関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

総括質問をおこないました

2007年09月07日 | 市政全般

6日(木)、ついに総括質問をおこないました。要旨を記載します。

<国保>
 市政の第一の問題は、市民生活の実情をしっかり認識し、市民の暮らしを守るために全力を挙げていくかどうかということ。最初に国民健康保険について取り上げる。
 H18年度は大幅な税率引き上げがおこなわれたが、決算では、H17年度で6億3千万円、H18年度が5億6千万円の(予算比で)大幅な改善となり、H18年度末では16億6千万円の基金が残った
 一方、重すぎる税をまともに払えない方が増加し、今年8月では資格証明書がこれまでの28件に加えて4件の新規発行の予告、短期保険証は787件に加えて731件の予告が発送された。これらは、具合が悪くても受診を手控える方々であり、貧困と格差の拡大の重大な現れ。大幅引き上げに踏み切った市当局の責任は重い
 市民に重い負担をかぶせたH18年度の税率引き上げは、不適当だったと思わないか。
 また、一般財源投入を視野に、当面は基金を活用しながら、税率引き下げと減額・免除制度の拡充、H20年度から始まる特定健診など保健活動の充実を図るべきと考えるがどうか。
<介護保険について>
 17年10月の施設サービスの負担引き上げに続いてH18年度は新予防給付が開始された。軽度者のサービスを削減し、給付費を減らすことを狙いとするもの。
 本市介護保険についてH17.9月とH19.3月分のデータを分析すると、認定者総数615名・9.5%増加、要介護2-5の中重度の方が17.6%増加。
 要介護1以下の軽度の方0.4%増だが、給付額は15.9%減。
 福祉用具貸与制度を18年3月と10月(制度改悪実施後)で比べると、軽度の方の電動車イス貸与65件が32件に半減、介護用ベッド387件は5件に激減。
 結局、新予防給付は、軽度者の給付削減を進めただけで、中重度の人を減らす効果は上げていない。
 市長は、新予防給付についてH18年度3月議会で介護予防プランでうまくいかない人は対応すると答弁している。
 今まさに「対応」が求められている。新予防給付の問題点について認識し、福祉用具の独自貸与制度等、軽度者にも必要な介護を保障する市独自の施策を検討すべきと考えるがどうか。
<合併後の事務事業調整にどういう姿勢で臨むか> 
 調整課題       2554件
 合併まで調整された1214件
 従来通り継続     619件
 合併後の調整事業    721件
    内460件ー実質188件
 当局の「調整の考え方」では、「受益と負担の公平化、適正化を図る」などということで、「サービスは低い方へ、負担は重い方へ」統一され、旧町村の独自事業の廃止が進められている。
 少なくない独自事業が、国の悪政から事務を守る自治体独自のセイフティーネットであり、今日ますます重要。
 この「調整」が、市民の知らない内に決められ、一方的に通知されていることは問題。市民は合併後に残された調整課題を行政に白紙委任した訳では無い。
 今後の調整の進め方について、「市民の理解を得て進める」という方針を実際に貫くことを求める。
 地域審議会はもちろん、地区・集落毎の懇談会など市民との話し合いの場を十二分に重ね、納得を通して調整すべきであると考えるがどうか。
<第三セクター・公社の管理運営>
 温海土地開発公社のマリンタウン鼠ヶ関・旧夕陽の里住宅団地の開発では、当時町議会から選出されていた公社理事が5人いたが、そのうち3人までが開発によって自らの土地を売却した。
 当時の会議録を見ると、採決の際、この3人は退席することもなく、採決に加わった。
 また、「会議録」にも、肝心の審議内容の記載が無い。提案内容も「省略」とされ、採決の前には必ず「休憩」があって、休憩中の協議内容はどこにも記載が無く、再開後、「異議無し」で採択。こういう記録。
 公社がこのような運営をしては、住民から「開発を私利用するものではないか」と疑問が出されても仕方ない。そこで、「事業の利害関係者は採決から除く」「審議・決定過程の記録も明確にした役員会を機能させ、内部監査・行政監査も強化をする」などなど、公社・第三セクターについて、その公的性格に相応しい管理・運営を確立していくことが重要と考えるがどうか。
<産業政策>
 先端生命科学研究に対する支援について。いろいろな企業の参加や、研究の進展があった旨、縷々説明がされてきたが、結局、単年度7億円の投資額に相応しい経済的還元はあったか。
 また、支援のやり方も「基金からの人件費補助があるのに、別に人件費補助」するという、二重補助、「慶応高校生のキャンプ。外国人留学生受け入れの費用」など大学の教育活動にも支出している。先端研から言われれば何でも出すというルールの無いやりかたは改めるべき。
<駅前再開発>
 残念ながら見通しも無く、解散・清算することもやむを得ない。
 日本共産党市議団は、S50年代にこの事業が構想された段階から、市民本位に地域経済の発展を中心に据えるべきこと、大資本を中心にした開発は市民の利益にそぐわないことを一貫して主張
 市長答弁で「20年間駅前の中核機能を果たした」などと評価しているが、結局この事業が、市に大きな負債を残し、駅前地域・テナントの地元業者の疲弊を残して終わろうとしているというのが事実。
 今後の施設の有効な利活用が市民の知恵を集めて導き出されることを心から願う。
 
市長答弁
<国保>
 近年高齢者、年金受給者の加入割合が増加し、無業者・低所得が増加。
 一世帯当たり平均所得額が135万円、所得無しの所帯の割合は25.3%で約4分の1。
 健保と比べると、年間所得も低く、老人加入割合や平均年齢も高く、国保加入者の生活実態は大変厳しいものがある。
 一定の所得以下の世帯の場合、応益割額分は、7割5割2割の軽減措置があり、公的な支援は為されている。今後引き続き、全国市長会、国保中央会を通じて国に要望していきたい。可能な限り実態を把握する。
 18年度決算でも一般会計の繰入金総額は、7億6千万円、そのうち一般財源の負担額は3億4千万円になっており、現在も相当額が投入されている。
 国保は世帯数で約6割、被保険者数で約4割、一般被保険者数で3分の1を占める。
 市独自の減免制度の導入は、現在でも低所得者に対する軽減措置があり、公費支援されている。
市独自負担による減免制度の導入は考えていない。
 特定健診等保健事業の充実を図っていくべきだということだが、現在新しい仕組みに対応すべく検討作業中。
 本市では13年度から、厚生労働省のモデル事業の指定を受けて、生活習慣病予防対策に先駆的に取り組んできたが、中長期的な医療費の適正化に努めていきたい。
<介護保険>
 介護保険制度は、将来にわたって安定的に機能するように、活力のある超高齢社会の構築をめざして、17年10月及び18年4月に大きな改正がおこなわれた。
 制度改正後の運営に関して、軽度者の福祉用具貸与について、居宅介護事業者の実態調査をおこなった。
 その結果、特殊寝台対象者275名の内265名の回答、引き続き貸与を受けている方が10名、受けていない方が255名、受けていない方の内196名は、購入や自費での貸与を受け、使用をやめた方は59名。
 市としても使用実態の把握に努めているが、軽度者の皆さんにもご理解を頂き、貸与事業者の低廉な貸与などにより混乱無く推移しているので、市独自の新たな制度の創設は予定していない。
 施設給付については、介護保険施設での食費・居住費が保険給付の対象外となり、そのことから給付額が減少。一方、低所得者には、食費・居住費の負担限度額が設定され、限度額を超える費用は新たに特定入居者として介護保険財政から支出される。制度改正は、低所得者への配慮をおこないながら、施設と在宅での介護の経済的負担の不均衡の是正が図られたものと考える。
 中重度者への介護サービスは、認知症見守りサービスや介護家族支援など、市独自のサービスの拡充を始め、地域包括支援センター、14カ所の在宅介護支援センターを中心に、市内の各事業所や地域の皆さんと連携を図りながら、引き続き、在宅介護への支援と充実を図っていきた。
 他方、新予防給付等については、制度発足時には、多少のとまどいがあったものと思われるが、現在は円滑な制度運営がさなれている。
 ただ、利用回数(制限)などについての要望などは寄せられており、実態をよく把握した上、県と県内の市町村とで組織している山形県高齢者介護研究会などを通して、国にも要望する。
 介護予防重視型システムへは、まだ制度開始1年余りであり、実施状況等の分析をおこないながら、より効果的な施策を研究・展開していきたい。
<合併調整>
 合併協議会での調整の方法を基本としながら、各地域の特色にも留意しながら進める、市民に対するサービスについては、「受益と負担の公平・適正化を図る」立場。
 議員の指摘は、これまでの合併協議の経過を踏まえておらず、同意できない。
なお、下水道など審議会があるものについては、その審議をみながら更に調整を図りたい。
<第三セクター>
 現在の公社及び第三セクターは、基本的な問題は無いが、今後ともさらなる適正執行に努めていくよう、市としても各法人の具体的な状況を調査しながら指導して参りたい。
 今般、櫛引ふるさと振興公社の事案が生じたので、全庁的に第三セクターの運営に関しての点検をおこなった。市の出資団体について、管理運営体制や各種手続きなどにおいて、市民から疑念を抱かれることのないよう市としても今後とも十分留意したい。
<先端生命科学研究所>
 先端研が本市に立地していること自体が第三次産業として非常に意味がある。
 産業連関表による経済効果だけでも、約29億円、その他もろもろの面を含め大きな効果がある。
 雇用の面で地元出身者が36名、HMT社からの税収、進展にともなって経済的還元は今後拡大すると思うが、短期的な経済効果より、今後のことも含めて重要なテーマであるという点は理解を頂きたい。
 支援対象は、大学の教育研究機関として本市に立地しており、県と市は先端研での全体について、十分審査をしている。要望についても十分説明を聞き、成果についても十分検討して、議員が言われるような疑義の生じることは無いと確認をしている。


 市長答弁は大変そっけないものでしたが、私の感情を込めて、一言で要約すると以下のようになります。

 国保は、「加入者は大変だが、市としては支援できない」
 介護は、「利用者の負担は増えたが、色々な対応をしたので制度改正は理解された」
 合併調整は、「『受益と負担の公平化』のために、我慢してもらうことが合併前からの約束」
 第三セクターは、「今後気をつける」
 先端生命科学研究所は、「将来役に立つハズ」

 こんなことでは納得がいきません