今、出発の刻(たびだちのとき)

車中泊によるきままな旅
<名所旧跡を訪ねる>

安土城跡(滋賀県近江八幡市安土町下豊浦)

2013年12月05日 | 
昨夜、NHKの歴史秘話ヒストリアで、信長公記を書いた太田牛一が放映され、来週が安土城の特集になると予告していた。実にタイミングが良い。
学生時代に読んだ、司馬遼太郎の「国盗り物語」に出てくる織田信長に魅了され、歴史小説を読み始めるきっかけとなり、歴史に興味を持った。
その、原点ともなった安土城跡に立っている。

特別史跡 安土城跡 
安土城は、織田信長によって、現在の安土山に建造され、大型の天守(天主)を初めて持つなど威容を誇った。



石段を上がると間もなく左手に「伝羽柴秀吉邸跡」と刻まれた石柱が立っている



歴史上の人物がかつてこの地で生活していたということを考えるだけで楽しい



当時の間取りなども案内板に示されている



また、石段を挟んで右側には「伝前田利家邸跡」もある



信長は安土城への最も重要な道である「大手道」を秀吉と利家に守らせていたとも考えられる



「大手道跡の石仏」は築城の際に石材として使われた。
城普請に使用する石材は近郊の山々から採取したが、石仏や墓石も含まれていた



石段中央の色違いの石のように使われている



朝からの雨で石も滑るが、石段の幅の広狭や傾斜など不安定で、自分のリズムで上ることができない



しかも、初めての場所なのでどの程度上ればいいのか検討もつかない。
石垣が見えるとそろそろかと思うが、そんなに甘くはない



受付所の説明では、早い人で往復40分位と言っていたが、すでにその時間には達している



このあたりは、安土城中枢部の入口の一つである「黒金門跡」になる

 

二の丸址に近づいてきているのか



この仏足石(室町時代中期)は築城当時、単なる石材として集められ石垣に使われていた



手前に「織田信長公本廟」と刻まれた石柱がある






天主閣から見える廟。この地では「天守を天主」と表記している



すぐ横に大きな石があり、それを熱心に見ている人がいたので「何の石か」と尋ねてみると。「蛇石」じゃないかと。



「蛇石」という巨石は約10メートル、約112トンあったが、引き上げる途中で綱が切れ、横滑りした蛇石に150人余が挽き潰された。
その後蛇石は安土山頂まで引き上げられたはずだが、現在までに幾度の発掘調査を経ても、未だ発見されていない。



来週の歴史秘話ヒストリアでも「蛇石」の予告があったので結果が楽しみだ。
一般客が眼にする石の中ではこれが一番大きい。しかし、ここは天主閣ではないことも確かだ。

この石段の上に「天主閣址」の石柱が立っている



やっと天主閣に着いた。
完成からわずか3年後の1582年(天正10年)、家臣明智光秀による信長への謀反(本能寺の変)の後まもなくして何らかの原因によって焼失.
その後廃城となり、現在は石垣などの一部の遺構を残すのみだ



永い年月、瓦礫と草木の下に埋もれていたが、調査の手が入ったのは昭和15年(1940)のこと



石垣の崩壊を防ぐための補強を加えられた他は、当時のまま現在に至っている



記録から地上6階、地下1階の高層建築物だったことがわかった



通常の天守は日常的な居住空間としては使用されなかったが、信長はこの天主で生活していたと推測されており、そのための構造と思われる。
こういった高層建築物を住居とした日本人は、信長が初とも言われている



天主閣址から見える風景



信長の「安土城」は、安楽浄土から名付けたといい、信長は、誰もが幸せになる平和で豊かな世界を目指していたといわれている



天主台南西の百々橋口付近に総見寺があるので下りていく






堂塔伽藍を備えた寺院が建てられているのは、後にも先にも安土城だけ









三重塔(重要文化財)
織田信長は、近隣の社寺から多くの建物を移築し、建立したようである。



享徳3年(1454年)建立。総見寺創建時に甲賀長寿寺より移築



雨が本降りとなり右手に傘、左手にカメラと不安定な姿勢で急な石段を下りる



この日は朝から強い雨が降り、休養日にしよう道の駅でのんびりしていた。
昼近くになり雨が突然止んだので重要文化財がたくさんある「長命寺」を目指すことに。
ところが、走行途中に「安土城跡」と書かれていた道路案内があり、気持ちが動いてハンドルを切ってしまった。
したがって、安土城跡は目指していた場所ではなく、偶然訪れた場所になる。
なお、長命寺はこのあと向かうのだが、入口の幅が狭くタクシーの幅でもぎりぎりだったので、ワイド車ではどうかなと、一応挑戦はしてみたが擦る可能性が高く、車の長命を考えあきらめることにした。
ただ、様子を見ていると観光客がかなり多い。当然、高齢者ばかりだが。 


撮影 平成25年11月10日
コメント
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