(南海トラフ)
M9.1の最大規模の南海トラフ巨大地震の想定震源域(2013年、地震調査研究推進本部 地震調査委員会)
この南海トラフ巨大地震による被害については、超広域にわたる巨大な津波、強い揺れに伴い、西日本を中心に、東日本大震災を超える甚大な人的・物的被害が発生し、我が国全体の国民生活・経済活動に極めて深刻な影響が生じるまさに国難とも言える巨大災害になるものと想定される。
中央防災会議、2012年
① ""続発可能性、数分後発表も=南海トラフ地震で気象庁-政府防災対応部会""
時事通信社 2018/11/13 19:17
南海トラフ地震の防災対応を検討する政府・中央防災会議の作業部会が13日開かれ、大地震が短時間に続発する恐れがあることを踏まえた情報を気象庁が素早く発表する案が示された。最初にマグニチュード(M)7~8級の地震が起きてから数分後に、次の大地震が続発する可能性を調査し始めたとの情報を発表する。今後具体策を検討する。
南海トラフ沿いではM8級の大地震が東西どちらかで発生すると、残り半分の地域でも続発する可能性が高い。想定震源域内のどこかでM7級の地震が発生した場合は、続いてM8級以上の大地震が起きる可能性がある。
気象庁は昨年11月から、南海トラフ沿いでM7級以上の地震が起きた場合、約30分後に臨時の「南海トラフ地震関連情報」を発表し、次の大地震の可能性を調査し始めたと伝える仕組みを導入した。しかし、作業部会ではこの情報を急いで発表し、住民の避難準備を促すべきだとの意見があり、数分後とする案が示された。
※ 一部、再録。
② 南海トラフ巨大地震、(Wikipedia)
南海トラフ巨大地震(なんかいトラフきょだいじしん)は、フィリピン海プレートとアムールプレート[注 1]とのプレート境界の沈み込み帯である南海トラフ沿いが震源域と考えられている巨大地震のことである[1][2]。
また、2011年8月に内閣府に設置された「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が検討を行っている、南海トラフ沿いで発生すると想定される最大クラスの地震も「南海トラフ巨大地震」と称されており、本項でもそれを基に解説している。
③ 南海トラフの地震の特徴と「地震像」
南海トラフの地震は、約90 - 150年(中世以前の発生記録では200年以上)の間隔で発生し、東海地震、東南海地震、南海地震の震源域が毎回数時間から数年の期間をおいてあるいは時間を置かずに同時に3つの地震が連動していること(連動型地震)が定説とされてきた。一方で、慶長地震は南海トラフを震源とすることに異論が出されており、南海トラフの地震は200年程度の間隔で発生すると考えるのが自然な姿であるという見解も存在する[4]。
最も新しい昭和の地震は地震計による観測記録、それより古い地震は地質調査や文献資料からそれぞれ推定されており、今後も同じような間隔で発生すると推測されている。いずれもマグニチュードが8以上になるような巨大地震で、揺れや津波により大きな被害を出してきた。
なお、その後の研究により、地震が起こるたびに震源域は少しずつ異なることが分かった。例えば、同じ南海道沖の地震でも安政の南海地震は南海道沖全域が震源域となったのに対して、昭和の南海地震は西側4分の1は震源域ではなかったと推定されている[5]。
また一方で東京大学地震研究所の瀬野徹三は、東海・東南海・南海といった3地震の分類を変える必要を挙げ、南海トラフの東端の震源域(東南海の一部及び東海)と連動して静岡付近まで断層の破壊が進む「安政型」、その震源域と連動せず静岡までは断層の破壊が起きない「宝永型」の二種類に分類することができるという説を唱えている[2]。
1498年の明応地震以降は文献資料が豊富で発生間隔も100年前後で一定しているとされてきた(下の南海トラフの地震の発生領域(従来説)の図表)。
しかし、それ以前は東海道沖の地震の発生記録が無いほか、1361年正平地震以前の間隔は記録に欠損があり、例えば13世紀前半と見られる津波や液状化の痕跡は複数の箇所から発見されており、記録を補なうものと考えられている一方で、1096年永長地震以前は確かな証拠は無く津波堆積物の研究から100年と200年の周期が交互に繰り返されているとする説もある[6]。
他方、地震連動の発生の様子をプレートの相対運動やプレート境界の摩擦特性からシミュレーションする試みもあり、連動性は再現されたが地震発生間隔などが歴史記録と一致しない点もある[7][8]。
南海トラフ全域をほぼ同時に断層破壊した地震は規模が大きく、宝永地震は他の地震よりもひとまわり大きいM8.6とされてきた。21世紀に入ってからの研究により、この宝永地震と同じ規模の津波堆積物は300 - 600年間隔で見出される事が分かった。さらに、宝永地震よりも巨大な津波をもたらす地震が約2,000年前に起きた可能性がある事も分かった[9][10]。
また、昭和南海地震でも確認されたように、単純なプレート間地震ではなく、スプレー断層(主な断層から分かれて存在する細かな分岐断層)からの滑りをも伴う可能性も指摘され、南海トラフ沿いには過去に生じたと考えられるスプレー断層が数多く確認される[11]。
一方、震源域が広いと顕著になる長周期地震動の発生も予想され、震源域に近い平野部の大都市大阪や名古屋などをはじめとして高層ビルやオイルタンクなどに被害が及ぶ危険性が指摘されている[12]。
これらに関連して、古文書にはしばしば半時(はんとき、約1時間)に亘る長時間強い振動が継続したと解釈できるような地震の記録がみられるが、これは大地震に対する恐怖感が誇張的な表現を生んだとする見方もある一方、連動型地震のように震源域が長大になれば破壊が伝わる時間も長くなり、そこからまた別の断層が生ずるなど長い破壊時間をもつ多重地震となって、本震後の活発な余震なども相まって実際の揺れを表現したものとする見方もある[13][14]。
以上のように南海トラフにおける海溝型地震は、一定の間隔で起こる「周期性」と同時に起こる「連動性」が大きな特徴となっている。
さらに、南海トラフは約2000万年前の比較的若いプレートが沈み込んでおり、薄くかつ温度も高いため低角で沈み込みプレート境界の固着も起こりやすく、震源域が陸地に近いので被害も大きくなりやすい[15]。南海トラフにおける、フィリピン海プレートとユーラシアプレート(アムールプレート)とのプレート間カップリングは100%に近くほぼ完全に固着し、1年に6.5cmずつ日本列島を押すプレートの運動エネルギーはほとんどが地震のエネルギーとなっていると考えられている。
しかし紀伊半島先端部の潮岬沖付近に固着が弱く滑りやすい領域があり、1944年昭和東南海地震、1946年昭和南海地震はいずれもこの付近を震源として断層の破壊がそれぞれ東西方向へ進行したことと関連が深いと見られている[16]。
この地震により発生するとされる災害を「東日本大震災」に倣い「西日本大震災」と呼称する場合がある[17]。2011年3月の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生後南海トラフ巨大地震への懸念が浮上したことを受けて、日本政府は中央防災会議に「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」を設けて対策検討を進めた。
同ワーキンググループは2012年7月にまとめた中間報告において、南海トラフで想定される最大クラスの巨大地震を「東日本大震災を超え、国難ともいえる巨大災害」と位置づけている[18][19][3]。
🌸 土木学会が2018年6月7日、発生後20年間の被害総額が最大1410兆円に達する可能性があるとの推計を発表した[20]。
※ 信じられない程の巨額な被害総額です。もし、発生したら日本は極東での最貧国に
なってしまいます。
また、韓国や中国沿岸部に関する影響についての論文、記述は見たことがありませ ん。