(火星探査車キュリオシティが今月13日にとらえた謎の物体の正体は?(NASA / JPL-Caltech / MSSS))
(ほとんど視界ゼロの砂嵐のなかで孤軍奮闘する探査車キュリオシティの勇姿(NASA/JPL) )
(デコボコの悪路を走ってきたせいで、車輪には穴が開いている(NASA/JPL) )
(火星)
(火星・岩石地帯)
① ""探査車の破片か?火星で“平たい板”のような物体が見つかる NASA""
2018年08月20日 15時00分
② 観測史上最悪の砂嵐が続いている火星で、今月13日、人工的に作られたように見える平べったい板のような物体が見つかった。探査車「キュリオシティ」の観測画像を見た米航空宇宙局(NASA)の研究チームは当初、「正体不明の異物」だとして、探査機の破片の可能性を疑っていたが、詳しい分析の結果、正体が明らかになった。
今年5月末以来、惑星全体を飲み込むような観測史上最大クラスの砂嵐が吹き荒れている火星では、地表に太陽光が一切届かないため、自家発電できなくなった探査車オポチュニティは2カ月以上も休眠状態が続き、通信が途絶えた状態だ。
一方、プルトニウムを利用した原子力電池を搭載しているもう一台の探査車キュリオシティは、太陽光や昼夜、季節に関係なく、元気いっぱい。ところが今月13日に送ってきた画像には、これまでに見たことがないような平べったい長方形の物質が映り込んでいたことから、研究チームが騒然となった。
「機体の一部が剥がれ落ちたのでは?」と、2012年8月の火星到着以来、岩だらけのデコボコ道で車輪に穴が開くなど、数々の損傷を受けてきたキュリオシティの機体を心配した研究者は、画像に映る異物をコードネーム「PPFOD=異物破片」と命名し、詳細な分析を実施。その結果、キュリオシティの機体の一部ではなく、非常に薄い岩板であることがわかった。
現在、キュリオシティが探査活動をしているのは、火星の南半球に位置する直径154キロのゲール・クレーターにそびえるアイオリス山(標高5500メートル)の尾根「ヴェラ・ルービン」の斜面で、「ペテグローブ・ポイント」と呼ばれる場所だ。米北東部メイン州に実在する地名から名付けられたこの場所では、ドリルを使って地面を掘削し、地中成分のサンプル採取や微生物の存在の有無を調査するミッションを継続中で、こんなところでへこたれるわけにはいかないのだ。
※ キュリオシティ=curiosityで"好奇心"とは、自分好みの良いネーミングです。