1月23日(土)「フィンランドの競争力を支える福祉と豊かな国民生活」と題した講演とパネルディスカッションを聴いてきました。主催は、公益文科大学・公益総合研究所、山形新聞共催です。
最初に講師の山田眞知子さんから「フィンランドの競争力を支える福祉イノベーション」という講演、続いてパネルディスカッションがおこなわれました。
全体を通して印象深かったことをラレツすると、
☆フィンランドが2000年代に経済発展や教育で世界の注目を浴びるようになったが、その原動力は、社会保障・教育・労働などについての社会政策。
社会政策とは、福祉、教育、労働、環境など生活に関わる分野について、「国民の幸せをつくる政策」。
☆北欧型の社会政策では
働いたことがあっても無くても国民年金が10,11万円位で、それに労働年金がプラスされる。
自治体がサービスをおこなうために公務員が非常に多い。
「平等」が社会の重要な価値となっている。
☆(「福祉が手厚いのに経済成長を果たしたのはなぜ」という質問に対して)
それは矛盾せず、むしろすべての人が安心して働くことができるため、思い切った挑戦ができる。
失業給付は最長500日で賃金の50~60%保障。
自分(講師)が日本で大学を退官した時は90日だった。
職業訓練を受ければ、一日8ユーロ(1000円強に相当)の手当が出る。
☆今後の課題は、グローバライゼーションへの対応。
(「自分はフィンランド人かEU人か」悩みが広がっているとのこと)
私は、鶴岡で国保や介護、福祉などの深刻な相談をよく頂くので、「日本の社会政策はヨーロッパ型に近い」と言われると「それは表現としてどうかな」と思いましたが、お話の中では「日本よりずーっと進んだ国がある」という事実が伝えられました。
また、福祉に、教育、更に建築分野のお話もあって、ちょっと全部には関心がついていけないような感じもしました。
しかし、全体として福祉分野を中心にフィンランドの充実した制度が具体的に理解でき、大変ためになる会でした。
「だから日本も消費税増税が必要」などという、良く見受けられる安易なお話でもありませんでした。
同国の福祉や教育の関係の本をいつくか読んだので知っていたことも結構ありましたが、やはり実際に体験した方からお話を聞くことのインパクトは違います。
もちろん、「百聞は一見に如かず」ですから、いつかは私も行ってみたいなあと改めて思いもしましたが。
365日、いつも仕事に追われているので、2時間半ほどの勉強会でも「行こうか行くまいか」と毎回間際まで悩んでしまいますが、今回は無理して行った甲斐が大いにあり、大満足でした
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