今月から、鶴岡市の介護サービスの実態調査の一環として、介護事業所を訪問して実情を聞く取り組みをおこなっています。
鶴岡市には、数多くの介護事業所があります。サービスの種類別に列記しますと、
居宅介護支援 29(内旧鶴岡市が22)
訪問介護 29(24)
訪問入浴介護 6(4)
訪問介護 2(2)
訪問リハビリ 1
通所介護(デイサービス) 33(23)
通所リハビリ(デイケア) 7(5)
短期入所生活介護(福祉系ショートステイ) 11(6)
短期入所療養介護(医療系ショートステイ) 8(6)
認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス 7(5)
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) 14(6)
福祉用具貸与 14(10)
特定福祉用具購入費 12(10)
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) 12(3)
介護老人保健施設 3(2)
介護療養型医療施設 5(4)
※( )内は旧鶴岡市。ほとんどのサービスには、それぞれ「介護予防・・」という
「軽度」の方へのサービスもあります。
合計すると193にもなりますが、多くの事業所が複数のサービスを実施していますので、実数はこの数分の1になります。
事業所の経営は実に様々です。
市直営、社会福祉協議会、医療生協、農協、社会福祉法人、病院、民間会社etc..・・。
私が特に気になるのは、民間の事業所です。
都市部では、「バブル期にディスコで儲けた資本が介護事業に参入」という有名な話がありますが、営利目的の経営が「介護を儲けの場にする」ことが、介護保険制度導入時から問題点とされてきた(介護保険がそれを一つの目的としてきたので当然ですが)からです。
鶴岡の事業所でも、様々な例があります。中には、「開設後数ヶ月で経営が息詰まり、職員への賃金不払いの末に閉鎖」「労働条件の酷さ、介護内容の劣悪さに、2年間で職員が全員入れ替わり」などなど、驚くようなケースもあります。
介護に営利目的の資本の参入を許したことの弊害は、鶴岡でも明らかです。
しかし、今回私が訪問した事業所は、「福祉施設に働いていた人が立ち上げ(これも脱サラ?)」から、「銀行員から脱サラ」という形のところも含めて、「良い介護をしたい」という情熱を持って、利用者にも喜ばれながら事業を進めていると思われるところが数多くありました。
事業者も、地域社会の一員としての誇りと自覚を持って頑張っている人が多いと感じ、大変嬉しくなりました。
ともあれ、訪問して伺った話をいくつか紹介しますと、
/利用者負担増について/
○昨年10月改悪で、利用者は要介護1や要支援1など軽度の方が最も多いた
め収入3割減となった。介護保険制度は年々きつくなるばかり。
○「筋トレ」利用など半分もしないだろう。若いときにそういう経験があればいいが
90才もなってから、「筋トレしろ」と言われても?
厚労省は地方も都会も一緒にしてる。
○鶴岡は、散歩すれば、景色もいい、山道も、たんぼ道もある。これが一番の介
護予防ではないか。
/福祉用具貸与制度改悪/
○本当に必要な人が使えない。要介護認定を弾力的にすべき。
○「一旦、立てば歩ける」人が、ベッドを取り上げられては歩けない。
○自費レンタルでは大変。
/そもそも介護保険について/
○皆が利用できる制度にしてもらいたい。月3万5~6千円しか収入無い人では
利用するのは大変だ。
○これからは、「施設も新たにつくらない、在宅の利用も制限」と言うことなので、
地域で支える体制が大事になっていく。町内会の機能、民生委員の役割など重
要。(民生委員は)もっと必要なのではないか。
○県内で「要介護者を抱える家族3人心中」というニュースがあった。まだまだ地
域で支える体制が足りない。そこに目を向けていくと見えてくるものがある。
○介護保険について、市民はどれだけ知っているだろうか? 自分は知人から
聞かれることがあるが、基本的なことも知らない人が多い。
○「91才のおじいさんに、要支援1になりましたのでヘルパーは頼めません。一
緒に掃除しましょう」「掴まって立てる人は福祉用具は返して下さい」。こんな改
正おかしい。
○制度開始からずっと認定の仕方に問題。手間のかかる人が「支援1」=今回の
「改正」で「デイサービス週1回」。だがウチでは2回受け入れている。
/鶴岡市の介護/
○あまりにも社協偏重。助成金があり、事業が大きすぎる。独占企業だ。
○手に負えない利用者を回してよこす。そういう人の介護が本来社協の仕事の
ハズ。
○ケアマネージャーは研修をもっとすべき。法律よりカウンセリング、心理学、何
より人間としての教育。人によって差があり過ぎる。
○一人暮らし老人世帯ものすごく多い。子どもも遠くにいる。
○「バイオ研究」にあんなにお金を注ぎ込むのはおかしい。介護の方が市民のニ
ーズでは?
導入後、6年ばかりの間の度重なる制度改悪、保険料・利用料負担増の中で、事業者の方々が(そして利用者が)どれほどの苦労をしているか、その中でも、多くの事業者の方々が良い介護の提供にどれほど努力しているかということを実感しました。
私も、医療・;介護・福祉、社会保障の充実を自らの最大の課題と考える議員として、身の引き締まる思いがしました。
引き続き、訪問・対話を続けていきます。