白雲去来

蜷川正大の日々是口実

山を愛する男たちが、山に召された。合掌。

2017-03-31 12:14:33 | 日記
三月二十八日(火)晴れ。

栃木県の那須で登山講習中の高校生が雪崩に巻き込まれて、引率の教師を含めた八名の高校生が亡くなられた。山岳部、それも雪山登山に挑む高校生。きっと真面目な人たちばかりなのだと思う。こういった将来のある若い人たちが、不慮の事故で無くなる。実に痛ましいことだ。

私は、寒いのも、高い所も、足場の悪い所を歩くのも好きではない。野村先生の遺言で、富士山の頂上に先生の遺品を埋葬してある。「日本中の人が、俺の墓を見ているようなものだ」と生前言っていた。若い人たちが、毎年慰霊登山を行っているが、私は、遠くから手を合わせるだけだ。

私が死んだときは、高所恐怖症なので、絶対にダメと、家族にも後輩にも言ってある。山を愛する男たちが、山に召される・・・。不条理だ。

夕食時、私は焼酎だが、愚妻はワイン。味音痴なので、ワインの良し悪しが分からない。不味いワインを飲んだこともなければ、飲んで陶然とするワインというものにもお目にかかったことが無い。ソムリエやワイン通の友人のウンチクを聞きながら、勧められたものを一応ナルホドと思うが、失礼ながら欣喜雀躍したという経験もない。早い話が、千円のワインも、一万円のワインも、黙って出されたならば、全く区別がつかない。だから高い物をご馳走になると、申し訳なくて身が縮む思いがする。

そう言えば、私が子供の頃や、当時の映画などを見ると、皆、ワインではなくて「ブドウ酒」と言っていた。ブドウ酒と言えば、イコール「赤玉ポートワイン」だった。クラブのママさんは、「マダム」。「パスタ」何て単語はなく、等しく「スパゲティー」だった。「衣紋掛け」「乳母車」「写真機」「ズック」「吊るしの背広」・・・。嗚呼、昭和は遠くになりにけり、か。

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盡忠報國と碧血丹心。

2017-03-29 13:54:45 | 日記
三月二十七日(月)雨。

私が所蔵している孫文の盡忠報國の書。真筆かどうか調べたことはないが、書かれている言葉を気に入っている。盡忠報國と言えば、すぐに頭に浮かぶのが、中国南宋の武将、岳 飛である。南宋を攻撃する金に対して幾度となく勝利を収めたが、岳飛らの勢力が拡大することを恐れた宰相・秦檜に謀殺された。その背には母親によって彫られたとされる「盡(精)忠報國」の4文字があったという。また新選組の芹沢鴨が常に持ち歩いていた鉄扇には、「盡忠報國の士 芹澤鴨」と刻まれたと言われている。忠義を尽くして国に報いる。この書を前にすると、身が引き締まる。

盡忠報國と同じような言葉に、碧血丹心(へきけつたんしん)がある。 意味 は「このうえない真心。また、このうえない忠誠心のこと」。「碧」は青の意。「丹心」は真心。赤心。 その碧血 の出典 は『荘子』である。芹沢鴨ではないが、「碧血丹心の士 」と言うようにも使われる。中国は周の霊王・敬王に仕えた萇弘(ちょうこうは)、讒言(ざんげん=人を陥れるために、事実を曲げて、その人を悪く言うこと)に遭って郷里の蜀に戻り自害した。蜀の人が哀れに思ってその血を隠していたが、三年ほど経ってその血が化して、青く美しい碧玉になったという故事に基づく。

函館山の中腹にあるのが「碧血碑」(へきけつひ)。その碑は、明治八年五月に建立された。戊辰戦争、特に箱館戦争における旧幕府軍の戦死者を記念する慰霊碑である。土方歳三や中島三郎助などをはじめとする約八百人の戦死者を弔っている。「碧血」とは、前述の故事によるものであることは言うまでもない。私は、函館を訪れると、必ず「碧血碑」の前に立ち、いつの日か、この人達が、靖国神社に祀られることを願って手を合わせる。

夜は、雨の中、カツオを求めて「そごう」へ。「しぞう」か「ごす」程度の物だったが、この時期は仕方がない。急いで帰って酔狂亭で独酌。

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やはり旅行代理店は大手が良いか。

2017-03-29 13:22:03 | 日記
三月二十六日(日)雨。

雨の日曜日。といっても浪人の身、日曜日だろうが、月曜日だろうが、あまり関係が無い。ただ休日は、家族が全員揃うので家がにぎやかでいい。家の中が明るい。というのは平和な証拠。朝食は、昨夜の残りのかき揚の卵とじ、浜松餃子にもやしの味噌汁。食卓では、格安旅行会社「てるみくらぶ」倒産の話題で盛り上がった。頻繁に海外に出ることなど出来る身分ではないのだが、旅行会社の広告を眺めながら、いつか行ってみたい国を頭に浮かべ、その代金を比べたりするのが好きだ。電車に乗った時に、車中で読む本を忘れたときなど、駅に無料で置いてある旅行パンフレットを頂いて楽しむ。

そのうちに家族で台湾へ行ってみたいと思っているので、旅行会社の新聞広告は必ず見るようにして値段を比べたりしている。私が取っている新聞に、てるみくらぶの広告が載っていたのは、今月の十二日のこと。その十日後に倒産か。その広告で目についたのは、「フラットシートのビジネスクラスで行く、ハワイ島・オアフ島十泊、十二日・二十九万円」。おおっと思っても、我が家は四人。旅行にポンと百万円を払うだけの余裕などないが、広告を見ているだけで、とりあえず夢が膨らんでいい。それにしても旅行代金を支払って、直前でキャンセルとなった人たちは、気の毒だ。そういうことを考えると、多少高くとも大手の旅行会社の方が安全であることは言うまでもない。

正午過ぎに、岐阜の怪人、細川嘉彦先生から電話が入り、「飲んでますかぁー」。れれれ、まだ昼間でっせ。どうやら、わが社の社友の福井英史さんや、福井さんの友人の晋山直樹氏らボクシングの関係者と昼間から飲んでいるらしい。酒は、肴や店ももちろんだが、とどのつまりは誰と飲むかで決まる。いいなぁー。愚妻相手に昼から飲んでも仕方がないし、大人しく、机に向かって仕事をした。

夜は、めったに見ない大相撲に興奮した。稀勢の里が二番勝って優勝。無意識に、万歳と叫んだ。酒の味が増した。

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もやし屋さんガンバレ。

2017-03-27 12:48:17 | 日記
三月二十五日(土)晴れ。

食い物の話ばかりで申し訳ないが、スーパーに「新玉ねぎ」が並ぶと、なぜか嬉しくなる。炒めてオイスターソースで味付けたり、味噌汁の具、そしてスライスにして、かつお節をのせてポン酢をかけて食べる。最近は、「シーザーサラダ」が好きで、そのドレッシングをかけるのも美味しい。玉ねぎともやしは、庶民の味方である。

いつだったか、「もやし」の生産者が、原材料の値上げで、赤字続きで困っている。というニュースを見た。「あと五円程度値上げして頂けたら、何とかなるのだが」と切実に訴えていたのを見て、気の毒になった。昨日スーパーに行ったら、もやしが一袋、二十七円だった。これで五円程度値上げされたからって、買うのをためらうほどの値段ではない。

テレビのインタビューに出ていた、オバサンが、「これ以上高かったら、買わない。安いから買っているのに」と、のたまっていたのを見て、ひでぇババアだな。と正直思った。たかが五円程度高くなったからと言って、三十円程度の物を買わない?。私が生産者だったら、「おう、上等じゃねぇか。テメェなんかにゃ売らないよ」。とタンカを切る。もやし屋さんガンバレ。

昼に、「もやし応援団」となって、もやしのナムル(さっと茹でて、冷水で冷ました後に、ごま油とコンソメキューブをけずってかける)、ウェイパーを使って、もやしとひき肉のトロミスープ。もやしと山芋の天ぷら。もやしと紅ショウガの天ぷら。豚ばら肉ともやしの炒め物。ガンバレ、ガンバレもやし屋さん、と家族でもりもり食べた。

午後から、下の子供が大学の入学式に着るスーツを「みなとみらい」(このダサイネーミングはどうにかならないものか)に買いに行った。店員の女の子に、「私も就活スーツを」と言ったら無視されたので、頭に来て、隣にある「ニトリ」で、30センチのフライパンとグリルで使用する鉄板を買いに行き、時間調整をした。

夜は、カメ&アコちゃんたちと、春散る花に酔うも良し。と「やまと」でしばらく飲んでから「一休」へ転戦。

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山笑う。

2017-03-27 12:07:57 | 日記
三月二十四日(金)晴れ。

友人から昼食に誘われた。当初蕎麦でもと思ったが、朝食を抜いて、ガッツリ食べようと、横浜橋商店街の名物天丼屋の「豊野」に行った。正午だと混むので十一時半に行ったが、すでに満席。五分ほど待って入った。ここのお店は、安さと早さと、値段の割に美味しい「天丼」で有名。私は、「黄金丼」千二百円とシジミの味噌汁、百円。丼のご飯が多いので、半分にして貰ったら、オヤジが一緒に行った友人に、「減らした分、そっちに入れる」。勢いでOKした友は、大森(大盛り)、品川を通り越して、てんこ盛り。

私は、半分のご飯でも多いのに、友のどんぶりを見て、くりびってんぎょー。いやびっくり仰天。食後に、お茶をしたが、しばらく苦しかった。

「俳句歳時記」を読んでいたら、山の季語にも様々な表現があることを知った。例えば、早春の生気あふるる山のたたずまいを「山笑う」といい、黄葉に彩られた秋の山を「山粧う」、黙々として眠りにはいっているさまの冬山のことを「山眠る」と擬人化表現の手腕の妙を見ぜている。ちなみに夏山を「山滴る」、秋山を「山澄む」「山彩る」ともいう。天気が良いと、春の山の笑い声が聞こえてきそうだ。

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