徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

感動 再び! スーパーキッズ・オーケストラ!

2017-03-31 15:08:01 | 音楽芸能
 昨年7月29日、熊本復興支援のコンサートが大好評を博した“佐渡裕 指揮 スーパーキッズ・オーケストラ”が再び熊本県庁ロビーにやってきた。今回もロビーに入りきれないほどのギャラリーの前で、アンコールも含め6曲を披露、会場は感動に包まれた。
 特に「ニュー・シネマ・パラダイス」や、演奏に合わせて会場全員で歌った「花は咲く」などは、思わず涙をこぼしそうになった。正直、一日中でも聴いていたい気がする。







田原坂の激戦から140年

2017-03-30 19:10:29 | 歴史
雨は降る降る、人馬は濡れる、越すに越されぬ田原坂

 日本最後の内戦 西南戦争から今年は140年の年です。中でも熊本市の植木町に位置する田原坂は、3月に約1ヶ月にわたる激戦地となりました。
 加藤清正の遺業を記した「藤公遺業記」という江戸時代に書かれた文献に、清正公は熊本城の北の守りで一番大事なところは田原坂だと言ったことが書かれています。清正公から260余年後、その言葉通り、西南戦争では勝敗の帰趨を決する官軍と薩軍の激戦の舞台となりました。田原坂は、長さ1.5km、標高差60㍍のゆるやかな坂。熊本城を目指す官軍小倉連隊と薩軍が、一進一退を繰り返す死闘を展開し、双方合わせて1万人余の戦死者を出しました。



田原坂公園



桜が咲かない!

2017-03-29 20:43:14 | 熊本
 もう3月29日というのに熊本はいまだに開花宣言がない。4月1日頃になりそうだという。熊本城内の桜はちらほら咲き始めているが、気象台の標準木がまだ咲かないのだろう。せっかく花見時期に合わせて行幸坂の開放日が設定されたが、先週の土日はほとんど桜は見られず、今週末だってまだちらほらという状況だろう。開放をもう1週伸ばしてもらいたいくらいだ。本妙寺の桜灯籠は、今年は中止となったが当初予定どおり25日に行われていたら桜の無い桜灯籠になっていただろう。なんだかホッとするような微妙な気持だ。


一昨年の桜灯籠(役者寺より)




柳川春想

2017-03-28 19:20:10 | 
 久しぶりに水郷柳川を訪れた。川下りの風景を眺めていると、つい北原白秋の詩の一節が口をついて出る。

もうし、もうし、柳河じゃ、
柳河じゃ。
銅(かね)の鳥居を見やしゃんせ。
欄干橋を見やしゃんせ。



うららかな春の日差しを浴びながらどんこ舟が行く


人気うなぎ料理店の前は人だかり


相変わらず風情豊かな沖端


北原白秋生家


白秋生家のさげもん


柳川行きの主目的は息子が勤めるビジネスホテルの柳川店オープンを見るため

海達公子没後84年

2017-03-25 14:06:53 | 文芸
 明日3月26日は大正から昭和初期に天才少女詩人と謳われた海達公子の没後84年の日。荒尾市総合文化センターでは、海達公子顕彰会の主催による恒例の「海達公子まつり」が行われている。
 公子は小学2年生の頃から文芸誌「赤い鳥」に投稿を始め、選者だった北原白秋にその特異な才能を称賛された。この「赤い鳥」に投稿した数多くの作品のうち、誌面に掲載された作品が92編、うち推奨作品に選ばれた作品が18編ある。その18編は下記のとおり。
 なお、公子は「赤い鳥」の他にも童謡誌「金の星」など、多くの雑誌や新聞等に投稿した。なかでも「金の星」の選者を務めていた若山牧水は早くから公子の才能に注目し、九州旅行の際、わざわざ荒尾の公子の家を訪問し激励している。

◆文芸誌「赤い鳥」で 推奨作品に選ばれた18編

ひし
 とがつたひしのみ うらでもずがないた (大正13年7月号)尋常小2年

まつむし
 まつむし なき出した 青い山 (大正13年8月号)尋常小2年

夕日
 もうすこうしで ちつこうの さきにはいるお日さん
    がたにひかつて まばゆい まばゆい (大正13年9月号)尋常小2年

おみや
 おみやのもりから たん たん たん
    おみやのたつおと たん たん たん (大正13年12月号)尋常小2年

ぼたん
 まつかなぼたん 今洗つた 私の顔 (大正15年11月号)尋常小4年

白い朝顔
 葉がうつつて うす青い朝顔 そばへいつて見たら 白光りに 光つてゐて
    蟻が一ぴき おくの方を はうてゐた (昭和2年2月号)尋常小5年


 しやうじのそばへ 手をやつたら うす寒かつた
    雨の音が まだしてゐる (昭和2年8月号)尋常小5年

雨上がりの朝

 雨上がりの庭の 明るさ ばらのつぼみが
    はりわれそうだ (昭和2年9月号)尋常小5年

お日さん
 雲雀と雲雀と なきあつてゐる まん中に
    白いお日さんが ういてゐる (昭和2年10月号)尋常小5年

秋の朝
 朝顔が 少ししか 咲かんやうになつた こほろぎが どつかでないてゐる
    足にさはつた夏水仙の花も しぼんでゐる (昭和3年1月号)尋常小6年


 星が 遠いあかりのやうだ 虫の聲にきえさうだ (昭和3年2月号)尋常小6年

百舌鳥
 まだ刈つてない 田をはさんで 百舌鳥が二ひきでなきあつた
    朝日の光の つめたさよ (昭和3年4月号)尋常小6年

落穂ひろひ
 麦の穂をひらふ おばあさん 袋をからうてゐる
    どこの おばあさんだらうか 雲仙嶽も くれかゝつてゐる
       どこの おばあさんだらうか (昭和3年9月号)尋常小6年

ばらのつぼみ
 がくのひらいたばらのつぼみ つまんで はなしかゝつたら
    指についてふくらんでくる 山本さんが
      「海達さんいこーい」と さそひにきなさつた (昭和3年11月号)尋常小6年

川口
 ときわの穂が 夕風になびいてゐる 川口へ来た
    あびてゐる みんなの聲をとほして 高々と帆をあげる音
       吹きとばされさうになつた 帽子をおさへた
          沖の光に かもめが飛んだ (昭和3年12月号)尋常小6年

ぬくいおえん
 ぬくいおえんにすわつて 山の方を見てゐた うすい霧のひいた山に
    はぜ紅葉がぼうつと見えてる
       ぽんぽん てまりの音がはずんでゐる (昭和4年1月号)尋常小6年


 もう御大典もすんだ 畠をすく馬の息が ぽつぽつすすんでいく
    向うの畠の青菜 朝陽ににほひさうだ (昭和4年3月号)尋常小6年

日の暮
 汽車の音も とうとうきえてしまつた 野菜のすぢが 白く光つてゐる
    見上げた空 半かけ月が こほつてゐた (昭和6年4月号)高女3年


こんな話もあったっけ・・・

2017-03-24 22:10:45 | イベント
 これは3年前の2月に熊日新聞に掲載された記事。この記事からさかのぼること3ヶ月、2013年11月16日の熊日新聞に、熊本城春のお城まつりの一環として、「熊本城歌舞伎」なるものがまつり運営委で検討されているという記事が載った。熊本の歌舞伎ファンの期待が大きくふくらんだ。しかし、昨年の熊本地震。実現の可能性は遠のいた。
 先日、本丸御殿の復元が成った名古屋城で「名古屋城歌舞伎」が行われるという新聞記事を見た。しかし今は、あまり羨ましいという気も起らない。
 熊本城天守閣の復旧工事が本格的に始まりそうだ。お城全体の復旧には最低20年はかかりそうだという。またいつの日か、「熊本城歌舞伎」の話が復活するかもしれない。その日を気長に待つとしよう。


隠し砦の三悪人 ~雪姫とは~

2017-03-23 23:23:06 | 映画
 今日、BSプレミアムで黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」をやっていた。もう何回観たろうか。何度観ても面白い。僕は黒澤監督の時代劇の中では「隠し砦の三悪人」が一番好きだ。
 この映画を初めて見た人が必ずと言っていいほど抱く違和感、実は僕自身も初めて観た時に感じたのがヒロインの雪姫のキャラクターである。あの異様な化粧、露出度の高い衣装、そして妙な口調のしゃべり方と声。何度も見ているうちにあまり感じなくなったものの、やはり、演じる上原美佐がヘタなのだろうとしか思っていなかった。
 ところが、最近、興味深い研究論文を目にした。実はあの雪姫のキャラクターは能を意識したものだというのだ。雪姫の顔は能面の「喝食(かっしき)」をイメージしたもので、無表情なのはそのせいだという。また、口調も能のようなしゃべり方になっており、鞭を打ったりする動作も能のように誇張して表現されているというのだ。
 黒澤監督と言えば、「虎の尾を踏む男達」、「蜘蛛巣城」、「影武者」、「乱」など、能楽の影響を受けた作品が多いことはよく知られているが、冒険大活劇のキャッチで公開された「隠し砦の三悪人」にも能の要素が入っているという認識は僕にはなかった。その雪姫の発散するエロチシズム。一見アンバランスなのだが、そこをあえて狙った黒澤監督はやっぱり凄い人なのかも。






【喝食】
 禅寺で、諸僧に食事を知らせ、食事の種類や進め方を告げること。また、その役目の名や、その役目をした有髪の少年。能では美しく、知恵や芸能に長けた若者の役に喝食の面を使用するという。

復興祈念の桜

2017-03-22 21:09:01 | 熊本
 熊本城二の丸広場で行われている「春のくまもとお城まつり」のステージを夕方から見に行った。
 ついでに、二の丸広場に1本だけある早咲きの桜を写真に収めようと思ったのだが、なんと女性の大集団が樹の下で花見の宴を開いていて、近づくことさえ憚られた。
 あと1週間もすれば、城内のあちこちで桜が咲き始めるだろう。地震後初めて咲く桜は例年にもまして僕らを和ませてくれるにちがいない。 


二の丸広場の早咲きの桜(4年前の写真)


重要無形文化財総合認定保持者・大倉流大鼓方能楽師の大倉正之助さん


葦北鉄砲隊の皆さんの演武


民謡竹峰流の福島竹峰さんと社中の皆さんによる熊本復興ソング


夕暮れの百間石垣

くまもと復興映画祭の見どころ

2017-03-21 19:56:43 | イベント
 4月7日~4月9日に開催される「くまもと復興映画祭」の中から、個人的にお薦めの3本をご紹介。

◆「うつくしいひと サバ?」
   4月7日(金)18:30 熊本城二の丸広場
   4月9日(日)19:00 熊本県立劇場
【ひとことメモ】
 大好評だったくまもと映画「うつくしいひと」の続編。熊本地震を体験した行定勲監督が、傷ついた熊本と復興に立ち向かう熊本の人々を描く。






◆「ジョゼと虎と魚たち」
   4月8日(土)15:30 菊池市文化会館
【ひとことメモ】
 田辺聖子の短編小説を朝ドラ「カーネーション」などでおなじみの渡辺あやが脚本化。犬童一心監督が妻夫木聡、池脇千鶴主演で映画化した。障害を持つ少女の人生を背負うことの重さ。ラストの妻夫木の号泣が胸をつく。



◆「春の雪」
   4月9日(日)9:30 熊本県立劇場
【ひとことメモ】
 三島由紀夫の遺作「豊饒の海」の第1巻「春の雪」を行定勲監督が妻夫木聡、竹内結子主演で映画化。心ならずも別れた侯爵家の一人息子と伯爵家の一人娘が禁断の愛に走る。やがて二人の運命は悲劇へと。


城彩苑と寿ぎの舞

2017-03-20 22:15:17 | 音楽芸能
 桜の馬場城彩苑が開業6周年を迎え、昨日、誕生記念祭が行われた。舞踊団花童もそのステージを飾ったが、はつ喜月若さんと月桃さんによる寿ぎの舞「大和楽 羽衣三番叟」で6周年を祝った。
 今では花童のホームグラウンドのような場所となった城彩苑に、少女舞踊団ザ・わらべとして初登場したのは5年前の、城彩苑1周年の記念祭だった。そしてその時の寿ぎの舞も「大和楽 羽衣三番叟」だった。ちょうど、くるみさんが高校進学を控えていた時期で、あやのさんとかえさんの二人による舞だった。音響担当の不手際もあって、やり直しとなるハプニングもあった。おかげで、最初の映像に二度目の音をかぶせる羽目になり、下の映像は微妙に音と二人の動きがズレている。
 あれから5年。当時、先行きを不安視されていた城彩苑は、熊本地震の前まで熊本城の年間入場者数170万人のうち、100万人が訪れるという人気スポットとなった。しかし、当初の目的の一つだった熊本市内中心地への回遊性についてはいまだ評価できるレベルには至っていないという話もある。地震後、熊本城復旧の様子を見に来る観光客がどんどん増えているようだ。城彩苑の役割は今まで以上に重要なものになると思われる。

▼2012年3月4日 城彩苑1周年記念祭における少女舞踊団ザ・わらべ および こども舞踊団こわらべのステージ



▼2017年3月19日 城彩苑6周年 はつ喜月若&はつ喜月桃 による「羽衣三番叟」


▼2012年3月4日 城彩苑1周年 ザ・わらべのあやの&かえ による「羽衣三番叟」

桜の名所「行幸坂(みゆきざか)」を期間限定で開放!

2017-03-17 21:15:27 | 熊本
 熊本城の中でも最も桜の名所として知られる「行幸坂」は、現在、熊本地震の影響で立入規制が続いていますが、花見のピークの時期だけ4日間限定で開放されることになりました。
 区間は「行幸坂」の入口から二の丸駐車場に曲がる約200㍍の区間で、開放される日時は次のとおり。

  3月25日・26日および4月1日・2日のいずれも午前8時半から午後6時まで


 行幸坂は、明治35年、熊本で陸軍大演習が行われた時、明治天皇の行幸にあたって、御料車が登れるようにと、なだらかな傾斜にした「行幸坂」と「行幸橋」が造られた。



 旧藩時代、登城する時は、坪井川に架かった下馬橋を渡り書物櫓(左側)と馬具櫓(右側)の間から枡形虎口を通って入る。備前堀下の勢だまりに出るとそこから急な南坂を登り、南大手門をくぐり、頬当御門から本丸に入った。
 明治35年、上の図の下馬橋が少し下流に架け替えられて行幸橋に、南坂をなだらかにして行幸坂が造られた。

表現の自粛

2017-03-16 15:24:22 | 音楽芸能
 昨年10月、NHK BSプレミアムで放送された紀行ドキュメンタリー番組「ニッポンぶらり鉄道旅 ~“下町の遊び心”を探して 都電荒川線~」に、江戸端唄師匠の笹木美きえさんが出演された。その時、笹木さんは「梅は咲いたか」を披露されたのだが、この唄の解釈をめぐって、番組制作サイドの、表現を自粛する姿勢に強い違和感を感じたことをご自身のフェイスブックで吐露されている。また最近発売された月刊誌「新潮45」に掲載された俳優の中井貴一さんの、この問題に対する危機感も合わせて紹介されている。
 作家の筒井康隆さんの断筆宣言騒動から20数年、言葉の不自由さはますます増しているようだ。
 下の江戸端唄「浅草詣り」もしばしば問題を指摘される唄の一つ。かつて僕らが子供の頃、大きな神社仏閣などで、参拝者が物乞いを振り払う様子を見かけたものだが、笹木さんによれば、これがよろしくない表現だと、他の言葉に置き換えて唄う方もいるという。 



 この「浅草詣り」は、長唄「越後獅子」の「何たら愚痴だえ 牡丹は持たねど 越後の獅子は・・・」という一節を歌詞を変えて唄っているもの。