生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

美術修行2015年10月18日(日):椿崎和生作品展/スペース草/豊中市

2015年10月20日 07時19分31秒 | 美術/絵画
2015年10月20日-1
美術修行2015年10月18日(日):椿崎和生作品展/スペース草/豊中市



図0.スペース草の門構え。なかほどに、黒塗りのピアノが見えませんか?

 前回にスペース草(最寄り駅は桃山台)を訪ねたときは、桃山台駅から往復とも徒歩でだったが、今回は往復ともバスで。



↑ 図1.椿崎和生〈貝殻-1〉。埋め込み的貼付けの製作例。桃色の多い貝殻の配置とたどたどしい?直線的木目の木板の配置が素晴らしい。気品のある色気が醸し出されている。左へ90度回転すると、見えは変わり、新たな作品となる。物体としては同一でも、視覚芸術的作品としては、異なることになる。三回回転すれば、その都度楽しめて、三度美味しいということになる。



↑ 図2.椿崎和生〈判子〉。或る特定の壁面の、2015年10月18日午後2時某分(日本時間)という時点の前(before)。
  棲息作品が入れ替わった、と見なすことができる(見立て)。
  ニッチ niche とは、彫像や花瓶などが置かれる壁のくぼみ部分のことであり、壁龕である。生態学用語として使われる場合は、生態的地位と訳される。ニッチ産業と言われる場合は、商売が成立するような、既存の業態の隙間を狙った、隙間産業を指す。
 〈判子〉は、七つの版画用部品が、印刷面を前方にして並べられている。これを使って、一部または全部を、たとえば和紙に魚拓を作るように油分を含む墨のついたタンポンで叩き浮かばせて、あるいは黒鉛で擦り出して、つまり版画作品を作って、絵具を加えて、(二次加工的)作品を作ったとしよう。七つの判子を空間配置を組み替えるまたは変更することもできよう。つまり、
  TK氏は、その力 force または作用によって、既存の部品を或る場所に集めて(選別)、それらを組み立て assemble(集成)、或る場所に或る形式で製作し(システム的物体作り making of systemic body)、或る名称のもとに絵画物体を展示(exhibition)または表示した(showing, expression, indication)。
  某氏は、その作品を版として、たとえばアクリル絵具を塗って和紙に(良い加減の押さえつけ具合で)転写して、版画作品を作った(フロッタージュとは表面の写像の一種である)としよう。これは、引用とも言える。写真製版したら、いわば全文を引用したと言える。展示方式を変えた場合、たとえばヘリウムガスを入れたいくつかの風船に結わえて、或る公園で浮揚させ風力で移動展示した場合、著作権はどうなるのか。独創性の評価をどうするか。【→価値観についての「醜い家鴨の仔の定理の適用。→指図芸術 instruction art】
 


↑ 図3.椿崎和生〈二人〉。或る特定の壁面の、2015年10月18日午後2時某分(日本時間)という時点の後(after)。
  ビー玉を後ろから嵌め込み(押し出し)。色変化するビー玉。なお、真ん中の眼は(造形的論理でもって?)共有されている、と解釈できる。口も共有?、あるいは接吻?。解釈的想像美?。

システム分析結果
・展示方式
 空間的分類
  a. 壁掛け:多数。
  b. 台置き:例としてピアノの蓋の上に3個体。
 時間的分類
  (結果として)開催期間中は固定的。
  または、たとえば即売されてその後に新たに作品が設置されれば、或る展示場所について絵画物体が入れ替わり的(変遷絵画)。
・構成
  見ての通り。
・構造(=部分間諸関係)
  見ての通り。
・機構
  あなたの解明に待つ。
・環境
  或る家のコンクリート製などの壁面や、ピアノの黒い蓋、など。


製作方法
 a. 貼付け(コラージュ):多数。
  立体作品もここに含める。釘で部分としている物体間を結合させている場合も、貼付けに含める。[正しくは、(糊でとか釘でとかの結合方法を問わず)部分の「組み合わせ」と言うべきである。表面体の写し。表面痕跡。]
 b. こすり写し(フロッタージュ)。少数。額縁部分も作品の構成要素と考えれば、多くが貼付けとの併用作品となる。[立体作品には、額縁が無いのが通常である。立体(絵画も精確には立体である)は、固体状態の物体と気体状態の空気が、その境界であり輪郭となる。]
 c. 埋め込み:たとえば貝殻を紙粘土に埋め込み。もちろん一部ないし大部分は表面が出るようにしている。
 d. 絵具で塗り painting:少数。また、貼付けとの併用作品もあり。


絵画物体のシステム的改変(後書き postscript)
 或る物体が、既存の部品が或る構造(=要素間の関係)のもとに集積され、つまりシステム化されて、また別の作者によって加工(物体の付加または削減)されて、絵画物体の一部が引き継がれつつも、変化する(変遷絵画。生態的に捉えれば、遷移絵画 succession picture)。
 →著作権の問題。後から共作にしてしまうこと。