じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

小牧野遺跡へ行った

2021-11-03 15:38:51 | 縄文時代の話
2021年11月1日 月曜日

世界遺産である北海道・北東北縄文遺跡群の一角を占める小牧野遺跡の「青森市小牧の遺跡保護センター」小牧野館に行ってみた。

仙台からは距離にして380キロほどと少し遠いが東北自動車道を利用すれば4時間30分ほどで行ける。
時間距離としては然程の事では無かった。

と、言う感じで真面目に縄文施設を訪ねたわけですが、私ゃ縄文の学び舎・小牧野館を拝観し、これまでの縄文時代に関する認識を大きく変えた次第であります。

その感覚は、縄文人とは友達になれる、でありました。




平成24年閉校の野沢小学校を利用している

なんと申しましょうか、縄文時代の施設の多くは入館料無料というのが多く、料金があったとしても200円とか300円と安いのが常だと思うのであります。

まっ、金を取ったら誰も見に来ないと思しき施設も無きにしも非ずなのでそー言うことなのかとも思いますが、まっ、いいでしょう。

自分の小学校より近代的であります

閉校になったとは言え外観も内部もまだ綺麗で明日にでも再開できる雰囲気が漂っていました。

尋常小学校の卒業証書には 「平民 」の文字が

さて、小牧野遺跡とは縄文後期前半(4000年前)の環状列石を主体とする遺跡であります。
大規模な環状列石は土地造成がなされており、縄文人の土木工事の実態を知る上で重要な遺跡であります・・・と、パンフレットに書かれています。

環状列石は祭祀に関連するらしく貝塚遺跡とは違った出土品が見られます。

縄文人のウンコの化石 糞石

なぜにウンコが溶けて流れず化石になったのかは分かりませんし、どうしてそれがタヌキなどの動物の物で無く縄文人だと分かるのかも謎ですが、まっ、いいでしょう。

しかし、私は糞石に付随する説明を読み目からウロコが落ちたのでありました。

縄文人は野糞が常であったらしく用足しの後は生えている葉っぱで始末したそうであります。
自分は野山で経験済みなのでどのような葉っぱが適しているかは経験で知っていますが、それは縄文人と共通でありました。

適応する葉っぱはヤマブドウ・ヨモギ、そしてフキでありますが、此処に驚愕の事実があるわけです。

フキの語源は、尻拭きだったと言うことで一人きりの館内で腹を抱えて笑いました。

手の平サイズに精密な文様

縄文中期の板状の土偶

奥の遮光機土偶は晩期 手前は縄文後期

縄文時代と一口に言ってしまうのは乱暴だと思うようになった理由が土器や土偶の制作精度の違いであります。
それもその筈、中期と晩期の間には2000年もの時間があるのですから粘土細工も上手になって当たり前です。

しかし、同じ晩期の土器や土偶にはとても稚拙なものがある一方、遮光機土偶の名品に見られる精巧な作りと仕上げもあるわけです。

そこで、名品はお使い物であり、雑なものは家庭用なのかと思うのであります。

お使いものというのは祭祀用であったり贈り物かと思うんですが、まっ、いいでしょう。

写真の中に縄文晩期の「注口土器」がありますが、これの重厚な質感や精密な文様は素晴らしいものですが、考えさせられたのは用途であります。

祭祀用との見方が大方のようですが、私は異を唱えます!!!
これは尿瓶です・・・と言うのは小さすぎてダメなので、病人や年寄り用の「吸い飲み」であったと思うのでありますが、如何でありましょうか?

ええっ? 展示の際にそうとも書いてある、ですか?
いや、自分は見てないのでオリジナルです!!!

なんと申しましょうか、これが吸飲みだとすると病人や年寄りを慰り大切にしたから精巧な作りの土器をあてたと思ったわけであります。

と、そんなわけで、ここには2時間弱滞在してじっくり見学させていただきました。
まっ、他に見学者がいなかったので好きなように見られたと言うのもありまして、土器や土偶を見ながらなぜその形なのだ、と考えさせられる展示と言いますか、自分としては好きな施設の上位に入りました。

と、言うことで、次は大御所「三内丸山遺跡」であります。






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