聖所の外庭の経験
それでは、聖所の外庭では、何を見ることが出来るでしょうか? 2つの物を見ることが出来ます。燔祭のための祭壇と洗盤です。これらは、罪を焼きつくし、また、それを洗うための器物です。外庭は、神様がどのように罪人の心から罪を聖め、洗い、取り除くのかを教えるためにデザインされているものです。この外庭の経験は義認の経験です。まず、外庭においてなされることは、燔祭として連れてきた羊、山羊の頭に手をおいて、全ての罪を告白することでした。この燔祭を捧げる時、覚えておかなければならないことは、もし、罪を犯した人が祭司だった場合、最も高価な子牛を捧げる必要があったということです。
全イスラエルが罪を犯した際に捧げる燔祭も子牛でした。ということは、神様にとって、祭司が罪を犯すというのは、全イスラエルが罪を犯したのと同じくらい深刻だということなのです。民の司たちが罪を犯した際は、雄ヤギを捧げることになっていました。また、一般の会衆の場合は、雌山羊が要求されました。こうしたことを見てみると、どの立場にある人が罪を犯すかによって、その捧げる物の価値が変わってくるということがわかります。罪は誰が犯しても、罪ですが、大きな光を受けた人にはより大きな責任が伴うことがわかります。燔祭において、捧げる人が貧しい人々で、動物を捧げることが出来ない人は、鳩などを捧げることが出来ました。
捧げものには4種類ありました。この4つの捧げ物にはそれぞれの目的と意味がありました。まずは、罪際です。これは、罪を犯した時に捧げるものですね。そして、次が愆祭(けんさい)です。これは、罪祭と同類のものですが、特に、盗みや欺き、他人のものを壊したとき、また主の聖なるものに対して罪を犯したときに捧げるものが愆祭です。そして、3番目が、燔祭です。これは、罪人が神様に全てを捧げることを表明するものです。燔祭は、神様への奉仕へ自らを捧げることを象徴しています。燔祭は自己犠牲と完全な服従を意味しています。そして、4番目が酬恩祭です。これは、罪人の神様に対する感謝を表すものです。その大きな憐みと罪の赦しによって、神様との関係が回復したことに対する感謝を表す儀式が酬恩祭です。皆さん、私たちはこの4つの捧げ物を通して、どのようにして神様に近づき、その恵みにあずかるかを学ぶことが出来るのです。