国の本屋〜恋火(2004)
  • いま、会いにゆきます(2004)
  • 春の雪(2005)
  • サイドカーに犬(2007)
  • クローズド・ノート(2007)

 なかでも印象深かったのは「サイドカーに犬」のかっこいい女性ヨーコの役。2007年12月30日のブログに次のように記している。

「サイドカーに犬」
 80年代の物語だが、80年代の初め、この映画の舞台となっているくにたちに住んでいたので、百恵ちゃんの家を探しに行くシーンなどでは当時を思い出して懐かしかった。まぁこの映画、とにかく竹内結子が絶品。こんなにかっこいい女性が主役の映画はひさしぶりだ。誰しも小さい頃、かっこいいなぁと憧れた大人の一人や二人はいるものだ。映画公開の時、それほど大きな話題にはならなかったが、映画としての出来も今年の作品の中でかなり上位に行くのではないか。


南太平洋(1958)

2020-08-05 10:00:30 | 映画
 FB友のM様が、映画「南太平洋」(1958)のオリジナル・サウンド・トラックを収めたLPレコードを紹介されていた。借りたいくらいだが、もうプレーヤーを持っていないのが残念だ。
 この映画は中学時代に見た忘れられない映画の1本。70mmの巨大スクリーンで見た最初のミュージカル映画でもあった。ロジャース&ハマースタインの黄金コンビによるブロードウェイ・ミュージカルの映画化。このコンビの作品はその後、「王様と私」「サウンド・オブ・ミュージック」なども見ることになる。
 この映画の中で歌われた珠玉のナンバーの中から、下の3曲を選んでみた。それにしてもフランス・ニュイエンが可愛かった。(^_^.)





魅惑の宵


バリ・ハイ


ハッピー・トーク

ムツばあさんの歩いた道

2020-07-16 20:41:20 | 映画
 映画館から足が遠のいてもう何年たったろうか。昨今のコロナ禍がさらに輪をかけた。今日、たまたま熊本県最古の映画館、電気館(denkikan)のサイトを覗いていたら、見覚えのあるタイトルが目に入った。「花のあとさき ムツばあさんの歩いた道」とあった。詳しく調べてみると、やはりかつてNHKで放送されたドキュメンタリーを映画化したものだった。映画化されたことは知らなかった。上映日を見てみると、なんと今日まで。今日はもう行けないのでDVD化されるのを待つことにした。
【概要】
 「秩父山中 花のあとさき」は、埼玉県秩父山中の急峻の地に畑を耕し、花を植え続けてきた小林ムツさん夫婦と村の人たちを、2002年から昨年まで18年にわたり追いかけ続けたNHKの人気ドキュメンタリーシリーズ。清冽な水を求めて、先祖が険しい山に分け入り、子々孫々までと願って労苦を厭わず築き上げた石垣の上に開かれた畑。夫婦はこの畑を守り続けてきた。しかし、2006年9月に夫に先立たれ、体力の限界も近いことを感じたムツさんは「畑が荒れ果てていくのはしのびない」と、畑に花を咲かせて山に返すことにした。まるで自分の身代わりにするように花ももの木を植えるムツさんの姿が心を打つ。2009年1月、ムツさんが亡くなったが、畑にはいつもと同じように花が咲き誇っている。

 僕はたしかシリーズの2回目から見たと思うが、これほど感動したドキュメンタリーはほかにない。





アンジェリカの歯

2020-06-26 14:47:45 | 映画
 しばらく控えていた歯科医院を久しぶりに受診した。待合室で順番を待つ間、綺麗な歯のモデル写真を眺めていたら、なぜかマイケル・ジャクソンの「キャプテンEO」に登場した魔女の歯を思い出した。東京ディズニーランドで「キャプテンEO」を見たのはたしか1987年の春だった。3D画面の迫力やMJの歌やダンスもよかったが、一番印象に残ったのは、無数のケーブルに繋がれた魔女に扮したアンジェリカ・ヒューストンの美しい歯だった。祖父、父とも名優、名監督の映画一家に生まれた彼女はその頃たしか30代半ば。ラストではMJ扮するEOの魔力により美しい女王の姿に戻る。彼女の歯並びの良い美しい歯を眺めながら、やっぱりハリウッドスターは歯が命、なんて思ったものだ。
 ちなみにラストシーンで流れる「Another Part of Me」が大好きで、MJのアルバム「BAD」に収められていたので、毎日、ウォークマンで聴きながら電車通勤していたことを思い出す。


市川崑監督 幻の名作

2020-05-18 18:59:51 | 映画
 行定勲監督が自身のフェイスブックに「菊池映画祭2016」における中井貴一さんとのティーチインの映像をアップされた。その時上映された市川崑監督の名作「その木戸を通って」に関連して、主演の中井貴一さんから市川監督の人となりや美的感覚、映像表現などについて貴重な証言があり興味深かった。僕は学生時代、市川崑監督の「東京オリンピック」の追加撮影にエキストラ参加した経験があり、当時のことを思い出しながら、なるほどと思うことが多かった。
 この「その木戸を通って」については11年前にその感想をブログに書いており、一部再編集して再掲してみた。

 市川崑監督(2008年没)の幻の名作と言われる「その木戸を通って」をやっとDVDで観ることができた。何しろ16年も前にハイビジョンで撮影され、BSで1回放映されたきりだったらしいが、昨年11月、初めて劇場公開されたものだが、熊本では劇場公開されなかったようだ。2002年に山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」を観た時、それまでに観た時代劇にはない新しさを感じたものだが、その約10年も前に、既にこんな時代劇を作っていた市川崑の凄さをあらためて感じた。原作は山本周五郎の短編小説。時代劇と言ってもチャンバラがあるわけでもなく、ある城勤めの武士と一人の女とのミステリアスな出逢いと別れを淡々と描いている。しかし、その格調高い叙情性と映像美には引きずり込まれてしまう。基本的には、この作品の5年ほど前に市川監督が作った「つる -鶴-」と同じ、男の永遠の願望である「鶴女房」型の物語だと思う。


映画「その木戸を通って」の中井貴一と浅野ゆう子

大林宣彦監督の訃報

2020-04-11 10:40:12 | 映画
 ご病気のこともあったので覚悟はしていたもののやはり寂しさを禁じ得ない。これまで多くの作品で楽しませていただいた。「はるか、ノスタルジィ」「異人たちとの夏」「なごり雪」など忘れられない作品ばかりだ。特に残念だったのは既に企画化されていた熊本が舞台の「つばき、時跳び」を未着手のまゝ逝かれたことだ。できることなら生前交流があったと聞く行定勲監督に引き継いでいただければ嬉しいのだが。また、テレビ番組で熱く語っておられた「伊豆の踊子」大林宣彦バージョンも見てみたかった。心からご冥福を祈る。合掌。
 先月末の佐々部清監督に続く好きな映画監督の訃報に、ますます自分の生きた時代が終わりつつあることを感じる。


「つばき、時跳び」の舞台になるはずだった花岡山(熊本市西区)

▼4月12日 熊日新聞朝刊より

カーク・ダグラスさんを偲ぶ

2020-02-06 20:08:36 | 映画
 ハリウッドの往年の大スター、カーク・ダグラスさんが亡くなった。少年時代から青春時代にかけて数々の作品で楽しませてもらった。出演作は大作、名作目白押しである。しかし、訃報を聴いてまず思い出したのは、小品とも言える「脱獄(Lonely Are the Brave)」(1962)という映画なのである。カーク・ダグラスさんが演じる時代遅れの孤高のカウボーイの背中には寂寥感が漂う。最初に観たのが高校生の頃だからもう50数年も前だが、この映画を観たという人に出会ったことがない。ところが10数年前、この作品がアメリカでは高い評価を受けているということを知って驚いた。60年代に一世を風靡したアメリカン・ニューシネマの先鞭をつけたとも言われているらしい。ご冥福と合わせ、この映画の再評価を祈りたい。


「脱獄」のカーク・ダグラス

宍戸錠さんと吉原正喜さん

2020-01-22 21:08:22 | 映画
 宍戸錠さんが亡くなった。小林旭主演「渡り鳥シリーズ」での殺し屋ジョーの宍戸さんはよく観に行ったものだが、訃報を聞いてまず思い出したのは昭和32年(1957)の「川上哲治物語 背番号16」における吉原正喜捕手の役。この映画公開の頃、小学生だった僕は毎日草野球に明け暮れていてこの映画は公開と同時に観に行った覚えがある。当時、高校野球の審判もやっていた父から、熊本工業時代の川上哲治&吉原正喜の話はよく聞かされた。川上さんと一緒に巨人軍に入った時は吉原さんが主で、川上さんはバーター入団のようなものだったとか。戦争でビルマで戦死された話など。本物の吉原さんを見たことがないので、僕は吉原さんと聞くと宍戸錠さんの顔を思い出す。また近いうち本妙寺に行きたいと思っているので、吉原正喜さんの記念碑で宍戸錠さんのご冥福も合わせて祈りたい。


「川上哲治物語 背番号16」で吉原正喜さんに扮した宍戸錠さん


本妙寺・六喜廟の傍にある吉原正喜さんの記念碑

オールドムービーのはなし。

2020-01-11 22:45:24 | 映画
 このブログを訪問していただいた方のなかに気になる名前のブログがあったので覗いてみた。「ミューズの声聞こゆ」さんというブログだった。記事の中にハリウッドの往年の人気女優エリノア・パーカーと、映画衣裳デザイナーの第一人者だったイーディス・ヘッドについて書かれた記事があった。どちらも故人だが懐かしい名前だ。その中にエリノア・パーカーが主演した1954年のパニック映画「黒い絨毯」のことが紹介されていた。この映画は僕が小学校低学年の頃、見て衝撃を受けた思い出の映画。ブログを始めて15年以上経つが、個人のブログでこの映画のことが書いてあるのを見たのは初めてだったので妙に嬉しかった。エリノア・パーカーの相手役を務めたのが、当時、新進気鋭の若手俳優だったチャールトン・ヘストン。「十戒」でモーゼ役を演じ、大スターの仲間入りをするのはその2年後のこと。エリノア・パーカーは「探偵物語」や「サウンド・オブ・ミュージック」など多くの名作・大作に出演し美人女優の誉れ高かった。

◇黒い絨毯(1954)
南米アマゾン川上流のジャングルを開拓したココア農園が「マラブンタ」と呼ばれる兵隊蟻の大群に襲われる。「地球最後の日」などで知られるジョージ・パルがバイロン・ハスキンと組んで作ったSFパニック映画。CGがまだ無かった時代に、兵隊蟻の恐怖をリアルに描いた特撮技術は素晴らしい。ちなみに邦題の「黒い絨氈」とは、黒い絨氈を敷き詰めたように蟻の大群が地面を覆い尽くすという意味。


エリノア・パーカーとチャールトン・ヘストン

伝説のバレエダンサーと東京オリンピック

2019-06-21 20:56:01 | 映画
 夕方の情報番組「クマロク!」(NHK熊本)で映画評論家の園村昌弘さんがおススメ映画を紹介していた。今日紹介された作品の一つが「ホワイト・クロウ 伝説のダンサー」だった。ソ連生まれの伝説的バレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフの半生を描いた作品のようだ。ヌレエフが海外公演に出かけると、その行動は常にKGBの監視下にあった。徐々に政府の圧力が強まっていた1961年、ヌレエフは次の公演地へ向かう矢先、突然帰国を命じられ、ついに亡命を決意する。というようなサスペンスフルな物語のようだ。画面を見ながら、僕は1964年の東京オリンピックの時のことを思い出していた。

 かつての冷戦時代、大きな国際スポーツ大会は数々の亡命事件があり、東側は自分たちのチームの選手の行動に神経をとがらしていた。1964年の東京オリンピックの時、大学1年だった僕は、水球競技会場の補助役員としてのアルバイトの合間に、世界トップレベルの選手たちの練習風景を見るため、何人かの仲間とともにずっとプールサイドにへばりついていた。ある日、練習会場となっていた神宮プールに優勝候補の一つ、ソ連チームがやってきた。練習が一段落した時、一人の選手がプールサイドにたたずんでいるのを見て、今がチャンスとばかり、僕らはその選手に駆け寄り、片言の英語と身振り手振りを交えながら、ボールテクニックについてたずねた。その選手はほとんど英語を理解できなかったが、実際にボールを手に取りながら教えてくれた。ふと気が付くと、5、6㍍離れたところから僕らのやり取りをじっと見ているソ連チームの関係者がいた。CCCP(エス・エス・エス・アール)の文字が入ったジャージを着てはいたが、選手でもコーチでもないことはひと目でわかった。通訳か何かのスタッフだろうと思ったが、鋭い視線が気になった。オリンピックが終わった後、先輩があるところから情報を仕入れて来た。「あれはKGBだったらしいよ。選手たちの亡命をおそれて監視していたらしい」オリンピックにはそういう一面もあるのだということをその時初めて知った。(昨年2月にアップした記事を再編集したものです)


1964東京オリンピック・水球決勝リーグ(ハンガリーvsソ連)ソ連のゴールキーパー・グラボウスキー

映画版「深夜食堂」

2019-02-23 21:14:34 | 映画
 昨夜のまさに深夜、BSプレミアムで「深夜食堂」の映画版を放送した。かつて放送されたテレビシリーズはほとんど見たが、映画版は見ていなかった。テレビ版は、ちょうど10年前くらいに何の予備知識もなく見始め、その面白さにハマり込んでしまった思い出がある。映画版も松岡錠司監督で主演の小林薫を始めお馴染みのメンバーで、映画だからと特別なことはあえてやらないところが嬉しい。
 新宿ゴールデン街界隈の一角にある小さな深夜営業の食堂「めしや」に出入りする名もない人々の人間模様を、店主の目を通して描いたヒューマンドラマだ。この界隈には東京在勤の頃、何度か飲みに行ったこともあり、懐かしさを覚える。
 この作品の中では、多部未華子がゲスト出演した「とろろご飯」のエピソードが一番心に残った。


ミシェル・ルグラン

2019-01-26 21:12:42 | 映画
 映画音楽の巨匠、ミシェル・ルグランさんが亡くなった。86歳だったそうだ。彼が音楽を担当した映画は何本も見たが、なかでも「シェルブールの雨傘」と「華麗なる賭け」が特に忘れられない。
 「シェルブールの雨傘」は僕が大学に入った年に公開されたから既に55年が経つ。しかし、今聞いてもその魅力はいささかも色褪せていない。また、「華麗なる賭け」の主題歌、ノエル・ハリソンが歌った「風のささやき」も印象に残る。映画を観始めて60年以上経つが、これまで観た映画音楽の中で最高の作曲家であり演奏家でもあったと思う。


シェルブールの雨傘


風のささやき

「つばき、時跳び」映画化はその後…

2018-11-29 20:40:18 | 映画
 地域文化の振興に功績があった個人や団体を文部科学大臣が表彰する地域文化功労者に熊本市在住のSF作家、梶尾真治さんが選ばれ、昨日熊本県庁で伝達式が行われたとTVニュースが報じていた。梶尾さんは映画「黄泉がえり」の原作者として知られているが、昨年末、熊本を舞台としたSF小説「つばき、時跳び」が、大林宣彦監督により映画化されることが熊日新聞で報じられた。今年秋に全編熊本ロケで撮影し、来年春の公開を目指すという話だったが、まだクランクインしたという話は聞かない。大林監督は健康問題を抱えておられるので今後の成行きが心配だ。


作品の主な舞台となる「百椿庵」がある花岡山(写真はキロクマ!さんより)


タイムトラベルものなので現代の仏舎利塔も登場か?

山田洋次監督特集

2018-11-10 19:21:20 | 映画
 今月後半のプレミアムシネマは「山田洋次監督特集」。日本映画を代表する名匠の一人・山田洋次監督の作品はほとんど見ているが、「男はつらいよ」シリーズの他にも名作が多い。今月放送の下記8本と来月放送の「東京家族」(2012)はいずれもお勧めしたい作品ばかり。中でも僕が山田洋次作品のベスト1だと思っているのが「息子」。岩手県の寒村で農業と出稼ぎによって家族を必死に支えてきた頑固な父親と、都会でフリーターの不安定な生活を続ける息子との葛藤と相互理解を軸に、90年代初めの市井の人々の姿を生き生きと描いている。出稼ぎから雪深いわが家へ戻った父親が、多くの家族から暖かく迎えられる幻影を見るラストが胸を打つ。