かぜが流行る季節になってきましたね。
各学校の欠席状況はどうでしょうか。
幸い,私のクラスの一年生はここ数日,…いや数週間全く欠席はありません。
かぜだけでなく,ノロウィルスやインフルエンザなど,いろいろと敏感にならなくてはいけない時期です。
あるクラスで…
朝,登校が遅いなとおもっていた「ともこさん」が,今日はかぜのために欠席だという連絡が届きました。
「ともこさん,今日はお休みだって。」
「えー かわいそう,ともこちゃん。」
「昨日も元気なかったもんね。」
さびしそうにしているお友だちもいます。
しかし,クラス一人お休みでも,その日のクラス生活は,ほぼ普段どおりに進みます。
机に一人いない状況で,いつもどおりの朝の会が始まり,いつもどおりの授業が始まります。
グループ活動など,ときおりともこさんがお休みのことで影響がでる場面もありますが,支障をきたさないように,どうにかカバーして進みます。
そして,帰りの会でともこさんにプリントなどを届ける子を確認して,クラスの一日は終わります。
クラスとしては当たり前のことですが,「ともこさん」のことだけを思うと,なにかさびしい感じがします。
そこで
あえて,欠席した子の話題をクラスでしてみる!
ということもいいのかもしれません。
先生としては,欠席したともこさんのことを,ともこさんがその場にいない状況でどうこう話題にするのは,気が引けるような感じもするものです。
だから,ともこさんの「いいところ」を話題にするのです。
欠席だとみんなに伝えた朝の会で,ほんの少しでもいいから,「ともこさん」のことを先生から話題にしてみます。
「ともこさんってさ,おっちょこちょいなところもあるけどさ,本当に優しい子だよね。飼育委員会では,うさぎのお世話を一日も忘れたことないんだってよ。」
普段から感じているともこさんのよさを,紹介してあげます。
「あかりさんはともこさんといつも仲良しだよね。ともこさんって,どんなお友だち?」
あかりさん「うーん,おもしろい子だよ。よく笑わせてくれる。」
「へぇー,たしかにおもしろいところもあるよね。時々さ…」
なんて,何気なく話題を広げます。
欠席して苦しんでいる子の話題だから,自然とみんな優しい気持ちでともこさんのことを思い返してくれるはずです。
だから,普段一緒にいるときよりも,なにかクラス全体がともこさんへの思いが深まる感じになります。
それが,欠席してしまったからこそできる唯一のチャンスです。
ここにいないからこそ,できるいい話題があるんですね。
ここでは,形式的に「欠席の子に一人一枚カードを書いて!」なんていうよりも,先生がじわーっと,語るように話す方がいいような気がします。
うそのない,自然な形で,欠席の子へのクラスメイトの思いが深まります。