ブログ仙岩

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大石邦子「春一番に」

2023-02-21 04:54:47 | エッセイ

新しい年が動き始めた。今年はどんな年に、コロナ過は収まってくれるだろうか。

昨日は札幌が吹雪、この日の會津は吹雪、でも、白木蓮の蕾はそろって天を向き、日々ふくらみを見せている。

この庭の春一番に咲く花である。

どんなに厳しい冬でも、その向こうに間違いなく花の季節が待っている。

去年の暮、我が人生最後のベットを買った。今までのもは30年も使ったせいか窪みができて、寝心地がひどく悪い。

それにしても、ベットの進化に驚いている。寝ると、体の下から暖かくなってくる。ベットパッドが発熱材で出来ているのかもしれない。

今までの電気毛布もいらない。

眠れるということはつくづく幸せと思う。トイレも1度、以前から見たらウソのようである。

私は出来れば、この家で、このベットで最期を迎えたい。これが新年の願いである。

以前に詠んだ歌に「ほんとうは老いの意識のないままに老いを生きをり 時に戸惑ふ」

名前が思い出せない。無くし物をする。文字も忘れる。鍋も焦がす。マスク社会に耳の聞こえが悪くなり、一日中寝ていたいと思う。

せめてはと、夜ベットに入ると、今日あったことを一つ一つ思い出すことにしている。

花の名前が分からないと、夜中に起きてパソコンで調べることがある。

諦めは老いを深めることなのだと、自分自身に言い聞かせながら・・・。

今年はこの老いとしっか向き合って、共に手を携えて生きていきたい。誰しも、何時かは行く道なのだから。

やはり、老いをしっかりと自分で見つめることが必要である。どうしても、自分には甘くなり、若き日々と同等に考えがちであるから・・・。