2017年6月8日-1
Erik Satie: Ogives I の演奏
ハーモニクス奏法
音響のいわば残骸または虚ろな部分を空へと浮かび昇らせる、
それが肝味噌です。
☆☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆☆
OGIVES IV・III・II・I
ノートルダム寺院。
ゴチック芸術。
神秘。中世スコラ哲学(広大な非現実世界の探究)。
Tr`es lent.時間を殆んど無限に、一音が彼方の果てまで達
してから、次の一音が発せられる。
小節区切りが無い。完全和音。一打音の完全性、孤立。音は、
ひとつ、ひとつ、宙の高みへ舞い上がり、拡がり・消えながら、
その消えたところに、壮重な尖がった形象をつくる。
厳しく拡散した空間。完壁なまでに空疎であること。
音は、緊密なままに楽譜に閉じこめられている。それは想像力
によって解き放たれねばならない。
平坦な旋律線。しかし、ひとつひとつは、連らなりながらも、
垂直に天の高みへ突きささろうとする。
内部表出、そうではない、自己を滅し去ること。「あなた自身
は、うつろになりなさい」。
教会の本質は、虚天志向性にあり、それは、そびえたつ尖塔に
具現される。サティは音によって尖塔を、次…次、と虚天へと上
昇する、しようとする、重力へ(=現実)に抗う音の尖塔を打ち
がらんどう
建てる。己れを音・空洞と化すことによって。
未可能でなく不可能の領域。このような作品がありえたという
こと。
あらゆるモノ・コトの非在。
音だけ、だが音は刻々と消滅して
ゆく、
虚天に舞い昇る響きの残骸、かくて無、と無へ回帰しつつ
ある虚在。
音、消滅、一切、消滅……
☆☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆☆
Welcome to Mitsutoshi Koisugi's Music Plaza
引用源
・秋山邦晴「エリック・サティ」音楽芸術1969年4月号
(引用:ノートルダム寺院、ゴチック芸術、完全和音、
内部表出、あなた自身は)
参考源
・松尾晴子「サティ マジィ ラヴィ」音楽芸術1966年9月号
(1971・11・9〜1972・5・5)
付論:OGIVES I への試み
第一段・非常にゆっくり。ピアノ。ペダルなし。音は
テヌートで大事に。音と音の間に長い非発音を入れる。
第二段・よりゆっくり。フォルテ、一音一音強く叩く。
ペダルは一音ずつに、一音の響きが消えると次の一音へ。
しかし、消えるまでは鍵は押えておくこと。
第三段・よりゆっくり。にもかかわらず旋律がわかる
ようにやや早く。メゾピアノ。やわらかい音で。和音を
楽しむように。ペダルは音と音のつなぎ目にのみわから
ぬように使う。
ソフトペダルは1/2で。
第四段・無限にゆっくりと。フォルティッシシモ。
音一音強烈に、叩きつけ同時にペダルを踏み鍵から手を
即座に離しペダルを1/4まで上げすぐ深く踏み込む、これ
を瞬時に行う(ハーモニクス奏法と私流に呼んでいる)。
こうして虚音が宙に舞い浮かぶ、これが完全に消えるま
で(つまり実際に消えた後も想像の及ぶ限り)ペダルは
踏み続け、おもむろに離し、音が完全に残骸すら無いこ
とを確かめ、そして次の音を舞い上がらせる。最後の虚
音が消滅した時、一切は(無論あなたも)消滅している
はずである。 (1971・9・10,72・5・1)
☆☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆☆
↓Erik Satie: Ogives Iの演奏がきけます (4分11秒)
風間虹樹のフェイスブック
にて、どうぞ。m4v形式に貼り付けた画像の解像度は荒すぎるので、
その上の欄の画像か、
下記の絵画画像を観ながら、お聴きください。
あなたを、銀河系宇宙へと誘います。
想いをはせ、瞑想するのも一興でしょう[瞑想絵画]。
□ [OGIVES I ogive1.mp3(4 min 11 sec; MP3形式: 128KBpsでencoded; 3.8MB)
ogive1.mp3 ダウンロード、できません]
演奏:風間虹樹 Performed by Nijiki Kazama
録音 Recorded 1996.7.14.; YAMAHA Clavinova CLP-123, Macintosh PowerBook 550c, FreeStyle 1.04J.
使用音源 Sound source used: Roland Sound Canvas SC-88 Pro Piano1
ディジタル化 Digitized 2006-5-12 with Pioneer CD recorder PDR-WD7 through Macintosh 7600/200 using FreeStyle 2.1J
Erik Satie: Ogives I の演奏
ハーモニクス奏法
音響のいわば残骸または虚ろな部分を空へと浮かび昇らせる、
それが肝味噌です。
☆☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆☆
OGIVES IV・III・II・I
ノートルダム寺院。
ゴチック芸術。
神秘。中世スコラ哲学(広大な非現実世界の探究)。
Tr`es lent.時間を殆んど無限に、一音が彼方の果てまで達
してから、次の一音が発せられる。
小節区切りが無い。完全和音。一打音の完全性、孤立。音は、
ひとつ、ひとつ、宙の高みへ舞い上がり、拡がり・消えながら、
その消えたところに、壮重な尖がった形象をつくる。
厳しく拡散した空間。完壁なまでに空疎であること。
音は、緊密なままに楽譜に閉じこめられている。それは想像力
によって解き放たれねばならない。
平坦な旋律線。しかし、ひとつひとつは、連らなりながらも、
垂直に天の高みへ突きささろうとする。
内部表出、そうではない、自己を滅し去ること。「あなた自身
は、うつろになりなさい」。
教会の本質は、虚天志向性にあり、それは、そびえたつ尖塔に
具現される。サティは音によって尖塔を、次…次、と虚天へと上
昇する、しようとする、重力へ(=現実)に抗う音の尖塔を打ち
がらんどう
建てる。己れを音・空洞と化すことによって。
未可能でなく不可能の領域。このような作品がありえたという
こと。
あらゆるモノ・コトの非在。
音だけ、だが音は刻々と消滅して
ゆく、
虚天に舞い昇る響きの残骸、かくて無、と無へ回帰しつつ
ある虚在。
音、消滅、一切、消滅……
☆☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆☆
Welcome to Mitsutoshi Koisugi's Music Plaza
引用源
・秋山邦晴「エリック・サティ」音楽芸術1969年4月号
(引用:ノートルダム寺院、ゴチック芸術、完全和音、
内部表出、あなた自身は)
参考源
・松尾晴子「サティ マジィ ラヴィ」音楽芸術1966年9月号
(1971・11・9〜1972・5・5)
付論:OGIVES I への試み
第一段・非常にゆっくり。ピアノ。ペダルなし。音は
テヌートで大事に。音と音の間に長い非発音を入れる。
第二段・よりゆっくり。フォルテ、一音一音強く叩く。
ペダルは一音ずつに、一音の響きが消えると次の一音へ。
しかし、消えるまでは鍵は押えておくこと。
第三段・よりゆっくり。にもかかわらず旋律がわかる
ようにやや早く。メゾピアノ。やわらかい音で。和音を
楽しむように。ペダルは音と音のつなぎ目にのみわから
ぬように使う。
ソフトペダルは1/2で。
第四段・無限にゆっくりと。フォルティッシシモ。
音一音強烈に、叩きつけ同時にペダルを踏み鍵から手を
即座に離しペダルを1/4まで上げすぐ深く踏み込む、これ
を瞬時に行う(ハーモニクス奏法と私流に呼んでいる)。
こうして虚音が宙に舞い浮かぶ、これが完全に消えるま
で(つまり実際に消えた後も想像の及ぶ限り)ペダルは
踏み続け、おもむろに離し、音が完全に残骸すら無いこ
とを確かめ、そして次の音を舞い上がらせる。最後の虚
音が消滅した時、一切は(無論あなたも)消滅している
はずである。 (1971・9・10,72・5・1)
☆☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆☆
↓Erik Satie: Ogives Iの演奏がきけます (4分11秒)
風間虹樹のフェイスブック
にて、どうぞ。m4v形式に貼り付けた画像の解像度は荒すぎるので、
その上の欄の画像か、
下記の絵画画像を観ながら、お聴きください。
あなたを、銀河系宇宙へと誘います。
想いをはせ、瞑想するのも一興でしょう[瞑想絵画]。
□ [OGIVES I ogive1.mp3(4 min 11 sec; MP3形式: 128KBpsでencoded; 3.8MB)
ogive1.mp3 ダウンロード、できません]
演奏:風間虹樹 Performed by Nijiki Kazama
録音 Recorded 1996.7.14.; YAMAHA Clavinova CLP-123, Macintosh PowerBook 550c, FreeStyle 1.04J.
使用音源 Sound source used: Roland Sound Canvas SC-88 Pro Piano1
ディジタル化 Digitized 2006-5-12 with Pioneer CD recorder PDR-WD7 through Macintosh 7600/200 using FreeStyle 2.1J