徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

今日の熊日紙面から

2018-09-30 17:49:06 | 熊本
 幸い熊本は台風24号の芯から外れたが、日がな一日、グダグダ家で過ごした。久しぶりに熊日新聞の隅から隅まで丁寧に目を通した。どういうわけか今日は興味深い記事がいっぱい並んでいた。そんな中からいくつかピックアップしてみると。

▼慶誠スイーツ 全国制覇
 昨年、従姪が慶誠高校チームの一員として出場した「スイーツ甲子園決勝大会」の今年の大会で、従姪の後輩たちが全国制覇を成し遂げたという。おめでたい話ではあるが、昨年優勝を逃した悔しさがよみがえる。

▼求ム!伝道者 小堀流踏水術
 肥後細川藩伝統の「小堀流踏水術」を継承する人が減少して危機的状況にあるという。この「小堀流踏水術」はわが母黌、済々黌水球部創立の原点ともなった伝統の日本泳法。踏水術は身を守るための泳法として、競泳の各泳法よりも先に子供たちに教えておくべきだ。存続の危機は他人事ではない。

▼熊本城「秀頼守るため」
 昨日、熊本学園大で行われた公開講座で、作家の井沢元彦さんが、加藤清正の熊本城築城の目的について「豊臣秀頼を守るため、徳川家と戦うつもりだった」と自説を披露。築城の目的はそれだけじゃないだろうという気もするが、「昔の常識と今の常識は違う。そのことを理解していない歴史学者がいる」という指摘は完全に同意。

 加藤清正が豊臣秀頼を熊本城に迎え入れるために用意したという熊本城本丸御殿「昭君之間」
 平成25年10月28日、天皇・皇后両陛下のご視察
2013.10.29 熊日新聞より

植物に学ぶ生存戦略

2018-09-28 16:55:25 | テレビ
 Eテレって、NHK教育テレビと呼んでいた時代から、時々こんなミョーな番組やるよね。真面目なんだかふざけてるんだかわからないような。この前も筋肉体操なんてのをやっていたが、昔、胡散臭いオジサンが出るヨガ番組を始めた時も驚いたものだ。ひょっとして物凄いコメディセンスのあるプロデューサーでもいるんじゃなかろうか。
 今やっているのが「植物に学ぶ生存戦略」というタイトルで、俳優の山田孝之と、「ブラタモリ」で今売り出し中の林田理沙アナが、美しき植物たちの謎めいた生態を読み解き、人生のヒントを探ろうという番組である。昨夜取り上げた植物は「ヘクソカズラ」。山田はヘクソカズラの剛毛ぶりを自分自身の剛毛に例えて説明していたが、そんな自分の身を削るような仕事を受けて大丈夫なんだろうかと、ちょっと心配になった。笑いもせずクソまじめに進めて行く二人をながめながら、そこらへんの芸人たちが出るバラエティ番組よりよっぽど面白いと思った。


阿蘇神社の流鏑馬

2018-09-27 20:51:32 | 熊本
 9月25日、阿蘇神社(阿蘇市一の宮町)で、秋の収穫に感謝する「田実祭(たのみさい)」の流鏑馬(やぶさめ)が3年ぶりに奉納された。流鏑馬は熊本地震後の復旧工事のため中止されていたが、倒壊した楼門の解体が終わり参道に馬場を確保できたことで実施されたもの。しかし、来年以降は楼門の再建が始まるため、開催できるかどうかわからないという。
 なお、田実祭は国重要無形民俗文化財「阿蘇の農耕祭事」の一つ。

(9月26日熊日新聞より)


▼阿蘇神社ゆかりの能「高砂」
住吉明神:塩津圭介  阿蘇神社神主・阿蘇友成:飯冨雅介  従者:岡充
(藤崎八旛宮例大祭・御旅所御能組より)

祇園の舞妓はん

2018-09-26 15:04:00 | 音楽芸能
 今日から鶴屋百貨店で「大京都展」が始まり、オープニングイベントとして舞妓はんの舞が披露された。やって来たのは祇園東の舞妓雛佑(ひなゆう)さん。舞のほか、Q&Aや写真撮影などが行われた。雛佑さんは今年20歳、FB友の竹中邦彦さん情報では12月に襟替えが予定されているとも。
 祝舞の「松づくし」と祇園を象徴する「祇園小唄」の2曲を舞ったが、この「祇園小唄」を作詞した長田幹彦は熊本ゆかりの人物。彼の両親は菊池の出身。菊池神社には彼の歌碑も建てられている。
 観客席で「一生縁のないものを見せてもらった」などと笑い話が交わされていたが、今年は4月の山鹿八千代座に続き、今回のイベントと2回も京の芸舞妓の舞を見せてもらいラッキーだった。


「松づくし」 〽唄い囃せや 大黒 一本目には 池の松 二本目には 庭の松・・・

▼祇園小唄


熊本城の特別公開

2018-09-25 19:40:24 | 熊本
 熊本地震からの復旧工事で立入り規制が続く熊本城は、大天守の外観部分の復旧工事を終える来年10月から、原則として日曜と祝日限定で天守閣付近まで歩いて見学できる特別公開が実施されることが発表されました。特別公開の見学ルートは二の丸広場から西大手門、頬当御門を通り、天守閣前広場までのおよそ450㍍になるようです。
 最近、二の丸広場から西大手門への通路が再び立入り規制となりましたが、いよいよ西大手門とその周辺も復旧工事が始まるとみられます。


2015年3月の熊本城大小天守閣


西大手門から頬当御門への通路

熊本とエクサンプロバンスの縁

2018-09-24 17:51:23 | イベント
 熊本市の市政だより10月号が届いた。最終ページに10/1~31のひと月にわたって行われる「くまもとフレンチウィーク」というイベントが紹介されていた。日仏交流160周年を記念するイベントだという。熊本市はフランスのエクサンプロバンス市と交流都市となっているので、同市との交流事業が含まれている。記事を読みながら「ん?」と気になることがあった。それは記事の中に喜多流能楽師「狩野琇鵬(丹秀)」さんの名前もなければ、能関連の行事もないことに気付いたからだ。
 狩野先生は一昨年他界されたが、そもそもエクサンプロバンス市と交流都市になったきっかけは永年にわたり、狩野先生が続けて来られた能を通じたフランスとの文化交流であり、特にエクサンプロバンス市には「狩野丹秀能楽堂」を寄贈され、度々公演やワークショップなどを行なってこられたからである。2009年にはフランス芸術文化勲章「オフィシエ」を受章、2012年には「ジャンヌダルク600年祭」を記念して、自ら演出された新作能「ジャンヌ・ダルク」を、オルレアン、パリ、エクサンプロバンスで公演された。
 釈然としないので、さっそく熊本市の担当課へ問い合わせをした。今日は休日だったのでまだ回答はないが、明日には何らかの回答があるだろう。


新作能「ジャンヌ・ダルク」フランス公演ポスター


狩野丹秀能楽堂(エクサンプロバンス市)


今週のカバー写真 ~棚田を潤す清流~

2018-09-23 17:48:44 | 熊本
 朝5時半に家を出て、「番所の棚田」へ車を飛ばした。この時期は見物の人出が多いのでそれを避けるためと、冷涼な朝の空気の中で棚田を見たかった。1時間足らずで現地に到着した時はまだ薄暗かったが、既に5、6人の人がカメラを構えていた。棚田の主役は黄金色の稲穂と真紅の彼岸花だが、山稜から流れ出た清流や先人たちが苦労して積み上げた石積棚田がなければそれは実現できない。それらにもっと注目すべきだと思う。
 初めて「番所の棚田」を見てからちょうど10年。風景も少しづつ変化してきた。美観が損なわれつつあるのは確かだ。それはまず、稲穂が少なくなった。休耕田が増えつつあるのだ。特に高地の棚田は生産性も悪いし、農家の高齢化や後継者の問題も背後にはあるのかもしれない。「番所の棚田」が消滅する日が来ないことを願うばかりだ。


鄙哥(ひなうた) 本條秀太郎さん

2018-09-21 22:03:40 | 音楽芸能
 今日、久しぶりに本條秀太郎さんのオフィシャルサイトをのぞいてみたら、2014年4月12日に紀尾井小ホールで行われた「本條秀太郎の会 鄙哥ー伝えゆく詩達ーvol.6」がYouTubeにアップロードされていることを知った。その映像の中に僕の大好きな「島めぐり」が含まれていることが分かりさっそく視聴した。いつかナマで本條さんの「島めぐり」を聞いてみたい。
 「鄙哥(ひなうた)」とは田舎の歌という意味だが、本條さんが始められた「俚奏楽」も「雅(みやび)」に対する「俚(さとび)」の音楽ということなので同じような意味合いなのだが、「鄙哥」の方がよりプリミティブな意味が強いように思われる。


今年4月、山鹿八千代座での公演でお練りの人力車に乗り込む本條秀太郎さん


▼15分過ぎあたりから「島めぐり」が演奏されます。

そよ風のようなひと

2018-09-20 10:42:35 | スポーツ一般
 3日前の月曜日、祭りは終わったものの連休最終日とあって、上通りの人出は多かった。そんな人波をかいくぐるように、ふっと車椅子の女性が現れた。その瞬間、「中尾さんだ!」とわかった。中尾さんとは、かつて三段跳びなどのトップアスリートとして活躍したが、不幸な事故により現在は車椅子のパラ陸上選手としてメディアでも度々話題になっている人である。僕は彼女がトップアスリートだった頃、陸上競技場では何度も見ているが、車椅子に乗っている姿をナマで見たのは初めてだったのでちょっと不思議な気がした。さわやかな笑みをたたえた彼女はふっと人波の中に消えた。そよ風が頬を撫でて通り過ぎたような気がした。

玄海竜二さん 死を覚悟した舞台

2018-09-19 18:09:30 | 音楽芸能
 今日のKKTくまもと県民テレビの情報番組「てれビタ」で、先日、長いリハビリを経て舞台復帰を果たした大衆演劇界の重鎮・玄海竜二さんが、家族や仲間やファンらに支えられながら舞台を務めた当日の様子をリポートした。
 8日、嘉穂劇場(飯塚市)で「全国座長大会」が行われ、全国から約40人の座長が一堂に会し舞踊や芝居で競演した。玄海さんはこの舞台を復帰の場と定め、リハビリに励んできたが、直前に「誤嚥性肺炎」で再び倒れ、出演は危ぶまれていた。しかし、舞台の上で死んでもいいという玄海さんの気迫が出演に漕ぎ着けた。鬼気迫るようなその舞台は、玄海さんの復帰を待ち望んでいた多くのファンの感動を呼んでいた。この嘉穂劇場は、玄海さんの父、2代目片岡長次郎さんの最後の舞台となったゆかりの芝居小屋。その時の演目と同じ「王将」を座ったまま舞い、万雷の拍手を浴びていた。来年は熊本での舞台復帰を目指すという。


「王将」を舞う玄海竜二さん

秋のくまもとお城まつり

2018-09-18 20:11:50 | イベント
 毎秋恒例の「秋のくまもとお城まつり」が10月6日(土)より熊本城二の丸広場で始まります。
 様々なイベントが予定されていますが、個人的に下記の三つは特に見逃せません。

◇熊本城流鏑馬
  2018年10月21日(日) 10:30~12:00
  出演:武田流流鏑馬保存会



◇熊本城薪能
  2018年10月6日(土)18:30~20:00
  出演:金春流
  番組:仕舞「羽衣」「船弁慶」
     狂言「附子」
     能 「半蔀」



◇第17回熊本城島唄コンサート
  2018年10月8日(月祝)17:30~20:00
  出演:古謝美佐子、佐原一哉、琉球國祭り太鼓熊本支部
     中村花誠と花と誠の会、舞踊団花童

御旅所で能を観ながら…

2018-09-17 21:27:24 | 日本文化
 「Aso4」と呼ばれる約9万年前に起きた阿蘇カルデラ噴火の火砕流堆積によって出来た京町台地の南西端が藤崎八旛宮の段山御旅所。能舞台に迫る切り立った崖はその火砕流堆積の痕跡である。2年半前の熊本地震で崖の一部が崩れたため、昨年、コンクリートの防護壁が造られた。これによって崖崩れのおそれは無くなったが、風情は損なわれた。また、晴れるとこの白いコンクリートがハレーションを起こし、橋掛かり側からの撮影には支障をきたすようになった。安全性優先だからやむをえないが、何だかなぁ…
 能は千番見るまで語る資格なしといわれる。僕なんかまだ百番にも満たないし、いまだ語るほどの知識も持ち合わせていない。だからいつも素人感覚の感想しか言えないが、逆に今だからこそ感じとれるものもあるのではないかとも思う。昨年の藤崎宮例大祭は台風で日程が3週間延期になり、出演予定だった能楽師の多くが日程確保できず、番組が大幅に変更になった。内容的には不満足な思いが残ったが、今年は若手実力派が揃い、とても見ごたえのある番組となった。「高砂」の塩津圭介や「半蔀」の友枝雄人など、これからの能楽界をリードして行くであろう能楽師たちの若手らしい溌剌とした舞台を観ることができたのは何よりも嬉しかった。御旅所の一角に御神幸の神輿が一時安置してあるのでお賽銭をあげて参拝したが、これだけ充実した能舞台を無料で観られるなんてこんな幸せなことはない。


熊本地震前の段山御旅所北側の崖


金春流 半能「竹生島」後シテ:田中秀美 後ツレ:古閑祥高 ワキ:飯冨雅介 ワキツレ:岡充

御旅所御能組 ~藤崎八旛宮例大祭~

2018-09-16 19:33:11 | 音楽芸能
 第410回 藤崎八旛宮例大祭 御能組
 2018年9月16日(日)段山御旅所


喜多流 半能「高砂」後シテ:塩津圭介 ワキ:飯冨雅介 ワキツレ:岡充


金春流 半能「田村」後シテ:秋山純晴 ワキ:岡充


和泉流 狂言「舟船」太郎冠者:東信彰 主:田嶌晴雄


喜多流 能「半蔀」シテ(前・後):友枝雄人 ワキ:坂苗融


金春流 半能「竹生島」後シテ:田中秀美 後ツレ:古閑祥高 ワキ:飯冨雅介 ワキツレ:岡充

今週のカバー写真 ~ 雅楽 ~

2018-09-15 17:19:06 | 音楽芸能
 明日の藤崎八旛宮例大祭御神幸の段山御旅所での御能奉納に先立って行われる神事では雅楽が演奏されます。雅楽演奏を間近で見ることはめったにありませんので毎年楽しみにしています。まさに雅なその音色を聞いていますと、千数百年におよぶ悠久の歴史ロマンを感じます。
 写真は手前から笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)、鉦鼓(しょうこ)、鞨鼓(かっこ)などが見えますが、雅楽楽器には他に太鼓、琵琶、筝などがあります。
 余談ですが、今日、能楽界のリーダーの一人である能楽師・友枝昭世さん(人間国宝)の友枝家は、今から千年以上も昔、祇園社(北岡神社)が京都八坂神社より勧請された時、供奉して肥後にやって来た楽人(雅楽を演奏する人)の子孫だそうです。


藤崎八旛宮例大祭 ~飾馬飾卸~

2018-09-14 19:59:45 | 歴史
 ラフカディオ・ハーンが「気違いじみた大祭」と称し、種田山頭火が第二の故郷の祭りとして懐かしんだ藤崎八旛宮例大祭が始まった。今日は明後日の御神幸「随兵」に奉納される飾馬70頭の飾り卸しが行われた。朝から勢子たちの鳴らす鐘太鼓やラッパが街中に響き、熊本人のテンションは徐々に高まって行く。
 420年前、朝鮮の役から無事帰還した加藤清正が八幡神に感謝し、自ら随兵頭となって100名の兵を従え、御神幸に供奉した故事に倣う行事である「随兵」。いつの頃からか、氏子や町衆が飾馬を奉納するようになり、馬追いの勢子たちの賑やかな囃子が祭りを盛り上げる重要な要素となった。


一番 鳥居基


二番 水道町