関とおるの鶴岡・山形県政通信

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一般質問3の2「特別養護老人ホーム」

2009年06月12日 | 医療・介護・福祉など社会保障
 一般質問の二つ目のテーマとして、介護保険の特別養護老人ホームについて、
 ①市の3カ年計画では量が不足している。「老健やグループホームなども整備する」というが、それだけでは特養の代替えにはならない。
 ②医療依存度が高い方が入れない。看護職員等の配置の支援を。
 ③特養を整備する事業者は、公募し、公平・公正に選定すべき。
 以上の三つの点を取り上げました。

 いつまでも安心して暮らしていける介護体制の確立は、市民の切実な願いだが、保険料・利用料の負担の重さ、特別養護老人ホーム(特養)の不足を始めとしたサービスの不足、介護労働者の劣悪な労働条件などなど、介護保険制度は矛盾が吹き出している。
 鶴岡市でも今年度から始まっている3カ年の第四期事業計画の中で、様々な問題点が浮き彫りになっている。
 党市議団は、06年から昨年度までの第3期事業計画期間中も特養入所待ちの方が増加を続けている問題を取り上げたが、当局は一貫して「特養増設は第四期事業計画で考える」という姿勢だった。
 ところが、昨年3月現在で入所待ち940人に対して、11年度までの三カ年計画で示された増床計画はたった78床。9割以上の方は入所できない。
 当局は、「特養の他に老人保健施設(老健)、グループホーム(GH)を合わせて152床で、特養待機者の内、在宅で要介護度4,5の重度の方に対処する」と、国に従った考えだが、これらのサービスは医療依存度や所得の関係で制限があり特養の代替えにすることはできない。
 第一に、特養増設計画が78床では全く不足。目標を大幅に上乗せすべき
 第二に、78床の整備については、実施事業者を公募し、専門家・利用者等も加わった選考機関を設置して、事業者を公平・公正に選考していくべき
健康福祉部長 特養、老健、認知症高齢者GHなど、施設・居住系サービスを合わせて152人分整備する。議員から紹介もあったが、昨年4月段階での施設申込者、要介護4と5の重度の方で在宅の方が120人、これを超える数を増床する
 前計画と比較して特養は同程度。医療依存度の高い方も増えてきているので老健29床分。ほかに、認知症高齢者の増加もありGH45人分計画。
 また、入所申込者の内要介護3で在宅の方は80人ぐらい。この数を目安に、小規模多機能居宅介護事業所を前期計画と同様4事業所100名分見込んだ。
 特養入所申込者がすべて直ちに特養入所が必要とは考えていない。小規模多機能型居宅介護などうまく利用しながら在宅生活を維持して頂きたい人もおられる。
 今期計画では、そうした多様なサービスを確保することを意識して、全体としては前期計画を4割余り上回った整備内容。
 次に、施設整備手順について。
 今期の計画策定にあたっては、昨年度に市内の関係法人を対象に施設整備の意向調査、それをベースにしながら市の展開方策を加味して整備量を見込んだ。
 例えば、市内の生活圏域13での均衡のとれた拠点整備。そのために小規模多機能とか小規模特養など地域密着型サービスを市の方針としてベースに加えた。
 今後、意向を示した事業者から整備計画を再度聞きながら準備を進めて参りたい。
 市の考え方で加えた施設については、改めて実施の意向を伺い、意向のある事業者と相談をしながら進めていくという手順を想定。
 整備する生活圏域、施設種別、計画の熟度といったものを総合的に勘案しながら調整を進めていかなければならない。
 またこれに限らず中長期的な整備の意向のある法人については、ご相談を受けながら、生活圏域での計画的な配置などを中期的におこなっていこうという展望なども検討する予定でいる。
 施設整備に当たっては、事業者のご意向を十分に反映させながら、調整により進めて参りたいと考えますので、現段階ではご提案の選考機関の設置については想定をしていない。
 GH、老健での対処というが、例えばGHでは、そもそも認知症が無ければ対象にならないが、看護師は必置で無く、医療依存度が高いと受け入れられることはまれ
 老健では、医療報酬が包括払いで、透析や持続的な点滴をおこなっている方などはこれまた入所が難しい
 経済的な問題では、GHだと、この辺りの相場が月10~12万円、それに入居時に10万円~利用料2ヶ月分程度の入居料がかかる。
 老健では、通常は最低で9万円程度、補足給付を適用されれば5万円程度の負担ということになるようだが、これだけの所得がないとができなければ入れない。
 「在宅で重度の方が120人」でこの方々に対処したいということだが、その方方の医療依存度、経済力(保険料段階)などはどのように把握されているのか
健康福祉部長 残念ながらこれらについて調査をしたということはございません。ただ、要介護4,5という方々ですから、医療依存度の高い方々も一定程度おられるということは想定できる。
 把握していないなら、老健、GHで対処できるのかどうか現時点ではわからないと言わなくてはならない。
 待機者の数940人というのも20年3月末の数字で、それも含めて実態を調査・分析して、必要な対策、必要な計画の補強をおこなうべき。
健康福祉部長 先ほど在宅の人数分を上回る整備する予定をしたと申し上げたが、この方々が直ちにはいるということではない訳で、入所を待っている方々は、在宅、病院、老人保健施設、GHと介護施設等々を循環しながら最終的に特別養護老人ホームに至るという状況。
 入所を申し込んでいる方々の詳しい調査と分析はおこないたい
 お話のように、さまざまな施設をまさに循環されている。特養に入りたいんだけども当面色々なところでしのいでいるというのが実情。重い負担の中で、「お金のあるうちは今の所に入っていよう」。またあるいは、病院などであれば期間が来たら退院を勧奨されるという大変な苦労。そういう循環を解消することをめざして、特養整備目標の上積みを検討する必要がある。
 それから、特養でも医療依存度が高いと入所が困難。
 受け入れには、看護師を始めとした職員の配置が必要となるが、加配は個々の事業所では経営上困難であり、市として支援する措置を検討する必要がある。
 或いは、市立の施設で配置をおこなって医療依存度の高い方の受け入れを図る措置を。
健康福祉部長 特養における医療依存度の高い方々の受け入れは、これもご指摘の通り、特養に配置されている看護職員には限界があり、当然受け入れにも限界がある。
 私どもの把握では、市内の特養では恐らく定員の2割程度を医療依存度の高い方々を受け入れている。
 国も、特養における医療依存度の高い方々へのケアについて、この2月から検討会開催、看護職員と介護職員が連携しながらケアしていく方策を検討している。
 なかなか受け入れづらいという状況が、制度的なものであるということがわかれば、国に働きかけていきたい
 現在でも2割程度医療依存度の高い方が受け入れられているという見解だったが、受け入れられない程度の方々もいるというのもご承知の通り。
 特養の整備の場合でも、それ以外の施設でも、共通した問題は低所得者の方々の問題。
 特養であれば、近年増加している個室の特養ではこうした問題が出てきている。
 特養に入りたいけども入れないという方が、当面他の施設に入らなければならないとした場合に、低所得のために入れないでいる方々について、入所を可能とする軽減措置が必要
健康福祉部長 特養に限らず、施設等に入所されればそれなりの費用がかかる。入所を待っている方々で自宅におられる方々32%で7割の方々はいずれかの施設に入っている。
 低所得の方々については、今少し実態を調査させていただきながら見て参りたい