(イメージ画像・AI;人工知能)

① ""2019年メディア・エンタメ界で起きる4つのデジタル変革""
Daniel Newman 2018/12/30 17:00
先日、子どもたちとホテルに滞在した際、部屋でテレビをつけると、ちょうど子どもが大好きな映画が放送されていた。映画はすでに半分ほど終わっており、子どもたちは私に「最初に戻して」とせがんだ。テレビではそんなことはできないということを知らなかったのだ。
私の子どものようなジェネレーションZにとって、映画の一部を「見逃す」というのは、意味がわからない概念なのだ。この世代は、コンテンツに常にアクセスでき、好きな映画が常に観られる動画ストリーミングの世代だ。メディア分野で次々とデジタル変革が実現されることに慣れた世代にとって、デジタル暗黒時代に戻ることは難しいだろう。では今後数年間で、一体どのような変革が起きるのだろうか?
私は昨年も、メディアやエンターテインメントを含む複数の業界で起きる主なデジタル変革のトレンドを紹介し、人工知能(AI)が生み始めた影響から、ケーブルテレビ離れ、さらには仮想現実(VR)や複合現実(MR)がメディアの消費に与える変化などに注目した。2019年を目前に控えたエンタメ・メディア分野で起きているデジタル変革は、メディア消費のトレンドを大きく反映したものだ。
人々は、自分の興味に合わせたオンデマンドのコンテンツをいつでも好きなときにアクセスできることを求めている。一方で広告主の企業は、こうした消費者に訴求する手段として、動画に照準を合わせている。2019年に見込まれる大きな変革は次の4つだ。
1. コマーシャルの増加
2019年には、デジタル動画広告が増加するだろう。米調査会社イーマーケターによると、デジタル動画のプログラマティック広告量は2015年から19年の間でほぼ倍増する見通しだ。(ユーザー側からしてみれば、コンテンツ視聴やウェブページ訪問時に再生されるコマーシャルに対していら立つことが増えるだろう)
これはつまり、どこでメディアを消費するかに関係なく、広告を目にする量は増えていき、データの量が増えるにつれてこうした広告は個人の好みにいっそう合わせたものになるということだ。
2. マーケティングへのAIと機械学習の活用
マスマーケティングや、手当たり次第でマーケティングを行う時代はもはや終わった。ストリーミング企業は現在、極度にセグメント化されたオーディエンス向けのマーケティングに機械学習とAIを活用することで大きな成功を収めている。多くの視聴者はストリーミング企業からのおすすめを通してコンテンツを見つけており、いわば「私専用チャンネル」が作られている。
これは音楽も同じだ。私が新たに発見したバンドの大半は、スポティファイがユーザー個人に合わせて行う楽曲選択のおかげで知ったものだ。ヒップなレコード販売店の時代は終わった。今は、アプリ上で自分が好きな音楽についての情報を入力するだけで、無名のバンドについて知ることができる。これはコンテンツ制作者にとっても、消費者にとっても良いことだ。
3. マルチチャネルがあらゆる場所に
皆さんはいつから、携帯電話でソーシャルメディアやアプリを同時にチェックすることなしにはテレビを観られなくなっただろう? 消費者にとっては、一つの形態のエンターテインメントを消費するだけではもはや十分ではない。コンテンツに引き込まれ、満足したと感じるには、複数のプラットフォームを使った継続的な体験が必要なのだ。多くのブランドが、視聴者を引き付ける上でマルチチャネルの力に気づき始めている理由もここにある。このトレンドは年々拡大を続けており、今後もこの傾向が続くのは間違いない。
4. モバイルデータ通信の需要拡大
メディアやエンタメ企業がデジタルコンテンツ提供を進める一方、消費者はこうしたコンテンツを持ち運ぶためにデータ通信量の増強を求めている。現在でも、ミレニアル世代とジェネレーションZはテレビよりもストリーミングでの番組視聴を好む。これは無視できる需要ではなく、データのパッケージ化や販売の形を変えるだろう。
携帯電話で写真やビデオの保存容量が増えているのと同じく、携帯電話通信業者は、提供されるコンテンツに消費者がアクセスできるように通信網を強化する必要がある。私の直感では、ケーブルテレビ契約からフールーやネットフリックス、アマゾンなどの会員制サービスに乗り換える消費者が増えるにつれ、ケーブルテレビ業者は5Gに注力するようになる。こうして、ケーブルテレビ業者の新たなビジネスモデルが登場するはずだ。
メディアにおける2019年のデジタル変革トレンドを要約する1文を私が選ぶとすれば、「広告があらゆる場所に」だろう。広告が増え過ぎることで、反動のようなものも生まれると私は予想している。
実際、米セールスフォース・ドットコムが最近行った調査によると、コンテンツ消費者の40%近くが、大量の広告を避けるために金を払うことも考えている。こうなると、デジタルコンテンツ提供者は新たな収入源を探すことを強いられるだろうか? この問いは2020年まで取っておくこととしよう。
☀ この記事ではメディア・エンタメにポイントが絞られていましたが、それだけに
留(とど)まらず2019年はAI;人工知能の社会、経済、企業、生活、労働に激変を
もたらした年として記憶されると考えています。
その内容は多岐にわたり複雑な関係性を有しています。凡太郎の興味も、この
事象に強く引き付けられています。従いまして、blogでも2019年はメイン・テーマ
として徹底的に考え迫って行きたいと思っています。