じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

ベンとの戦い

2013-06-02 21:23:22 | 日々の雑感
午後の三時頃、傘とカメラを持って散歩にでてみた・・・しかし、歩いたのはとても多くて、三歩ではないのだが? 言うな馬鹿やろう、とな?

で、いつものように幕が開き 恋の歌歌う私は~と、口ずさみつつ、いつものように田んぼ道へと進んだ訳であります。

あっ・・・写真見るぅ? キモイよ・・・花も撮ったけど、それは他で使うんで、ここでは、アレ・・・とても他には出せないものを・・・ここのブログを舐めてんな、確かに。


田んぼ道の草むらは毛虫が多いんだわ 毛虫だらけ


蓑虫なんかも居るんだけど、こいつだって剥けば毛虫だかんね


こいは毛虫の親っちゅうか、成れの果てというか


こいつはでかかった これは刺すんじゃなかったかな?


このヤロメら、花の上で昼真っから、交尾してやがる


これは鮮やかできれいだった これも色気が刺しそうだなぁ


ケムンパスの元になったような奴だね


カミキリムシなんだろうねぇ?小さいんだょ


木のピオに誰かが棒なんか持たせちまって、番兵か?


降るかなぁ?降らねぇかなぁ?・・・降らねぇでくれよぉ~と、冷たい風の吹く田んぼ道を歩いて行く訳です。

道々・・・あっ、この歌知ってるかぃ? みっちゃん道々ウンコ垂れてぇ 紙が無いので手で拭いたぁ~・・・と、まぁ、それだけの歌なんですけど、クラスにみっちゃんが居たら絶対に歌ってあげていた訳です。

で、写真なんか撮りながら・・・でも鈍曇りの空で写真撮るには今一と言いますか、腕が無いもんですから曇りの日には写真が平板になっちまいまして・・・なんてイッチョマエな講釈を・・・。

で、田んぼ道のヒメジョオンは街場の白と違って思いっきりピンクが濃いくて、なんだかとっても可愛くて、何枚も何枚も撮っちまいました・・・まるでお経でも上げているように敬虔な気持ちで・・・ナンマイだぁ~・・・と。 なにっ?馬鹿臭いから止めろ、とな? 承知しました。

で、いい加減歩いた所で、しばらく降りに奴が現れた訳です・・・その名もベン・・・ベン・ゲーリーと言う名の古い付き合いの奴なんですが、おっさんはこいつが大嫌いなんですけど、奴は時に突然やってくる訳です。

ゲーリーは横文字じゃなくて、ホントは漢字で書くとわかりやすいんです・・・下痢便、と。

そんな訳で田んぼ道の途中でウンコがしたくなっちまった訳です・・・時々有るんですよ、おっさんの最大の泣き所がこれであります・・・いや、貧乏よりもこっちのが苦手です。

で、ここから家に戻ると行っても死ぬ気で歩いても40分・・・大国神社のトイレの方が近いな、と、踏んで、写真撮りを切り上げて急ぎ足で神社のトイレへ・・・。

いや、緊急事態で便意をもよおすと言うときには、それは絶対的に軟便以下の柔らかいものと相場が決まっている訳でして、固いウンコしか知らない人にはこの辛さは判らないのであります。

ナンとなれば、ウンコが有る程度の固さを持っていれば、ある程度括約筋を閉めていれば漏れる事は無いと思う訳です・・・いや、気を抜いて少し出ちまったとしても、水分が少ないので影響も無く、少し肛門様からカリントウ様のものが顔を出す程度で有りましょう。

しかし、下痢便はそうはいかない訳で、一滴たりとも漏らしてはならないというのが基本な訳です。
もしも、何かの拍子に最初の一滴に気を許してしまったとすると、蟻の一穴ダムをも崩す、と言うが如く、最早何人たりともそれを止める事はできなくなるのであります。

いや、そんな事態にならないように事前にトイレに行っておけば良いのに、などと言うのは笑止千万。
当然出かける前にはトイレに籠り、それなりのよう果たしたにもかかわらず、その準備をあざ笑うかのようにベンは訪れるのであります。

おっさんは、我が身の症状を「禍糞症」と呼んでおります。

さて、気まぐれなベンがひょいとやって来て、ご機嫌はドーだい?と挨拶をされた段階ではまだなんとか持ちこたえられるので近くにトイレが有るとか野糞に適した場所が有れば大した問題にはならない訳です。

おっさんはこのへんの事情でも、人間社会の不条理などを感じてしまう訳であります。
なぜならば、人間は誰でも自然に糞を足れるものなのに、生きとし生けるものの中で唯一、自然にウンコをする事がはばかられる社会を作り上げてしまっている訳です。
ウンコをするというのは自然の摂理なのに、文明社会ではそれを見えない所、社会の片隅に追いやってしまっている訳です。

おっさんはこんな時、社会の不条理を呪いつつ、空を飛ぶカラスでも地を這う虫でも、また、地中に蠢くミミズになっても良い、とさえ思う訳です。
その心は・・・心置きなくどこででも野糞が垂れられるから。

そんな訳で楽しみにしていた田んぼ道での写真撮りもそこそこに、肛門の括約筋の緩まぬ程度に足早に多くに神社を目指した訳です。
その時の足の運びの難しさは筆舌に尽くしがたいものが有る訳です。

早足で歩くというのは意外にも下腹に力が加わるものなのに、しかし、下腹に力が加われば糞は押し出されそうになる。
さりとて、のんびり歩いていたのでは確実に悲惨な瞬間を迎えてしまうというジレンマの中で、おっさんは、心静かに最大限の努力を払う訳であります。

ベンがおっさんに声を掛けてから暫くは次のアクションも大した事は無くしのぎ易いものなのであります。
それは主に腹にたまったガス、世に言う所の「屁」などが出る訳であります。

いや、これとても気を抜けば「屁」の勢いに押されて「実」が漏れ出てしまう危険性をはらんでいるので、「禍糞症」を患って長いおっさんは、「屁」と「実」の加減が可能でありますが、一般のシロートは「屁」と思って放り出したモノが既に「実」を伴っていたりして最悪の結果につながってしまう訳であります。

おっさんは急ぎました・・・ベンのお呼びの感覚が次第に短くなり、ああ、陣痛というのはこんな感じで短くなって、そしていよいよの瞬間に生まれるのか?などと想像などして気を紛らわそうとする訳ですが、人の気も知らないでベンはいよいよおっさんの肛門に圧力を掛けてくるのであります。

それは、時におっさんの意思を挫いてしまいそうな、諦めて楽になりたい、と思わせるほどに激しい攻めとなってくるのでありました。

多くに神社の曲がり角は見えている・・・この坂道を上りきれば、と、下腹に極度の緊張をみなぎらせ、一方では、田んぼのあぜ道に隠れて野糞をしちまおうか?などと言う事も考えつつ、それでも、目線はしっかりと多くに神社の入り口をとらえているのでありました。

しかし、既に「屁」と思って解放しようとすると、ああ、これはまかり間違うと「実」で有るかもしれないという案配でベンの攻撃も熾烈を極めている訳で、おっさんは最後の守りを固めるべく、雲の切れ間に微かに開けた空から届く太陽光線を全身に受け、それをエネルギーに変え、その力を肛門に集め、耐えるのでありました。

歩く早さはこれ以上は上げられない・・・もしも力の入れ具合を間違えれば糞は間違いなく括約筋の圧力に勝って第一陣を放出しにかかる・・・あと数十メートル先には神社のトイレが待っているというのに、歩く姿はまるでオネェのように、ケツメドを目一杯締め上、内股気味にげぎこちなくなっているのでありました。

大国神社の最後の坂を上り、視界にトイレの小屋が入った時、恐れていた事態がやって来た・・・最早これまでか。
額の脂汗が冷や汗にかわる瞬間がやって来ているのは、誰よりもおっさんが知っている訳で・・・嗚呼、天は我を見放したかぁ~と、思いつつも、全身の力を肛門に集め、耐えようとした。

おっさんは右手でトイレのドアを開け、二歩先に進み個室のドアに左手を掛け、それも開けた。
運命の神様はそこまで非情ではなく、一つしか無い個室は空いていた。

もう、「実」は出掛っていた。
おっさんがズボンを下ろそうとしている時に括約筋は力尽き、肛門は緩んだ・・・。

さて、間に合ったのか、ダメだったのか、そこまでは書かない。

戦いは終わった・・・トイレの便座に座り、静かに本日のベンとの攻防を振り返った。
それは、近来稀に見る壮絶な戦いだった・・・。

フフフフフっ・・・と、笑みがこぼれ、「まっ、引き分けか?」と、独り言が口から溢れた。

コメント (2)
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