真夏のイングリッシュガーデン 再訪 

2013年07月22日 | バラ園・公共園 
7月21日 快晴。びわ湖大津館にあるイングリッシュガーデンを再び訪ねました。

 

入口では、アサガオのお出迎え。まだ咲き始めです。 細かい霧状の水が時折パイプから噴霧され、暑さ対策でしょうか、
涼しげです。

グラベルガーデンでは、5月の時にはまだ隙間があった植物もそれぞれが大きく伸びていました。
エキナセアの花がきれいで目を引きます。 背が高くなった「フェンネル」。5月にアスパラガスと
思って書いていましたが、お尋ねしたところ「フェンネル」とのことです。もうすぐ黄色い花が咲き
そうです。
  

黄色い小花は、「コレオプシス」。キク科の植物です。
 

アナベルの花はもうグリーンに変わっていますが、群生していてきれいです。
オレンジの花は、ヒオウギスイセンのようです。 紫のは、ゴマノハグサ科のアンゲロニア。
 

 

つる性の植物。デプラデニア(マンデビラ)は、メキシコからアルゼンチンン原産。


 

スカビオサ よく見かけるブルーの花以外に ピンク系の花も咲いていました。
 

キキョウが花盛りです。
 

この花は、ブッドレア。フジウツギ科。
 

ブッドレアは3m位の低木にもなります。日本には明治23年(1890年)ころ渡来とか。
 

大きなコンテナに植えこまれた花 。黄色のキク科の花(ジニア?)と紫のトレニアがきれいです。


青空に映えるピンクの花は、スモークツリーです。 この木は、南ヨーロッパ、ヒマラヤ、中国原産で、
樹高は、4~5m。開花後の花穂が、もやもやして、煙のように見えるところからついた名のようです。
雌と雄の株があり、雄株は、花穂が煙のようにはならず、観賞価値が高いのは、雌株のようです。


アキレアとは、別名ヤロウで、西洋ノコギリソウのことです。
  

足元には、ペンタスが続いていました。このペンタス、暑い夏によく咲いているなと思ったら
熱帯アフリカやマダガスカル原産の花でした。

  

葉が肉厚で、毛がいっぱいはえた植物がありました。初めてみた植物で、名札を見ると「バーバスカム」
調べると、「ビロードモウズイカ」というゴマノハクサ科の2年生の植物。

  

ルリタマアザミもありました。
 

ロサ・ルゴサにオレンジ色の実がいっぱい付いていました。
 

ノットガーデンのボックスの中では、オレンジと黄色のジニアが彩りを添えています。


ラズベリーが鈴なりです。
 

池のある方へ進むと、黄緑に緑の縞がある葉に、オレンジ色の花が咲くカンナや、ハイビスカスに似た赤い花が咲いていました。
名札には「モミジバフヨウ」とありました。
 

 

小さな橋には、つる性のフジが巻きついて、花が咲いていました。
  
 池には、黒い羽根のトンボが沢山飛んでいました。ここでは、その姿を捉えることはできませんでしたが
縞の葉のカンナの上で撮ることができました。
  

バラは、剪定されて樹高が低くなって、小ぶりの2番花が沢山咲いていました。
   

  

  

チャペル前のコンテナも、花があふれていました。
  

突き当りのガゼボの傍にアナベルがたくさん咲いています。 そこから湖が見えるのですが、
ヨットが一斉に円描いて進んでいて、しばらく見とれていました。

    

    

 

 

ピンクのフロックス。黄色のダリア。
  

しばらく湖畔沿いのベンチで休憩しました。 ひまわりはまだ咲いていません。
 

フヨウとムクゲ
 

白のフロックス
  

花かごのある風景
 


外に出て、湖側にある門からの景色もなかなか素敵でした。
     

前回訪れたときは、バラが美しく咲き、人でにぎわう、美しい印象の庭でしたが、今回は、真夏ということもあり、
来場者も少なく、広い庭を一人で満喫する時間がありました。この日の最高気温は33度で、木陰もほぼない庭ですが、
真夏に咲く、普段あまり目にしない植物を沢山見るのにわくわくして、夢中になって暑さも忘れていました。


ローズフェスタ~♪ ~びわ湖大津館~

2013年05月27日 | バラ園・公共園 
5月26日 晴れ時々曇り。最高気温27度 最低気温16度

今日は、滋賀の「びわ湖大津館」にあるイングリッシュガーデンの「ローズフェスタ」に
初めて連れてもらいました。

最初は、「グラベルガーデン」(グラベルとは小砂利のこと)
ハーブと乾燥した土地や岩地に育つ植物や季節の草花などを集めたガーデン。 
右の写真のオレンジと黄色の植物は、南アフリカや熱帯アフリカ原産の「トリトマ」
  

ハーブの「ボリジ」地中海沿岸に自生。「ボリジ」は、古代ギリシャや古代ローマからあり、
気分を高揚させ、勇気をもたらす効果があるといわれています。俯いて咲いていたので、
下から見上げるようにして撮ると、笑ってるみたいな花です。

 

赤と白の花が可愛い「チェリーセージ」、薄紫の花は「サルビア」?後ろの背の高い緑のものは、「アスパラガス」
「アスパラガス」は地中海東部原産。(7月21日追記 この植物は、フェンネルと判明しました。)
別名「キジカクシ」 雉(鳥のキジ)が隠れるくらい生い茂ることから。
煉瓦の塀には、つるバラ。塀の向こうに見える赤い銅葉の背の高い木は「スモークツリー」

 

赤い「ポピー」、青のヤグルマギク、ジキタリスなど
 

 

葉に柔らかい毛がいっぱいの「ラムズイヤー」
 

 

バラの「ローラアシュレー」はこの門のすぐ左下に。
 

次のコーナーは、「ボーダーガーデン」
 

壁面いっぱいの赤いバラ。夏に向けてタチアオイが成長中。


  

奥の湖面に近い「イングリッシュランドスケープガーデン」では、パフォーマンス中のクラウンさんも。
   

チャペルがあり、純白の小さな花、つるバラ「フェリシテ・エ・ペルペチュ」がちょうど美しい時です。
花径は5cmほどの「ポンポン咲き」一輪の花弁数は40枚。


 

  

 

  

 

小花のカスミソウや、ジキタリスもきれい。
  

一番奥には琵琶湖を望むガゼボがあります。ベルが付いています。カランコロン~♪
 

 

  

   

 

蕾に苔が生えたような「モスローズ」開くと花は花びらがいっぱい詰まっています。
  

この木は、イングリッシュオークの木。柏葉です。
  

池があり、スイレンが咲き始めています。
 

ノットガーデンもあります。ノットとは結び目のことで、ツゲを刈り込み、模様の縁取りをして、
中に花やハーブを植えこむ庭。ここでは「京輪つる花菱」という文様でつくられているそうです。
 

「ブレーリーNO.2」と、白い花は「アイスバーグ」のつる
 

琵琶湖のそばに、こんな美しいイングリッシュガーデンがあるとは知りませんでした。
「びわこ大津館」のホームページによると、バラは100種類2000株が植えられ、
建物の近くにも沢山のイングリッシュローズやオールドローズが沢山植えられていました。
また季節ごとにぜひ訪ねてみたい場所が増えました。ご一緒して下さった方々に感謝です。










寒梅~咲くやこの梅~

2013年03月04日 | バラ園・公共園 
3月4日快晴。思い立って、北野天満宮に梅を見に行ってみました。
  

天神さんと梅。といえば、有名なこの歌。菅原道真公(845-903)
  東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな(出典:拾遺和歌集)

「春な忘れそ」と覚えていたのですが、初出は1006年ごろに成立した拾遺和歌集で、
「春を忘るな」となっています。

今年は例年よりも寒いのか、入口には3分咲きとありました。早咲きは見ごろのものもありますが、
ほとんどがまだまだ蕾。これからです。
  

  

 
 

  

  

   

 

  

50種類1500本があるとか。梅の花の特徴は、枝から1輪ずつ 花の軸が短く、突然出ましたという感じです。

梅は、観賞用の花梅と、果樹用の実梅があります。
花梅には、3系統あり。(野梅系、紅梅系、豊後系 )さらに7性があります。

野梅系は、原種に近い梅     (野梅性)
     花の香りが良い    (難波性)
     蕾の先が紅く尖っている(紅筆性)
     枝やガクは常に緑色。蕾も緑白色。花は青白色。(青軸性)

紅梅系は、花色が明るい紅色   (紅梅性)

豊後系は、アンズとの雑種、花は大輪、淡紅色 (豊後性)
     豊後性よりも枝が細く、葉も小さい (杏性)

さて梅は、日本でいつごろから愛でられていたのか?ちょっと調べてみることにしました。

   難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花

この歌は、古今和歌集(905年編纂)の仮名序に出てくる歌で、それによると
王仁の歌で、「この花は 梅の花を言うなるべし」
とあります。
王仁については、日本書紀によると 百済から優れた学者を呼んだとされ、

一六年(405年)春二月、王仁來之。則太子兎道稚郎子師之、習諸典籍於王仁不通達。
所謂王仁者 是書首等始祖成。

(16年春二月 王仁は参った。そこで兎道稚郎子は王仁を師とされ、もろもろの
典籍を王仁から習われ、精通していないものは何もないようになった。いわゆる王仁は、
書首(ふみのおびと)らの始祖である。(『日本書紀』巻第十(応仁紀))Wikipedia参照)

古事記には、『論語』10巻と『千字文』1巻も、王仁に附けて献上されたとあります。
ただし、『千字文』は、王仁より、後代の、中国の南朝・梁(502ー549)武帝が
文官の周興嗣(470-521)に作らせたもので、時代の差異があります。

いずれにせよ、この花が梅の花を詠んだものなら、405年~ということになり古いものと
考えられます。

梅の花を詠んだと明らかにわかるものの初出は、日本最初の漢詩集、懐風藻(751年)
に出てくる、706年没の葛野王の「春日翫鶯梅」(春の日に鶯と梅を喜ぶ)があります。

万葉集には、梅の詠まれた歌が119首あります。そのうちの天平二年正月十三日(730年2月)
大伴旅人が、大宰府の宅で宴会をした時の歌「梅花の歌 三十二首」は、集まった32人が詠んだ
その時の梅を愛でる様子がよくわかります。815~846の32首中の4首を選びました。

正月(むつき)立ち 春の来たらば かくしこそ 梅を招きつつ 楽しく終えめ(815 大貳紀卿)
(正月になって、春が来たらば、このように、梅の花を招き寄せて楽しいことの極みをつくそう)
  大貳は役職、大宰大貳であった紀氏の人。名は未詳。

梅の花 今咲けるごと 散り過ぎず わが家の園に ありこせぬかも (816 小貳小野大夫)
(梅の花は、今こんなに咲いているようにいつまでも散らずに、私の家にあってほしいものだ)
  小貳も役職、大宰小貳小野老

わが園に 梅の花散る ひさかたの 天より雪の ながれくるかも (822 主人)
(わが家の庭園に梅の花が散っている。いやこれは大空から雪が流れてくるのであろうか)
  主人は、大伴旅人(665-731)亡くなる1年前の歌である。

春されば まづ咲く宿の 梅の花 独り見つつや 春日暮らさむ  (818 筑前守山上大夫) 
(春になれば 最初に咲く梅の花を、ただ一人で見ながら 春の長い日を暮すことであろうか)
  山上憶良の歌。

32首のなかには、花をかんざしにする歌や、ウグイスを詠みこむ歌。散る花を雪と見立てる歌がある。
万葉集の梅は白梅といわれています。

さて梅の実のほうはいつ伝来したのでしょうか?
中国最古の薬物書(本草書)『神農本草経』(1~2世紀ごろ編纂されたもの。神農は、4~5千年前の
古代中国の皇帝で医薬と農業を司る神。)には、中薬の項に烏梅「ウバイ」があり。(半黄のものを採って 
煙で薫じたもの・鎮痛・解毒・健胃整調作用があるとされています。)

また『斉民要術』中国北魏の賈思勰(かしきょう)が著した総合的農業専門書92編全10巻
に、「烏梅・白梅・蜜梅」があります。(532~549年)

中国より直接日本に医学が伝来した最初とされるものに、562年、智聡が薬方書(「内経」や「本草書」)
明堂図(鍼灸の場所を示す人体図)など164巻を持って呉より来朝したとするものがあったので、
薬として、早くに伝わってきたかもしれません。

魏志倭人伝などがあるように、古くから大陸との交流はあり、梅が実際にいつ入ってきたとはなかなか
わかりませんでしたが、遅くとも遣隋使・遣唐使の600年以降には薬としても、食用としても有用な木であり、
花も愛でる木として渡来したと考えられるようです。

梅の別名は、好文木(こうぶんぼく)晋の武帝が学問に親しむと花が咲き、怠けると開かなかったという故事から。

894年遣唐使を廃止した道真公。さて、今日の天神さんの梅。本殿前の門横の梅の木が一際大きく、沢山咲いていました。


では今日はこの辺でお開きに。



音に聞く~浜寺公園のバラ~

2012年06月03日 | バラ園・公共園 
このレトロな駅舎は、南海電車の「浜寺公園駅」です。

今から105年前の1907年に建てられた、私鉄最古の駅舎です。

    

この駅舎は、明治から大正にかけて、日本銀行本店、大阪、京都両支店、奈良ホテル
日本生命京都支店 大阪市中央公会堂などを設計した、建築家辰野金吾によるものです。
これらの建物は、国の重要文化財であり、この駅舎は、登録有形文化財となっています。

さて今日は、お誘いを受け、浜寺公園のバラ園を訪ねました。
    

この浜寺公園は、駅舎よりも随分まえの明治6年(1873年)に大阪で公園と指定された
もっとも古い公園のひとつです。公園ができる前、このあたりは、白砂青松の景勝地で、
海水浴場があり、別荘地だったそうです。

広々とした敷地を歩いていくと、満開のバラが待ち受けていました。 
  

  

大きいマーメイドがありました。もう花の盛りは過ぎていましたがまだまだ美しいです。
    

  

      

ピエール・ド・ロンサールは、咲き終わって新しい枝が沢山出ていました。

   

可愛らしい小さな花で、満開の花がありました。
   


香りのよいダブル・デライトが咲き残っていました。
  

  
見渡すと
  

とてもきれいなピンク色です。
  

このみごとなつるバラは、ファイルヘンブラウ・・・ドイツ語で「すみれ色」です。
        

ここからは、原種のバラのコーナーになります。
   

    


中国を思わせるような池のほとりに 原種のバラがありました。スイレンはこれからです。



少し行くと、とても強いアメリカのバラ「ノック・アウト」などが沢山植えられていました。
  

このオレンジ色・・・確かにマーマレードを思い起こしますね。
  

こんなところに京のバラが・・・
  

富士のふもとに咲くバラも・・
  

坂をおり、目の前には、臨海工業地帯のエントツが借景となっていて・・・
  
かつての海水浴場のおもかげはありません。

「音に聞く、高師の浜の あだ波は かけじや 袖のぬれもこそすれ」

高師の浜は、この堺市浜寺から高石市あたりの浜のことで、有名な百人一首にもある
この歌は、祐子内親王家 紀伊が70歳の時の歌で、1102年5月に開かれた歌会、
堀川院艶書合(けそうぶみあわせ)で詠まれたものだそうです。ちなみに、堀川院は、
白河院の第二皇子で、鳥羽院の父です。29歳の若さで崩御されたようです。

はるか離れた都でも、高師の浜といえば、万葉集にもよまれた美しい浜で、
その波を詠むくらい有名だったのですね。

足元には小川が流れ、水車小屋がありました。かつては、こんな風景もあったのでしょうか・・・
  

 

  

 
  

すこし、最高の花の時は過ぎていましたが、まだまだ美しい花やこれからの蕾も沢山ありました。

出口を出てみた、ルージュ・ピエール・ド・ロンサールはこれから・・・バラの希望の蕾でいっぱいでした。
 

          

以前から、浜寺公園のバラのことを聞いていましたが、行ったことはなく
本当に「音にきく」でした。うわさどおり、美しい広大な庭園で、桜も多く、とても美しいそうです。
お誘いのおかげで、今日は一日、たくさんのことを味わいました。本当にありがとうございました。
 
  
    

水の都 中之島バラ園

2012年05月17日 | バラ園・公共園 
        

5月17日、大阪の京阪北浜駅からほど近い、「中之島バラ園」に
初めて伺いました。

中之島バラ園は、昭和56年に開設されましたが、平成21年に
整形式バラ園として整備され、去年7月末に全域でリニューアル
オープンしたそうです。

イングリッシュローズや、フレンチローズ、フロリバンダ、
ハイブリッドティーなど 約310種、3700株が植えられ、
大阪市営公園のバラ園の中では最多だそうです。

香り立つ、咲きたてのバラです。

 

 





       




「ばらぞのはし」なんて素敵な名前でしょう~♪
          

渡るとまた少し庭が続きます。

    

    

 

  

デルバール社の「エドガー・ドガ」の周りには、人がたくさん集まりました。
     
  
     

    

イングリッシュローズの「セプタード・アイル」
     
デンティ・ベス
      

圧巻は入口の「ピエール・ド・ロンサール」と「アンジェラ」の
見事な花のスクリーン仕立てです。

 



写真はほんの一部です。ぜひ散歩にお出かけください。

これからも幾度となく訪れてみたい場所のひとつになりました。