(今年は世界の年平均気温が歴代4位(気象庁))
① ""2018年を異常気象で振り返る!エルニーニョで来年はどうなる?""
2018年12月31日 06時00分
今年の夏は、各地で最高気温が観測史上1位を記録するなど、猛烈に暑い年だったが、一方で立て続けに台風が上陸して西日本豪雨をもたらすなど、土砂災害も多かった。この異常気象、日本だけでなく世界各地でも報告されていたことが気象庁のまとめでわかった。
② 上がり続ける世界の平均気温
(世界(上)、日本(下)の平均気温は年々上昇している(気象庁))
気象庁によると2018年の世界の年間平均気温は、過去30年間の平均値を0.3℃上回り、1891年の統計開始以来、4番目に高くなる見込みだ。最近4年間はすべて歴代4位以内となる見込みで、世界の年平均気温は、長期的に見ると100年あたり0.73℃のペースで上昇している。
今年は、日本だけでなくヨーロッパや米国南西部でも高温となったほか、海域では北太平洋を中心に高温を記録。日本国内の年平均気温は、平年偏差を0.68℃上回っており、長期的には100年あたり1.21℃のペースで高くなっているという。
世界の年間平均気温が歴代1位と2位となった2016年と2015年は、どちらもエルニーニョ現象が発生していた年だ。しかし、今年は、春先までラニーニャ現象が続いていたにもかかわらず、歴代4位を記録。奇しくも現在はエルニーニョ現象が発生中。来年の夏も再び酷暑に見舞われるのだろうか?今年、世界で起きた異常気象を地域別に振り返ってみよう。
③ 2018年世界の異常気象〜異常高温・異常多雨・干ばつが相次ぐ
(2018年の世界の異常気象 )
(アラビア半島では11月の大雨で砂漠がお花畑に(11月24日の記事「中東で異常気象あいつぐ!砂漠が紫の花畑に変身 ラクダも驚愕」より))
【アラスカ〜シベリア】(地図①)
1年中寒いイメージがあるが、アラスカやシベリアでも、今年は春から秋にかけて平均気温が軒並み平年を上回った。このうち、米アラスカ州では1925年以来、最も暑い10月を記録。北西部では9〜10月の月間平均気温が平年より4℃以上高くなったほか、東シベリア北東部では、1〜3月の3カ月の平均気温が平年より9℃近く高かったという。
【モンゴルで大雨】(地図③)
乾燥が激しく、寒暖差も大きいモンゴルでは、1月と夏に異常多雨となった。首都ウランバートルから南西へ600キロ、ハンガイ山脈のふもとにあるモンゴル中部のツェツェルレグでは、1月の月間降水量が平年の6倍以上の11ミリ(!)を記録し、西部ウリヤスタイでは7〜9月の3カ月間の降水量が平年比165%の222ミリに達した。
【インド異常気象で1800人以上死亡】(地図⑦、⑧)
インド政府によると、5月には北部で砂塵嵐や雷雨となり、290人以上が死亡したほか、6月〜9月には各地で大雨が降り、合計1500人以上が死亡した。
【パキスタンの熱波で180人以上死亡】(地図⑨)
パキスタンではアラビア海に近い州都カラチにあるジンナー国際空港で、1月と5月、11月の平均気温が平年より2℃近く高くなる異常高温が続いた。5月には南部で熱波により180人以上が死亡したと伝えられている。
(3月に地中海沿岸で見られた赤い空(3月23日の記事「空が赤い!サハラの砂運ぶシロッコ風が地中海超え ギリシャで異常気象」より))
【中東周辺】(地図⑩)
中東周辺でも2〜3月、5〜6月、9月に異常高温を記録。トルコ南西部のアンタリヤでは2〜3月の平均気温が平年より4℃以上高い15.5℃、サウジアラビア北西部ワジュでは5〜6月に31℃(平年差+3.3℃)、イラン南西部アバダーンでは9月に35.6℃(平年差+3.0℃)だった。
【北欧スカンジナビア半島北部で高温】(地図⑪)
フィンランド北部では5月の月間平均気温が10.2℃、7月にキルピシェルビで15.1℃を記録したほか、ノルウェー北部のトロムスでは11月の月間平均気温が3.7℃と、いずれも平年を4℃前後上回る異常高温となった。
【ヨーロッパ中部で高温少雨】(地図⑫、⑬)
欧州中部や周辺では、春から10月にかけて異常高温、異常少雨が続いた。月間平均気温で見ると、ドイツの4月と5月は1881年以来、最も高く、英国の5月と7月も1910年以降、最も高くなるなど、各国で記録的な高温を観測した。これにともなって、ドイツやフランスでは雨がまったく降らないカラカラな天気が続いた。とくにドイツでは6月から8月にかけて3カ月の降水量が1881年以降、2番目に少なかった。
【ヨーロッパ南部〜北アフリカ】(地図⑭)
一方で、地中海沿岸の欧州南部から北アフリカでは異常多雨が続いた。モロッコ北西部のカサブランカでは、1〜4月の4カ月間の降水量が平年の2倍の387ミリ、ギリシャ西部では5〜6月に平年の3.6倍の122ミリ、チュニジアでは8月の月間降水量が平年の9倍(!)の73ミリ、アルジェリア北西部では9月が平年の4.5倍の83ミリなどとなっている。
【アフリカでは高温と大雨で数百人が死亡】(地図⑮〜⑱)
アフリカ中部から南部、インド洋のモーリシャスでも異常高温となった。ルワンダ政府や国連人道問題調整事務所などによると、東アフリカ北部から中部では3月から5月の大雨や、トロピカル・ストーム「SAGAR」による豪雨で500人以上が死亡したと伝えられている。また、西アフリカのナイジェリアでは、7〜9月の大雨で各地で300人以上が死亡している。
(9月に発生したカテゴリー4のハリケーン「フローレンス」(9月12日の記事「カテゴリー4の大型ハリケーン 米国に接近…目に飛び込んだ!」より))
【北米〜中米の高温多雨】(地図⑲、⑳)
米国南西部では6〜8月の3カ月平均気温が、1895年以降最も高くなったほか、テキサス州では10月の降水量が平年の4倍以上の300ミリを超えたほか、ノースカロライナ州でも5月の降水量が平年の4倍を記録するなど、北米全域で年間を通じて異常高温、異常多雨が続いた。
【米カリフォルニア州〜史上最大の森林火災】(地図㉑)
米西部では7月から9月、11月に大規模な森林火災が相次いだ。このうちカリフォルニア州で11月に発生した「Camp Fire」は、1933年以降で最悪の85人が死亡している。
【南米の高温・干ばつ】(地図㉒〜㉔)
ブラジル北東部では夏の間の平均気温が平年を2℃近く上回ったほか、アルゼンチンの北部〜中部は異常高温により干ばつが発生。4月の月間平均気温は1961年以降で最も高くなり、干ばつによる経済被害は34億米ドルにのぼるという。
【オーストラリア南東部の高温と干ばつ】(地図㉕、㉖)
オーストラリア南部から東部では年間を通じて異常高温が続き、1月と4月の月間平均気温は、1910年以降で3本の指に入る高さを記録。東部クイーンズランド州とニューサウスウェールズ州でも、10月の気温が3番目に高くなった。さらに1〜9月にかけては干ばつが続き、農業収益に大打撃を与えた。ニューサウスウェールズ州ではこの間の総降水量が、1900年以降で3番目に少なかったという。
🌋 一言で言えば""地球が狂った""という天変地異ですが、正確に主語を入れると
「人類が地球を狂わせている」という表現になります。
そして、風邪などのように自然に治癒していくという事は絶対になくて、人間が
回復の為に力を尽くさなければなりません。
異常気象、地球温暖化も2019年の重い課題です。