① ""新型肺炎 「感染拡大抑え込めるかの分岐点」中国当局””
2020年 1月26日 18時41分 新型肺炎
新型コロナウイルスの感染が拡大する中国では、患者の数はこれまで1975人、死亡した人は56人に上っています。中国の保健当局は26日記者会見を行い、「武漢以外での感染拡大を抑え込めるかの分岐点だ」としてあらゆる対策をとる考えを示しました。
中国の保健当局によりますと、重い肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染が確認された患者の数は、最も深刻な湖北省の武漢を中心に1975人、死亡した人は56人に上っています。
患者は中国本土以外の13の国と地域で44人が確認され、患者の数は世界中で2000人を超えています。
中国政府の保健当局、国家衛生健康委員会の馬暁偉主任は26日午後記者会見し、「武漢以外での感染拡大を抑え込めるかの分岐点に来ている」と述べ、危機感をもってあらゆる対策をとる考えを示しました。
武漢では鉄道やバスなど交通機関をすべて運休にし、街全体を事実上封鎖する措置をとる一方、医療施設が不足しているため、1000人の患者を受け入れることができる専門の病院の工事を進めています。
また、これまでに全国各地から合わせて1350人の医療関係者が武漢に応援のため派遣され、27日までに1600人を追加で派遣する方針だということです。
一方、ほかの地域への拡大を防ぐため、27日から海外への団体旅行を中止することに決め、北京、天津、西安などの全国各地で長距離バスの運行休止が発表されるなど、人の移動を抑える対策を次々に打ち出しています。
習近平国家主席は中国の旧正月の元日にあたる25日、急きょ共産党最高指導部の会議を開き、「感染拡大は深刻だ」として、国を挙げて対策にあたる方針を示し、急速な感染拡大を抑え込めるか重要な局面を迎えています。
広東省当局 マスク着用しなければ処罰も
南部 広東省の保健当局は26日、ホテル、公園、商業施設、繁華街、交通機関など人が多く集まる公共の場所ではマスクをつけるよう求める通告を出しました。
従わない場合は関係部門が法律によって処理するとしていて、場合によっては処罰するなどとしています。
バスなど運行停止をすぐ撤回 混乱回避か
広東省汕頭の当局は26日、市内のバスやタクシーなどの運行を取りやめると発表しましたが、およそ3時間後、一転してこの発表を撤回しました。
そして、バスやタクシーなどは消毒作業を行ったうえで通常どおりの運行を行い、車や船、人や物資の出入りは制限しないと新たに発表しました。
地元当局は発表を撤回した理由を明らかにしていませんが、中国国内では市民が食べ物などの買いだめに殺到する様子の写真が一時、インターネット上に掲載され、一層の混乱が生じないよう、地元当局が急きょ対応を見直したという見方も出ています。
会見ですべての記者・カメラマンに体温検査
26日午後、北京で開かれた中国の保健当局による記者会見では、会見場に入る際にすべての記者やカメラマンに対して体温検査が行われました。
会見場では、ほとんどの記者やカメラマンがマスクをつけて取材に臨んでいました。