ノーベル平和賞を受賞した17歳のマララさんは、「宗教の呪縛(じゅばく)から逃れて、女性にも自由が与えられ、教育が受けられるような社会が望ましい」「将来は首相にもなりたい」「来年の夏休みには、母国へ帰省したい」というようなことを述べていました(注。マララさんは、2012年の銃撃事件後、故郷のパキスタンからイギリスに亡命している)。
ところが、タリバンの過激派の人々は、「帰ってきたら、おまえを暗殺する」と言って、すでに予告しているわけです。非常に恐ろしい対立ではありますが、本当に混沌(こんとん)とした世界です。
私たちが生きている世界は、何かが完璧な理想として存在するのではなく、それぞれに欠けたものがあり、また、満ちているものがあります。そういう世界のなかに生きているのです。
日本では、ある政治家が、「この道しかない」というようなことを標語にして、選挙に大勝しました。(注。2014年の第47回衆議院議員選挙で、自民党の安倍総理は、「景気回復、この道しかない」というスローガンを掲げた)。それも一つのやり方ではありましょう。
ただ、「この道しかない」と言えるのは、神のみです。人間が、「この道しかない」と言うのは、傲慢(ごうまん)に過ぎると言わざるをえません。
人間ができるのは、幾つかの選択肢のなかから、自分たちが、「よりよいものだ」と思うものを選ぶことのみです。これに対して、神の側から、他の道が示されたならば、「この道しかない」という言葉は、「間違い」ということになると私は考えます。
---owari---
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます