関とおるの鶴岡・山形県政通信

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学校施設の安全管理について議会で質問

2006年06月14日 | 子育て・教育

 6月定例市議会の一般質問で、学校施設の安全管理のあり方について質問しました。 先にお知らせした、朝暘第一小学校の事故について調べる中で、施設・設備の安全点検について、調べる中で文科省の基準・予算措置が不十分であることを知りました。 その中で、自治体として可能な点検体制の改善について提言しました。
(一部要約しています)  

 学校施設について通告をしておりますが、中でも施設・設備の整備・点検、安全管理について質問致しします。
 まず、4月20日に朝暘一小体育館で発生した照明灯の落下事故の問題です。 スポーツ少年団の活動中に、高さ7mの天井から、直径約30cm、重さ1kgの器具が落下したわけですからあわや大惨事という事故でした。けが人がなかったことは誠に幸いでした。
 日本共産党市議団は直ちに調査の上、「原因究明、小中学校全校の総点検、安全点検基準の見直し、一小の早期改築」を5月10日に教育長に申し入れました。翌日の市長の定例記者会見の中で一小早期改築と全小中学校の安全点検をおこなうという表明があったという経過になっております。
 私は、保護者・住民の皆さんと早期改築を求めてきた者として、表明を歓迎し、早急な予算化を求めたい。本市で改築が必要とされている残り5校の改築推進の努力も併せて求めたいと思います。
 同時に、今回の事故を正しく総括し、再発防止を図るために教訓を導く必要があると考えますので質問します。
 まず、第一に、今回の事故の原因や対処のあり方など、この問題をどう考えているのかご説明願いたいと思います。 実施が表明された全校の安全点検、既に開始されているようですが、その内容・予算等についてもご説明下さい。
 第二に、安全管理に関わる情報の周知の問題です。 この事故について、学校から保護者への報告が当初ありませんでした。こういう情報は、保護者にきちんと伝えるべきと考えますがいかがでしょうか。
 また、重大事故にも関わらず、市長・教育長から保護者に向けてのお詫びが聞かれないのは問題と思います。今議会でも特段の説明が無かったこと自体不思議に思うところであります。
 さて私は、事故の背景に一小にとどまらない校舎の老朽化と修繕の遅れの問題、12月議会でも申し上げましたがこの問題があると考えます。これを改善していくというのは当然のことであります。
 同時に、学校施設・設備の点検について、既定のやり方では及ばないところがあるという問題、安全点検体制の改善の必要性を今回の事故が浮き彫りにしたのではないかと考えます。
 学校施設の設備の安全点検は、学校保健法と同法施行規則に則っておこなわれる訳ですが、点検は「学期に一回以上・月一回以上が望ましい」とされており、文科省や県教委の点検マニュアルを見ると、照明具などについては「落ちやすくなっていないか点検する」、点検は「教職員が目視によっておこなう」ものとされております。 こうした点検は、一小でも間違い無く、おこなわれていましたが、しかし破損状態はわからなかったわけです。
 私も事故後すぐに見て参りましたが、落下したものと同種の器具が、既に補強はされていましたが残っておりましたので下から見ました。いわゆる目視をしましたが、とても安全かどうかしろうとが目で見て判別できるものではないと思いました。他にもいくつかの学校の体育館を見て回りましたがやはり同じ感じを持ちました。
 安全点検の対象・方法、この実態を見てみますと、こういう類の問題は色々見受けられました。例えば、体育設備・遊具等の整備保全などについて、「目視」あるいは「打音による検査=たたいて音で判断する」などといっているところでありますが、施設のプロでないとなかなか難しいと言わざるを得ないのではないかと思います。 色々な学校の教職員にも聞いて見ましたが、同様のご意見でした。文科省の基準通りやるだけでは十分でない、自治体独自の努力が求められる。
 そこで、第三に、「先生では点検できないような箇所」について、点検・補修を専門職員でおこなうという措置、一部ではおこなわれてきたようですが。これを新市全体に拡大すべきではないかと言うことです。
 具体的な内容は三つあります。 一つは、旧鶴岡市では遊具については年2回業者の点検がおこなわれています。また、旧町村で専門業者が点検をし、点検の際に、遊具等金属製の器具のサビ止めなどの補修も同時に実施してきたというところもあります。こうした措置を全市で実施すべきではないか。遊具だけではないと思いますので、必要な施設についておこなうべきではないかということであります。
 二つ目に、今回問題となりました高い所に設置されている設備について。照明や音響などについて、定期的な専門職員の調査をおこなうということです。 多くの場合足場を組む必要がある訳ですが、今、行事の前などに照明の修理おこなわれることが多いようですから、そういう機会に点検を実施されてはと思います。
 三つ目に建物全体の点検、法の定めでは「3年に1回」、建築基準法の特殊建築物の定期調査になる訳ですが、状況に応じて3年に1回にとどまらず必要な回数・内容で実施してはいかがかと考えます。 以上の三つは、学校の建設年次・状態に応じて方法などを検討されるべきであることは言うまでもありません。照明灯などは新しいところはそういう点検が不要なところもある訳であります。 
 最後に、耐震診断と工事。この現状についてどうなっているかお伺いしたいと思います。 以上、必要に応じて自席から再質問させて頂きたいと思います。

~教育長答弁~
 この度の朝暘第一小学校の体育館照明器具の落下事故につきましては、保護者始め、地域の皆さま、関係各位にご心配をおかけしまして、大変申し訳なく思っているところであります。
 ご質問、大きく分けて3点、細部に渡って、多岐に渡っておりますので、順を追って答えさせて頂きます。
 まず事故報告に関しましては、学校の管理規則に基づき、安全管理は校長に委任している事項であるため、これまでも学校長の判断で保護者への報告等しておりました。今回の事故でも幸いケガをした方もおらず、器具の破損にとどまったこともあり、PTAの役員の方々には当日、事故発生直後に報告をしたものの、保護者全員への報告は遅れるという結果になったものであります。
 教育委員会では、学校からの報告を受け、修理点検業務を優先し保護者への報告については、特段指示はしておりませんでした(?!)。今後事故の未然防止に努めると共に、万が一にも事故が発生した場合には、必要に応じて関係各位に速やかにご報告するよう学校と連携しながら進めて参りたいと存じます。
 事故の経過につきましては、先ほどお話しありましたように、4月の20日午後5時15分頃に体育館天井の鉄骨部分に設置してある照明器具の取り付け部分が破断し、落下したもので、すぐに学校では校長始め教職員が、落下した器具の片付け、当日の体育館の利用を取りやめるよう関係団体に連絡をし、立ち入り禁止の措置をとりました。
 教育委員会では、連絡を受けると、翌朝すぐの修理と、落下していない器具の点検を業者に依頼し、このことを学校に連絡しております。 21日午前8時45分から業者が体育館に足場を組み立て、すべての照明器具について点検・応急修理をおこない安全性が確認されたことから、正午には体育館の使用を再開しております。 その後、5月1日に新しい器具の交換作業を完了しております。
 この事故を受けて、同種の照明器具を使用している体育館についてただちに業者による安全点検を実施致しました。さらに、市内の全小学校中学校幼稚園に対し、照明器具を始めとする学校施設全般についての緊急の安全点検をするように依頼したところであります。点検の結果を申し上げると、照明器具で破損しているという報告はありませんでした。その他の破損箇所につきましては、壁のヒビや窓枠の腐食、フェンスの破損等の報告がありましたので、これらについては現状を確認し必要な箇所につきましては、専門業者による点検をおこなっているところです。また、緊急性の高い破損箇所については、既に修理に着手をしているところです。
 続きまして、学校施設の安全管理と点検体制の充実についてお答えします。学校を始めとして、不特定多数の方々が利用する公共性のある建物は、構造の老朽化、避難設備の不備、建築設備の作動不完全などにより、大きな災害が発生する恐れがあることから、法律により定期的に点検をするように定められております。当市の学校についても、一級建築士などの有資格者に委託し調査を実施しております。 
 法令に定められた検査以外にも、学校においては建物の性能機能を把握し、異常な兆候をできるだけ早く発見して、事故を未然に防ぐよう日常的に管理や点検をおこなっているところです。
 高所にある照明器具等については、電球交換の作業を年1,2回程度専門業者に依頼しているところから、メンテナンス作業の実施と同時に器具等の安全点検を確実におこない、事故防止についても万全を期して参りたいと思います。
 次に耐震診断補強計画についてでありますが、新市の耐震補強の実施状況につきましては、耐震診断がおこなわれていない学校が5校あります。これらについては今年度中に調査をおこない、全小中学校に対し耐震診断を完了する予定でおります。一方、耐震診断と補強設計が完了し、建物の耐震補強の方針が決定されている学校については、早期に補強工事を実施して参ります。
 今年度は、小学校の屋内運動場1校の補強工事が予算化されており、事業実施の準備をおこなっているところであります。今後とも耐震化の推進に努めて参りますので、ご理解頂けますようお願い致します。

~再質問~
 最初に、緊急の安全点検を実施するということですので、その内容と状況、これもわかればご回答願いたい、予算の措置がどうなっているかということも含めて、第一の質問です。
 それから、耐震診断、未実施が5校ということでしたが、これは優先度調査をしたのちに耐震診断に至っていないのが5校ということでしょうか、確認したいと思います。

~教育長答弁~
 安全の点検ですが、各学校に日常安全点検の方式が、県の安全点検マニュアルに従って、それぞれの学校の特性に応じてつくってあるので、まず第一議的には、そのマニュアルに従って点検をおこなう。教育委員会としては、校内外、それから校舎校地、それから或いはこれは常々の安全点検でおこなっている訳ですが、今回の事故を受けて常々では考えられないようなことについても、この事件を教訓にして学んだ点でありますので念入りに目視点検をおこなうということをお願いしたところであります。
 なお、先ほども申し上げましたが、高所については、施設担当並びに業者依頼をして点検をしました。
 それから、耐震の手順ですが、これは合併の6市町村の中で手順がことなっている訳で一様ではないのが実態であります。まず優先度調査をおこなうというところまあれば、耐震度診断をしてその対応策まで徹底して一校ずつ対応するというような手順をとってきたところまで様々ですので、現時点でそれを踏まえながら進めている訳で、一つの形式に則って進めるという状況には無い。

~再質問~
 最初に、二つ目に伺いました情報の周知の問題でありますけども、今後必要に応じて関係者に周知をおこなうということでありますから、是非そのようにお願いしたいと思います。
 なおこの、校長の判断と言うことはもちろん規則上そういう形になっている訳ですが、第一小学校ではこれまでも色んなことがありますとすぐに保護者に丁寧な説明がおこなわれておりまして、水が漏れても報告をおこなうということで、保護者も信頼をしてきたところでありますので、今回の事後処置についても当然教育委員会に相談というか報告があったと思いますので、その時にしかるべき処置をしてもらいたかったと。これからされるということだと思いますので是非お願いしたいと思います。
 それから、安全点検体制についての改善ということについてですけども、高所にあるものについての点検は修繕等の際に図っていきたいというふうに伺いましたが、それで宜しいか伺いたいと思います。
 また最初の質問で遊具等そういう物の点検の際に、可能な一定の補修なども併せておこなってはどうかと。旧町村では、そのような措置がされてきたところもあるということですから、そのことは重ねて伺っておきたいと思うんです。
 施行規則の中で、「安全点検の結果に基づいて修繕等・・措置を講じなければならないと、「事後措置」の定めがある訳ですから、一緒にやった方が合理的でもなかろうかと思います。
 それからもう一つ、建物全体の点検についても、これは老朽化等の度合いということだと思いますが、必要な校舎等については一定の期間も決めておこなうということ、このことも実施されてはどうかと思いますので重ねて伺いたいと思います。

~教育長答弁~
 最初の、学校の情報の提供についてですが、冒頭に申し上げたように、色んなことが学校の中にはあるのが常であります。子どもの活動が中心でありますし、子どものケガもあれば今回のような物の破損もあるということで、しかしそこの点が情報のどの時点でお知らせをしたらいいのか。すべてという訳にはいかないだろうと思う。そこで学校長が安全も確保しなければならないし、子どもにも注意を喚起し、保護者にも協力をえなければならない。色々な面から判断をしながら必要なものは情報提供をしている。
 その点では、原則的には学校長の判断に委ねながらも、必要な時には教育委員会も関わって丁寧な対応をしていきたいと思います。
 二つ目の高所作業ですが、先ほどの色んな点検作業の時に、さび止めとかネジの点検ネジをしめるとかいうことも、議員ご指摘のようにお願いをしていきたいと思います。
 スポーツ課にあるリフト等で間に合う範囲の高さのものであればそういうもので定期に点検をしていきたいと考えております。
 なお建物については、施設担当者、専門的な立場で巡回する訳ですし、なお、法定の年数内に限らず、機会をみてそれ以上の点検をするような努力をして参りたいと思います。

~再質問~
 様々な、私お伺いしたような点検について、色々改善・検討されていきたいということですので、歓迎をしご努力をお願いしたいと思います。
 それから、耐震補強の問題につきましては、優先度調査に基づいて旧市では建て替えが急がれるというところも出ている訳ですが、優先度調査の中でも、順番を決めるということだけではなくて、評価が、改築・補強の緊急度を測る評価と言うことも出てくる訳ですから、その場合に、改築が当面できなくとも、改築・補強まで長期間にわたる場合は、応急補強をおこなうことが重要だと、これも耐震化推進指針の中でも掲げられているところですから、そういう判断をする上でも、優先度なり耐震調査ということを急いで頂きたいと思います
 最後になりますが、今回私色々調べさせて頂きまして、施設管理点検の担当部局の取り組みについては、学校現場で評価されているなというふうに感じた次第です。 現場の状況をよく把握されて、問題があれば速やかに求めに応じて点検をされるということで、なかなか、保護者や市民の目に触れるところの無い仕事である訳ですが、大変立派なものだと改めて感じました。今後ともご奮闘を期待したいと思います。 
 しかし正されるべきは教育予算の不足ということだと思います。根本には国の政策の遅れということがある訳ですけども、子どもの安全・良い授業がおこなえる学校環境を整備するということ、これは自治体の第一の仕事でありますから、金が無いと言ってはいられないことだと思うんです。必要なお金を割いていくということを求めまして質問を終わります。