小さな緑~ある場所では主役です~

2013年11月26日 | 植物園
11月24日、京都府立植物園の「苔・こけ・コケ展」(11・22~24日終了)に出かけました。

最近は庭で見ることも無くなっていた苔。茶道を習う友人と園芸店に出かけたとき、椿などの茶花とともに
沢山の苔を買って自宅の庭に植えるというので驚いたことがあります。確かに和室から眺める日本の庭には
苔がよく似合います。

 

  



  

 

葉が大きめの「オオカサゴケ」



こんなところで育つ苔
 

写真はごく一部で、気にいったものを撮ってみました。

世界にコケ植物は、2万種類もあり、その内日本では1800種類のコケ植物が生育しているそうです。
また4億年前に水中から陸上に生息しはじめた植物とのこと。詳しい方に少しお聞きしてたら、講演会が
あるとのことで聴講することにしました。

●「コケ」の語源は、「木毛」であること。木に生えた毛にみえることから由来。→そういえばそんな風に見える。

●「コケ植物」の特徴は、胚があり、維管束を持たない植物である。→水中から陸上に進出してきた為、
                                  配偶体の中で胞子体の胚が形成される。

                                  乾燥に適応するために雨水などを葉全体
                                  から吸収する。

● 日本のコケ植物種数は、アメリカ合衆国の種数とほぼ同じ。  →国土面積の大きさは25分の1しかないのに
                                北から南までの気温差や、山の高低差など
                                日本にいろんな環境があるから。


● コケ植物には、その姿が動物や植物に喩えられているものが多い。→「ウマスギコケ」「エビゴケ」
                                     「イタチノシッポゴケ」等                               
● コケ植物は、地球規模では熱帯雨林の蓄積する二酸化炭素量の  
  約2倍以上の量を蓄積していて温暖化の防止の役に立っている。→こんな小さな植物なのに、
                                    人にとっても感謝の存在。

ここで学んだことをいくつかを載せさせていただきました。初めて知ることばかりで、矢印以下は、私の理解と感想です。



ちなみに11月24日は「進化の日」という記念日で、1859年11月24日にイギリスのチャールズ・ダーウィン
(1809-1882)が『種の起源』の初版を刊行したことに由るそうです。

『種の起源』をWikipediaで検索すると、

「本書の完全な題名は『自然選択の方途による、すなわち生存競争において有利なレースの存続することによる、種の起原』
"On the Origin of Species by Means of Natural Selection, or the Preservation of Favoured Races in the Struggle
for Life"である」
とあります。

植物が、水中から陸上に上がっていく過程を単純に示すと、藻類→コケ植物→シダ植物→種子植物となります。
陸上植物の第一歩の一つがコケとすると、4億年という長い年月にわたって種を保存してきたのはすごいこと
に思えます。


京都には、庭の美しいお寺は数々ありますが、その中でも「苔寺」といわれる西芳寺は、緑の絨毯が広がる
その苔こそが主役のお寺です。

一つ一つは小さな原始的な植物ですが、深い、太古の森を思わせるような雰囲気を醸し出す植物に思えます。


(京都府のホームページによると、苔の種類は約120種類もあるそうです。尚、西芳寺の見学には事前予約が必要です。)






  
















球根・選び植える楽しさ 

2013年11月10日 | 日記

11月8日、晴れ。立冬(7日)を過ぎ、いよいよ本格的な冬の寒さの前に球根を
植えることにしました。

この時期、球根選びも楽しみの一つで、今年は10月半ばに下鴨の橋のたもとに
ある園芸店で購入しました。
     


今年4月に植物園で見た「カーナバルデリオ」の球根があり、一番に手にしました。
白に赤の斑入りの花。レンブラント咲きといわれるものです。斑入り花のチューリップを指します。
(チューリップについては、2012年4月27日の日記もご覧いただけたら幸いです。)

2013年4月15日「カーナバルデリオ」(京都府立植物園にて)と今回手に入れた球根。
 

ユリ咲き(花弁の先端がユリの花のように細く外に反る一重咲き)の
「バラード」(赤紫に白)と「バレリーナ」(赤橙に橙)。枝咲きの「シナエダキング」(赤に黄)
 

フリンジ咲きと呼ばれる、花弁の縁がガラスの裂片のように細かく切れ込むもの。
「クリスピオンラブ」と「バルバドス」。こちらは、袋入りで球根も大き目。



今回は、前回植えた鉢の土を再生して使うことにしました。酸性化した土を中和するのに使う
「苦土石灰」や混ぜるだけでよい「土のリサイクル材」、「球根の肥料」を用意しました。



リサイクル材や苦土石灰を土の量に合わせて、適量を混ぜ合わせ、鉢に戻し、肥料も混ぜ込みました。
そこへ球根を植えこみ、土を被せます。

大き目の球根と小さ目の球根、数によって、植える鉢を選びます。
  

今年は久々にユリの球根も買いました。黄色の「コンカドール」です。「オリエンタルハイブリッド」と
呼ばれる品種です。日本原産のユリの交配によって作出された園芸品種。「イエローカサブランカ」とも。
球根の直径を測ってみたら、8cmはあります。

 

新しい培養土も少し加えて植えつけました。
  

数年前に植えたユリの鉢が目いっぱいになっていたので、取り出して、一回り大きなものに
植え替えしました。直径は3~5cmの小さいものです。
  

植えっぱなしのカサブランカもあります。今年の7月開花。やっぱりこの美しさは格別です。



花が咲くときも嬉しいですが、沢山ある種類の中からの球根選びはこれまたとても楽しい時間です。




色づく木々・・・・岡崎・蹴上を歩いて

2013年11月05日 | 日記
           

11月5日 快晴。地下鉄の東山駅を降りると、ハナミズキの街路樹がきれいに紅葉していました。

すぐそばの小道に入り、白川沿いを北に向かって歩き進むと、鴨が四羽、流れに逆行して浮かんでいました。

 

懸命に足を漕いでいます。川の流れはとても早く、油断すると流されていました。
 

水はとても澄んでいて、藻が美しく見えます。川べりの桜の葉がだいぶ色づいています。
 

 

左、神宮道に出るところ。立派な平安神宮の鳥居が目を引きます。右、さらに橋の上から東山の方を向いて。
  

現在、京都市美術館では開館80周年記念の「竹内栖鳳展 近代日本画の巨人」(10月22日~12月1日まで)が
行われています。17歳で描いた「芙蓉」を初め、作品約100点、素描約50点が展示される大回顧展です。

  


チラシによると、日本画家・竹内栖鳳(1864年~1942年)は、幕末の京都に生まれ、
四条派の幸野楳嶺に学びながらも積極的に他の流派を研究するなど革新的な画風で
早くから頭角を現す。

1900年(明治33年)パリ万博視察のため渡欧。西洋美術と伝統絵画の融合を図り
日本画の近代化の旗手として、その基礎を築きあげました。

展示は前期(11月10日まで)と後期11月12日から12月1日)によって展示入れ替えがあり、
チラシの大獅子図は、11月10日までで、斑猫は、11月12日から12月1日です。

生きた本物の動物を見てその動きや姿をスケッチに沢山描き留め、ライオンから雀に至るまで、
そこにいるように描かれていました。

青年期から晩年までの作品を一堂に見ることが出来、本物を描くことを求めた画家のその時々の
思いに触れさせてもらったかのようです。

見終わって外へ。大きな桜の紅葉が目に留まりました。振り返ると美術館が午後の日差しに照らされ、
青空に映えていました。
  



橋を渡って、今度は、疎水沿いを蹴上の方に向かいました。
 
こちらにも鴨がいました。桜の葉、緑から黄色、オレンジ、赤へ。花は無くとも美しい景色です。
 

動物園のある岡崎道にかかる橋、美術館側を振り返ってみる。
 

動物園の角にある一本の大きい木を見ていると、なにやら大きな鳴き声が。その下のゲージには、
フラミンゴが見えました。「フラミンゴも鳴かずば、撮られまい」なんて思いながら撮らせていただきました。(笑)
 

もうすぐ琵琶湖疏水記念館のあるところです。噴水が上がっていました。この疎水は明治になり、京都復興の
大事業であって、今日の京都の水道があるのはこのお蔭で感謝です。
 

南禅寺前を通り抜けると、何やら大きな別荘が。ここには、何か有りそう~。
生垣には、数輪のさざんかが咲き始めていました。ここのもみじはもう色づいていました。

 

 


トンネルを抜けると、そこは「蹴上」の駅でした。