その精肉店に肉を買いに行く度に、年配のご主人は私に “BLACK” の缶コーヒーをくれるのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/9e/2eeaa3e9885b64914bcda977d5eb11bb.jpg?1615537278)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/c7/690373037169fd1079c76e89adf9fded.jpg?1615609875)
私が購入する金額は1000円程度の時もあるので気の毒でしょうがありませんでした。
娘が家にやって来ていて、2人で一緒にその精肉店へ行った時のことです。
いつも一人で行っていた私が若い女性を連れてやって来たのを見つけ、年配のご主人は驚いた様子で、
「アラー、あんた奥さんいたの⁉︎」
「こんなに若くてキレイな奥さんがいたんだー!」
こちらが恥ずかしくなるくらい大きな声でした。
私はすぐに否定しました。
「娘ですよ、娘!」
年配のご主人はさらにしつこく言ってきます。
「あんた、奥さんはどうしたの?」
「病気?… 病気で亡くなった?」
この精肉店の中では、私は可哀想な独り者になっていたようです。
そう言えば、私より若い男性の店員さんからも以前、こんな事を言われた事がありました。
「お客さんがお料理を作られてるので、私も自分で料理をつくりはじめましたよ!」
その時は、『へぇー、そうなんだー… でも何でそんな話を私にするんだろ… 』と思ったものですが、やっと納得ができました。
『料理を作っているのはあなただけではありませんよ!頑張ってくださいね!』
そんな私への “エール” だったようです。
家に戻り、連れ合いにその話をすると連れ合いも笑っていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/9e/2eeaa3e9885b64914bcda977d5eb11bb.jpg?1615537278)
その精肉店のお肉はとても美味しいので、それに免じて連れ合いも機嫌を損なわずに良かったです。
その日も、私はいつものように辛口のカレーを作ったのでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/c7/690373037169fd1079c76e89adf9fded.jpg?1615609875)