白雲去来

蜷川正大の日々是口実

牡蛎とウイスキーと「ニューラテン」の本。

2021-01-29 14:16:54 | 日記

1月27日(水)雨のち曇り。

まだ牡蛎とそれほどの深い付き合いのなかった30年ほど前の頃。すし屋で隣り合わせになったのが、歳の頃は30を少し出たくらいか、ゾクっとするような色気のある美人だった。どう見てもカタギではなく、同伴(多分)の男の人と一緒だった。その女性が生牡蛎を注文した。「紅葉おろしやさ三杯酢ではなくハーフにカットしたレモンを下さい」。出てきた牡蛎に、握ったレモンをギュッと絞って、三本の指で器用に牡蛎を持って、チュルっと吸って口に入れた。食感を楽しむかのように、目をつむった姿が色っぽくて、また垢ぬけていた。

彼女たちが帰った後、私も同じように牡蛎とレモンを頼んで、同じ仕草で食べてみた。大げさではなく、海に溺れて行くような感じがして、以来、牡蛎が好きになり、レモンで食べるようになった。板前に、「今度来たら、どこのお店か聞いておいてよ」と頼んで帰ったが、後日、その女性が、横浜のさる任侠の親分の彼女と知って、鼻の下を伸ばさなくて良かったと、思ったものだ。以来、殻付きの牡蛎を食べる時の女性の仕草が気になるようになった。

閑話休題。昨日、山平さんの『昭和を紡いだ東洋一のナイトクラブ、赤坂「ニューラテンクォーター物語」を読了した。昨年の11月に山平さんから署名入りでご恵送頂いたものだ。昔から、好きな本と料理と女性は慌てて食べないようにしている。本もイッキ読みしないで、楽しみながら少しずつ読む。「ニューラテン物語」は、消えかけている昭和のアルバムを見ているような気がした。モノクロームのものや、カラーで蘇るものもある。芸能史でもあり、経済史、あるいは任侠史、またあるいは昭和の風俗史でもある。描かれている人たちは一流の人たちばかり。読了した時には、何か、自身の昭和のアルバムを閉じた、という喪失感に包まれた。オンザ・ロックにとても合う本でもある。ロックグラスの中身は、さすがに焼酎ではなく、ウイスキーがいい。まっ銘柄は貴方任せだが。


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良い酒と肴と本と。

2021-01-28 11:08:42 | 日記

1月26日(火)晴れ。

この3,4日は充実していた。というよりも恵まれていたと言った方が正しい。良い酒、良い肴と良い本とにだ。伊勢の道友からの牡蛎。生ガキにはレモン、生ライム、ケチャップを用意して大皿に氷を敷いた上に山盛り。私は、夏の「岩ガキ」など大ぶりの牡蛎が苦手で、送って頂いたような、やや小ぶりのものが好きである。定宿の「オアジ」に行くと、マスターの三ちゃんが「手ごろな牡蛎がありますよ」と言って、小ぶりなものを出してくれる。それぞれの味の牡蛎を一つ食べては、酒で口を洗う。酒のみにしか分からないだろうなぁー。

その他は、オーブンで15分ほど焼いた「焼き牡蛎」。これには、「フクイのカレー」の福井さんおすすめの「パレスチナのオリーブ・オイル」に岩塩を入れたオイルにつけて食べる。アヒージョのお手軽番だ。芋焼酎のロックが合う。更に、ニンニクと青唐辛子とオリーブオイルをたっぷりと入れたアヒージョにもした。青唐辛子を使うことで気分は少し韓流に。ヒー、ヒーでアヒージョとなる。

盟友からの「厚切りタン」には、スライスし、素揚げしたニンニクチップを山盛り乗せて食べる。自宅でしかできない味だ。ハラミは、ピンと来て、パン粉を付けて揚げて「カツ」にしてみた。失敗だった。子供たちから「余計なことをしないで」と怒られた。どうやら硬かったらしい。まあたまにはそんなこともある。

そして読書は、今年と言ってもまだ一月だが、一番楽しく読めたのが山平重樹さんの『昭和を築いた東洋一のナイトクラブ赤坂「ニューラテン・クオーター」物語』(双葉社・1800+税)である。長くなるので、この本のことは次回に書く。いい巣ごもりを続けている。


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古い道友、お二人の訃報が届く。

2021-01-27 12:07:31 | 日記

1月25日(月)晴れ。 

暖かい日である。この時期に、こんな日があると嬉しくなる。朝飯は、厚切りのベーコンと目玉焼き、能登屋の玉ねぎ天、大根の味噌汁。昼は、高級パンで有名な「乃が美」のパン。夜は、マグロの刺身と鳥鍋。お供は、「黒霧島」。酔狂亭にて独酌。

上の子供が会社に行く前に区役所に「マイナンバー・カード」を取りに行くというので、送って行く。15分ほどで終わり、横浜駅まで乗せて帰宅。昼食後は、今度は下の子供のマイナンバー・カードを取りに再び区役所へ。受付のガードマンが、「アレ、今日は二回目。今月は三回来ましたね」。お互いに笑い合う。

午後、弊社の札幌の責任者である梶浦直樹君から電話が入り、古い読者で道友のお二方の訃報を知る。お一人は、千葉に在住の中村晃夫さん。この方は、もうかれこれ20年以上前からの読者で、当然、群青忌や様々な催しに顔を出してくれた。何年か前から癌で闘病中と聞き及んでおり、昨年の夏ごろに、「機関誌を読むのがつらい」と電話を頂き、そんなに病状が進んでいるのかと、驚いた。梶浦君の話によれば、昨年末に亡くなられたと、連絡があったそうだ。

もう一人の方は、茨城の小林宗雪さん。今月の12日に膵臓がんで亡くなられたとのこと。享年72歳。小林さんは、ここ10年ほどは群青忌に出席をしていなかったが、以前は、群青忌はもとより、私の忘年会などにも参加して頂いた。お二人とも、このコロナ下では葬儀もままならなかったに違いあるまい。時が来れば、御焼香にお伺いしたいと思っている。

この歳になると、出会いよりも、当然ながら、別れの方が多くなって来る。生者必滅、会者定離か・・・。合掌。


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巣ごもり。上等じゃねぇか。

2021-01-27 11:37:15 | 日記

1月24日(日)雨。

毎日、真面目に「不要不急」の外出を控えて酔狂亭と望海亭(事務所のことです。山手のはずれの丘にあり、窓からは、ランドマークのあるみなとみらい地区が一望できるから)の往復のみで、じっとしている。正に、「巣ごもり」(すごもること。鳥などが巣にこもること。 俗に、休日に外出を控え、自宅で過ごすこと)に徹している。

毎日、何をしているかって・・・。前にも書いたが、酒と肴と映画と読書の日々である。良く、毎日家にいるとストレスがたまる。などとニュースでやっているが、私は全く苦にならない。若い頃なら暇を持てましたかも知れないが、この歳になれば屁の河童である。むしろ加山雄三ではないが、「幸せだなぁー」と思ってしまう。と思っていると、盟友から肉の差し入れがあった。牡蛎に続いて肉である。ハラミ、ベーコンに牛タン。早速、以前買った煙の出にくい「おたすけ丸」を使って我が家は焼肉屋さん。幸いに日曜日とあって家族は全員家にいる。寝しなに友人から頂いた北方謙三の『罅(ひび)』を少し読む。彼のハード・ボイルドは久しぶりである。「茹で卵は」当然、ハードボイルだど。

 


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巣ごもりに援軍。

2021-01-25 17:32:13 | 日記

1月23日(土)雨。

天気予報では、今夜半から関東地方に雪が降り、横浜あたりでも5センチぐらいは積もるとのこと。わが酔狂亭(飲み屋ではありません。自宅のことです。)は、少し高い所にあるので、5センチも積もると車がつかえず、家に籠るしかない。そうならない前に、愚妻と籠城用の食料を仕入れに行った。明日は、雪見の酒としゃれるか。

そう思っている所に、伊勢の道友より新鮮な殻付き牡蛎がどさっと届いた。箱の前で家族で最敬礼。私はもとより、愚妻も上の子も牡蛎が大好物である。夜が、待ち遠しい。暗くなるまで待って(そんな映画があった)早速、生牡蛎、オーブンで焼き牡蛎・・・。「牡蛎の殻を開けるまで先に食べてはダメ」ときつーく言い渡し、山盛りの牡蛎に舌鼓を打った。

飲んでばかりではありません。昼間は事務所で機関誌の印刷。来週には発送できます。


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