(溝がある原始惑星系円盤
天体写真・2017年11月21日)
① ""溝がある原始惑星系円盤""
すばる望遠鏡による戦略的惑星・円盤探査プロジェクトSEEDSの一環で観測された、PDS 70星に付随する原始惑星系円盤の近赤外線画像です。中心に明るい恒星があり、円盤を際立たせるためにマスク処理をしています。
原始惑星系円盤は惑星が生まれる現場で、PDS 70星は年齢が1000万年以下の若い天体です。マスクの周囲の暗い色は、赤外線の強度が弱くなっていることを意味しており、円盤に溝構造があることを示唆しています。惑星がまさに誕生し、円盤内の物質を弾き飛ばした結果なのかもしれません。
※ ""年齢が1000万年以下の若い天体""、凡太郎の妄想力を極限まで拡大しても
1000万年以下で"若い"と言われても具体的にイメージ出来ません。
② 惑星の姿を求めて
PDS 70星の溝構造が発表されたのは2012年でした。当初、複数の惑星が溝構造を作ったものだと考えており、その惑星が発見される日は遠くないと思っていました。なぜなら、溝の幅はおよそ70天文単位と巨大で、観測しやすいと考えていたからです(海王星の軌道半径が30天文単位 ※ なので、とても大きな溝と言えるでしょう)。
すばる望遠鏡の観測では、残念ながら惑星は発見できず、木星くらいの質量よりも軽い惑星があるはずだという上限値が得られたのみでした。あれから5年が経ち、世界でも観測装置の性能が格段に上がりましたが、未だにPDS 70星に惑星が発見されたという報告はありません。いつになったら惑星が発見されるのでしょうか?
すばる望遠鏡においても惑星探査のための新装置(SCExAO/CHARIS)が稼働し始めています。それらを使って、世界に先駆けて惑星を発見したいものです。
文:橋本淳(自然科学研究機構 アストロバイオロジーセンター)
③ 天文単位(wikipedia)
(1)天文単位(てんもんたんい、英: astronomical unit、記号: au)は長さの単位で、正確に 149597870700 m である。2014年3月に「国際単位系 (SI) 単位と併用される非 SI 単位」(SI併用単位)に位置づけられた。それ以前は、SIとの併用が認められている単位(SI単位で表される、数値が実験的に得られるもの)であった。主として天文学で用いられる。
(2)由来[編集]
天文単位は、地球と太陽との平均距離に由来している。すなわち、太陽からのニュートン的重力のみを受けガウス年を周期として円運動するテスト粒子の軌道半径に由来するものである。太陽系内の惑星などの天体間の距離を表すために広く用いられており、太陽系内の天体の運動を表す天体暦においては、その基礎となる天文単位系で長さの単位となる重要なものである。
地球(より正確には地球と月の重心)の軌道は完全な円ではなく、楕円形[11]をしている。このため、当初「地球軌道の軌道長半径(楕円の長径の半分)」とされた。