大河ドラマ「八重の桜」における長州藩の描写に山口県民が不快な思いをしているという記事をエキサイトのニュースで見た。僕は山口県にも住んでいたから山口県民の気持はよく理解できる。いまだに残る会津藩に対する遺恨の話は、映画「釣りバカ日誌12」でも描かれていた。萩生まれの娘(宮沢りえ)は恋人(吉岡秀隆)が会津生まれだから結婚が許されない、というような話だった。しかし、映画でもドラマでも歴史モノはだいたい主人公の側の視点で描くから、相対する側の立場の人から見れば納得いかない点があることは、「八重の桜」に限らずこれまで何度もあった。今度の「八重の桜」に関して言えば、僕はこれまでのところ長州藩がそれほど一方的に悪者扱いになっているとは感じない。ただ、長州側の久留米藩士・真木和泉に関してはひと言言いたい。演じた嶋田久作は個人的には好きな俳優さんなのだが、何せあの怪優ぶり。真木和泉は久留米水天宮の宮司。僕個人にとってもゆかりの深い神社だから、嶋田久作の真木和泉については正直違和感を拭えなかった。一方、会津藩と相対する立場になってしまったわが熊本藩士の宮部鼎蔵はかなり好意的に描かれていて、襲った新撰組のハネ上がりぶりが際立ったのは個人的には納得がいった。
※写真は久留米水天宮でのお詣り(2006年)
※写真は久留米水天宮でのお詣り(2006年)