庭の手入れ・・・来春のお楽しみ・・・・・(2)

2012年11月30日 | バラの手入れ
28日の朝、窓を開けると、青空に羽ばたくような雲。いいお天気で、植え込むやる気も出ます。

 

用意したのは、鉢、肥料、腐葉土、土、鉢底石です。

鉢は、土を入れても移動に軽いプラスチック製を使っています。苗の大きさや性質を考えて
8号鉢を2つと10号鉢を1つを用意しました。

バラの肥料は、今回は2種類(固形タイプと粉タイプ)用意しました。固形の元肥タイプなら
1種類でもいいと思います。

腐葉土は完熟のものを使います。土は今回は、ホームセンターで「花と野菜の土」値段の違う
ものを2種類買って、両方混ぜて使うことにしました。

植え方は、ミニバラの植え替えの時の要領とほぼ同じですが、やってみると気がついたことが
ありましたので、再度載せることにしました。

1)鉢底石を2cmくらい敷きます。鉢の3分の一くらいまで土を入れます。そして、腐葉土を
入れ、均一に混ぜ込みます。

    

2)肥料の量は、袋に書かれている適量をいれます。8号鉢なら、基本は固形肥料を一掴み、粉は大匙2杯
程度です。そして、よく混ぜます。そして、その上に土を2~3cm中心が少し高くなるようにかぶせます。
根に直接肥料が当たらないようにする為です。
  

作業途中に思いついて、苗を植えこんで被せる土にも腐葉土を混ぜたかったので、左端の植木鉢で混ぜて
使いました。
 

3)いよいよ苗を植えます。根は長いので均等に広げるようにして、また根の先が上に向かないように注意しました。
そして、左手で、枝を軽く持ちながら、土をかぶせるときは、根を土に押し付けるようにして土を入れていきます。
途中でいったん根に土がかぶったら、手で強く押して、土を固めます。(大体3分の2くらいのところです。)
    

そして、さらに鉢の上部の水が溜まるウオータースペース(線のあるところ)まで土を入れて押し固め、苗を
しっかりと植えます。
 


一鉢目を終って気が付いたことがありました。苗の向きです。苗は、もともと丈夫な野バラの台木に咲かせたい
バラの芽を枝からそぎ取り、台木に切り込み作って差し込み、冬に継いだものです。その春に芽が成長したもの
が新苗です。そしてその年を畑で育成させたものが大苗となります。つまり2年苗ということになります。

苗の根元をよく見ると、このようになっています。
  

枝が出ている方向に伸びたことがわかります。つまりこちらが正面に当たるわけです。

こちらが前
    

後ろ側
    

この枝に新芽が出て、その新しい芽から伸びてくる枝の先端に蕾がつくようになります。出来るだけ枝が
斜めにならずに真上の方向に向くように植えています。

水やりは、植込みが終わったらすぐに行います。水を鉢底から溢れるくらいまでやれば完了です。この時に
たっぷりと土に吸収させることと同時に、ちゃんと下から流れ出て水の通り道ができ、空気の流通も確認
できるからです。冬の間、乾燥しきらないように、水管理も忘れずに見守ります。

鉢底石を敷く→土を鉢の3分の1ほど入れる→肥料を適量入れ、混ぜる→少し土を被せ、根を広げる
→土を入れ、途中で土を押し固めながら、さらにウオータースペースまで土を入れて押し、植えつける。
→最後に水をやり、鉢底から流れ出るのを確認して終わる。

今回、気がついたことは、●苗の向きを考慮しながら、なるべく枝がまっすぐ上の方向になるようしたこと。
                ●大苗の根は長いので、手で少し押し気味に持ちながら、土を入れていたこと。
                ●途中で土を押し、根がしっかり埋まるようにしながら植えたこと。
                (ふんわり植えていると、水を最後に入れた時に、土が中に沈み込んでしまい
                 グラグラした状態になってしまうのを防ぐためです。) 
                ●根元の継いだ所から2~3cmのところには、土を被せずに、地上に出すこと。 
      
  
       
余談ですが、大苗を植える時、基本的には鉢の中心に枝が来るようにしています。しかし、最初から尺ものの
長いつるバラを鉢で育てる場合は、後ろのトレリスなど這わせるものの近くになるように鉢の端に苗を寄せて
植えるほうが、枝を伸ばしやすいし、誘引しやすい思います。

今回購入した苗は、イングリッシュローズで、左から
「ア・シュロップシャイア・ラド」「テス・オブ・ザ・ダーバービルズ」「ザ・レディーズ・ブラッシュ」です。


さてこれで庭の一員です。


さてどんな美しい花を見せてくれるでしょうか・・・「待つ冬の楽しみ」これでまた増えました。

今咲く、冬の「アイスバーグ」とともに・・・・・・
 




庭の手入れ・・・来春のお楽しみ・・・・・(1)

2012年11月29日 | バラの手入れ
   

これは、9月の終わりに球根が売り出され始めたときに買っていたものです。その時期は、
一番種類も豊富で、選ぶのも楽しいものです。あまり早くに植えると、水やりの管理が
難しそうなので、毎年この寒くなったこの時期に植えるようにしています。

植え方はいたって簡単です。球根の肥料を用意します。


それを鉢の大きさに合わせて、袋に書いてある適量を入れます。そして混ぜ込みます。
その上にもう一度少しだけ、土をかぶせて球根を並べます。
  

   

   

そして、最後にたっぷり水をやって終りです。 毎年芽が出るまでは、あまり陽のあたらないところに
置いています。春までそのまま置いておくだけです。ただし乾燥仕切らないようには注意しています。

  

スイセンは、別のところに植えました。これもお楽しみです。

まだバラは、沢山の葉が茂っているので、病気になっている葉や枯れた葉などを取り除く作業だけをしました。
  

  


9月から咲いていたアメジストセージもそろそろ終わりかけてきたので、思い切って切ることにしました。
  

その足元に、ビオラやストックも少し植えました。白色の花は、イベリスです。この下には、ベルガモットの根が
あるので、まだシルバー色のビニールポットのままで置いています。この写真の後ろ側に写っている緑の若葉は、
アメジストセージの新しい茎と葉です。もう出始めていました。


アジサイの紅葉です。(11月27日) 12月には落葉し、枝だけになってしまいます。枝に新芽があるので、
切らずにそのままにしておきます。棒状の状態で、春を迎えます。

左からカシワバアジサイ・テマリテマリ、西洋アジサイです。
  

アメリカのアジサイ アナベルは、根元からプッツリ切りました。また来年、株元から新芽が出るのを待ちます。
 

この日、注文していた苗が届きました。大苗です。このように袋に、裸苗として入ってきます。
  

すぐに、バケツに水を入れ、1日浸けておきます。植え込みは翌日になります。(2)へ続く。
  







 

バラ育てのお手伝い ローズサポート (1) 初回(お庭A)

2012年11月23日 | ローズサポート

最初は、2本のバラから始め、次の年は、3本、また5本と毎年カタログから咲かせたいバラを
選んでは、購入し続け、16年が経ちました。今では、車1台分のスペースに50鉢ほどのバラ
を育てています。

この内13年間、勤めてもいたので、毎日は朝の水やりだけ。あとの手入れは、週末ガーデナーで、
育て方の本を買っては、試行錯誤のバラ育てが続きました。

始めは、子育てもあり、農薬を使わずに育てたかったこと。あまりトゲのないものを選びたいこと。
コンパクトに育つもの。四季咲きのもの。色々な種類、花形を育ててみたかったのです。

そして、すぐに辿りついたのが、イングリッシュローズでした。四季咲きのものがほとんどであること。
しなやかな樹形をしていること。花型がオールドローズの咲き方によく似ていること。香りがいろいろ
あり、形、色、香りが私の望みにぴったりだったのです。

虫は、毒のある毛虫以外は、手で取り、毛虫は、割りばしでとるなどし、とにかく、葉の裏などもよく
見るようにしました。やっぱりバラも、早期発見です。病気の葉もいち早く見つけて取るようにしています。

残念ながら、枯らしてしまうこともあります。早春に芽吹き、5月から咲き始め、夏を休み、また秋にも
返り咲く。そして、冬に剪定して休眠する。その繰り返しです。つまり1年ごとにまた、古い枝から
新しい枝が出て、美しい花が咲く。毎年、一からのスタートなのです。

先日、剪定の仕方を尋ねられましたので、あるお庭を訪問しました。そこには、イングリッシュローズや、
つるバラが地植えされていて、のびのび育っていました。

そこで、ご自分で剪定していただきました。その方がどこで切るかも、感覚もつかみやすいと思われたからです。
まず、枯れている枝はすべて取り去ります。(手袋は必ずして、怪我をしないようにします。)

まだ葉もあり、花も蕾もあるものはそのままにして、12月に花が終わったら、切るところに
マジックで線を書き込みました。

  

冬に木立性のものは、
樹形の半分くらいまで切り戻すこと。中心の枝を高く、周りの枝は、それより低く、山形に剪定すること。
爪楊枝くらいの細い枝を全部取り払うこと。
 

トレリスがあって、這わすことが出来るので、半つる性の、しなだれるような樹形のシュラブのものは、
中心を高く、横の枝はつるばらのように、できるだけ地面に平行になるように誘引してもらうように
しました。
 

大きなつるばらは、勢いがすごく、枝も密になっていたので、込み入った細い枝は切り取り、等間隔に
間引きながら、基本の太い枝を横に這わせることに整えることをお勧めしました。



そして、来年の1月の半ばから2月の上旬までに、根元の中心から2~30cm離れたところに穴を掘り、
25~30cmくらいのところにバラの元肥や有機物をやります。

これで、来年また美しい花が咲いてくれるのがとても楽しみな冬になりました。
(写真は、ご依頼者の了解を得て、載せさせていただきました。)

尚、ローズサポートで最初に行ったこの庭を今後、「ローズサポート~お庭A」と表示させていただきます。
(2013年12月追記)


ローズサポートとは、初めてバラを育ててみたい方や、バラを育ててはいるけれど、剪定の仕方などを知りたい方など
バラ栽培のお手伝いのことで、バラの植え付けから、開花まで、さらに次の剪定まで一年を通して、ご希望に応じて
出来る範囲で、直接お庭にお伺いしたり、メールでやり取りをしたりして、サポートさせていただくことです。


私は、バラを育てることによって支えられてきました。人生もバラを育てることによって彩られてきました。
バラは、1輪の花を咲かせてくれるだけではなくて、創造する喜びを与えてくれます。

私を幸せにしてくれたバラを、皆さんに育てる喜びを伝えたいと思っています。一人でも多くの方が
バラを育てることによって幸せになっていただけたら、私にとってこの上ない喜びです。

「バラが好き」「バラや草花のある毎日」を一鉢からでもご一緒に分かち合えたら幸せです。

今秋、アンの庭で最後に咲いているのは、フランス デルバール社のバラ「レイモン ブラン」です。
  


バラを育てるきっかけ 一冊の雑誌から

2012年11月23日 | バラの手入れ
バラを育てるきっかけは、一冊の雑誌にありました。1996年のことです。

『私の部屋ビズ BISES』NO.24
 「豊かなりオールドローズ・・・・・遠き日々の香り 馥郁(ふくいく)とよみがえる」

そこには、今までに見たことのない花形のバラが、イギリスの庭に咲きこぼれている様子が
写し出されていました。

「オールドローズ」とはどんなバラなのか? 全く初めて聞く名前でした。馥郁とした香りとは?
この時の出会いと興味がバラを育てるきっかけになったのです。

それまでの私のバラのイメージといえば、真紅の大輪や、百貨店の包装紙にあったようなピンクの
バラ、ペンの先のような花びらで、一本の枝に大輪の花が一輪咲く、お花屋さんの切りバラがバラ
の姿で、特別な時に買うものだと思っていました。
(それを「モダンローズ」と呼ぶと知ったのは、それから10年近く経ってからのことでした。)

この雑誌には、さらに香りの庭や、アフタヌーンティーを楽しむ様子、ハーブ、紅茶、バラ模様の
ティーカップのなどなど・・・・・素敵な暮らしがそこにありました。

さらにその後、オールドローズやつるバラを育てる本に出会い、ますます育てる意欲をかきたてら
れたのです。

丸い花びらが、沢山重なり、ふんわり咲く花や、桜のような一重の花。ベビーピンクのような色の
花。ひらひらした花。おしべが金色に見える花。中心に緑の目のようなものがある白い花。
どれもこれも見てみたくなりました。

ある本に、
苗を手に入れるにはカタログを取り寄せて注文すること。
苗には、新苗と大苗があること。初心者には、2年苗の大苗が育てやすいこと。
植える場所のことを頭において、苗の茂り方や花の大きさなどもよく確認してから、注文すること。
などが書かれていてとても参考になりました。

そして、いざ注文してから、その年の暮れに、根っこがむき出しになった苗が送られてきたのです。
一緒に送られてきた植え方の説明書きを見ながら、植えたことを思い出します。




待つ喜びがあり、春が来て、初めて自分の花に出会えたのです。そして待ったかいもあったのです。





 



有終の美 ~菊花いろいろ~植物園再訪(2)

2012年11月17日 | 植物園
ハスのほとりの紅葉した「フウ」の木。とても樹高が高い、三角葉のフウです。
あの葉の長さくらべをした「舞妃連」は、今はなき姿に。


大きな木々を抜けて、噴水のある花壇に。




噴水の裏にまわると、方位を示す図があり、
  

階段を上がると、全体が見渡せます。今日は、噴水入りです。


ヒマラヤ杉まで見渡せ、お気に入りの場所です。

バラ園には、まだまだ咲いている木も沢山ありました。
「ゴールデンボーダー」 フランス 1987年
  

「マイナーフェアー」 ドイツ  1990年


「ラベンダードリーム」オランダ 1986年
  

「花房」1981年と、「早春」1991年は、日本で作出されたもの。
  

いつもの場所で、休憩しようとすると、なにやら異変が・・・・・砂嵐か?煙るように見えます。
それは、ヒマラヤ杉からの花粉が煙のように風に載って運ばれている瞬間でした。
こんな時期に実るのですね。


 

会館近くのコスモスは満開です。
 

「エンゼル・トランペット」
 

大芝生地では、菊花展が行われていました。(15日終了)
 

一つ一つの花は、人の頭くらいの大きさがあり、形も色も、素晴らしい花々です。

「菊」は、奈良時代に中国から渡来したもので、最初は、観賞用というよりも、薬用として入ってきたようです。
万葉集には、「菊」という語は見当たらず、「百代草」がキクか?と思われていますが、特定できていないようです。

同じ奈良時代の、751年に大友皇子の曾孫、淡海三船による編纂とみられる現存する日本最古の日本漢詩集
「懐風藻」には、「菊酒」や、「菊風」(秋風の意)の文字が見られます。

謡曲の「枕慈童」(観世流では「菊慈童」)には、魏の文帝の家臣が酈県山(れきけんざん)を訪ねると、周の
穆王(ぼくおう)に仕えた慈童と名のる人物が現れ、不老不死の菊の露の酒を勧める。とあり、

「菊水」や「菊酒」を調べているうちに、「甘谷の水」中国河南省南部を流れる白河の支流 崖上にある菊の露が
したたり落ち、これを飲んだものは皆長生きをした…云々とか。

旧暦の9月9日の重陽の節句では、ウィキペディアによると、邪気を払い長寿を願って、菊の花を飾ったり、
菊の花びらを浮かべた酒を酌み交わして祝ったりしていた。また前夜、菊に綿をおいて、露を染ませ、身体を
ぬぐうなどの習慣があった。と

今もアンチエイジングとして、いろいろな食材を試したり、塗ったりしますが、当時も同じ思いですね。

平安時代になると、花を愛でる様子がうかがえます。797年10月11日 宮中曲水宴席 桓武天皇
「この頃の しぐれの雨に 菊の花 散りぞしぬべき あたらその香を」

古今和歌集には、13首の菊を詠む和歌があります。その中の紀友則の歌。
「一本(ひともと)と 思いし花を おほさわの 池の底にも誰か植えけむ」
一本だけと思っていた菊の花を、大沢の池の底にも誰が植えたのだろう


大沢の池というのは、あの嵯峨菊のある「大覚寺」の地にあります。余談ですが、嵯峨天皇は、
桓武天皇の第二皇子で、空海・橘逸勢(たちばなのはやなり)と並ぶ能筆家、「三筆」として
有名な方です。平安京の大内裏の門号を唐風に改め、その文字は、この三人の手により書かれたそうです。

またこの紀友則の歌は、887年から897年の宇多天皇の時の「寛平御時菊合」の時に詠まれた歌です。

菊合わせ・・・・1)左右に分かれて、互いに菊花を出し、その優劣を争う遊戯、歌をつけて競う
        2)菊の花を持ち寄って、花輪の美、作柄などを品評して優劣を争う催し。

日本で広くキクが栽培、品種改良されるようになったのは、江戸時代に入ってからで、古典園芸植物の一つです。

菊花展では、約400鉢が出品され、賞が贈られていました。


大菊の種類にも、管物と呼ばれる、管状の花びらのや、数百枚の花弁がうろこ状に盛り上がった厚物。
また丈の低い「福助菊」と呼ばれるものもありました。

  

また崖上の菊を表したものや盆栽仕立て。


圧巻は扇型に仕立てられた「千輪仕立て」


  

 




学名のクリサンセマムは、ギリシャ語のChryso「黄金の」とanthemon「花」からきています。
和名の、別名には、千代見草、翁草 齢草、霜見草、星見草・・・などがありました。

「和名のキクは、漢字の菊の音読みで、この字は、鞠とも書かれ、鞠は、窮と同じ意味で窮極または、最終の意味
である。キクの花が年の一番終りに咲くことからこの字が使われたといわれる。」『日本大百科全書』(小学館)


一年の終わりに咲く、豪華にも咲く花、有終の美を飾る菊。丹精込めて作り込まれた菊。

ここまで大きな菊を育てるのは、並大抵のことではなく、すごい情熱を感じました。(完)