花のアン・ドゥ・トロワ~シクラメン~

2013年02月06日 | 日記
シクラメンを頂いて早や2か月あまり、次々と開花を続け、花のある毎日を
すっかり楽しんでいました。

そんなある日何気なく見ていると、その花の形にとても特徴があることに
気が付きました。

それは・・・・~花びらが皆、真後ろに反り返ってる~ということ。
     

まるで思いがけない発見をしたみたいでした。そうなると、最初はどうやって開いてきたのか
気になってきて、咲きかけのものを探しましたが見当たらず、これから咲く蕾があったので
暫く観察することにしました。

シクラメンの蕾は、まるでつぼめた傘のようです。それが次第に緩んできます。
1月17日、22日
   

暖房のない部屋に置いているので、ここまでで5日かかっています。
そして、ほどけるように一枚づつ、更に数日かかって緩やかに開いていきます。

1月25日               1月26日             2月2日
    

今日6日
   

並べてみると、後ろに花びらをゆっくり回転させるように開いていったことがわかります。
また、一つの花がこんなにゆっくり咲くとは思ってもいませんでした。
まるでバレエの踊りがスローモーションで行われているみたいです。

またある日のこと、花が1輪、ぽとりと落ちていました。拾い上げて正面からみると、
何やら中心部分に透明な固い部分があります。更に裏返して、花びらを少し広げて
撮ってみました。

   

ええっ?これは何?まるで薄いプラスチックのように見えます。そして右側は、花が落ち、
ガクが残った茎です。
   

この固い部分は、花びらの付け根の部分で、同じ花びらとは思えないくらい固化しています。
これによって、後ろ向きに咲く花をしっかり固定しているようです。こんなことになっていたとは
驚きでした。

ガクの中には、丸い子房が出来ています。これをそのまま育てると種が取れますが、
シクラメンの育て方を検索していると、採種目的なら数輪残して、株が弱ってしまうので、
殆ど花後に茎をねじりながら抜き取ってしまうようです。

シクラメンは球根だとばかり思っていましたが、塊茎(カイケイ)といって茎が肥大したもの。
生産者の方は種から栽培しているようです。芽を出すときは葉が一枚からとか。また葉芽一枚に
花芽1本の割合で出来ていくので、葉の数が多いものが花も多いということになります。

育てているうちに蕾が上がってきて、その花茎が外へ倒れるように咲くことがあります。もともと
そういうものですが、成長過程で、葉組といって葉を外側に花が真ん中になるように、時間をかけて
人為的に集め姿を整えて出荷されており、普段見るような姿になっていることもわかりました。

シクラメンは、北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸原産の花。花期は、秋から春。
地中海性の気候を調べると、冬に一定の降雨(30mm未満)があるが、夏は陽射しが強く乾燥
するのが特徴。

シクラメンの水やりは、そんな降雨が少ないところで育ってきた植物であるだけに、底面給水と
いって底から水を土に吸わせ、直接、上から塊茎に水をかけないのが良いようです。
置き場所は、涼しくて、3時間以上陽のあたる場所。5℃から20℃くらいの部屋が適当。
また、暖房していない場所に置くのが長持ちさせるコツです。

この名は、花茎がはじめ丸まった状態で発生することから、または反対に、咲き終わった茎が
らせん状に曲がることから、サイクル(Cycle)に由来すると説明されているものがありました。

下には、ハート型の葉っぱ。濃い緑に、シルバーに光る内側の模様。上には、くるり踊る花たち。
すっかりお馴染みの花ですが、見ればみるほど特徴がありました。

  

今日のカーテンコールの様子です。