学級経営にのぞむ先生のスタイルについてです。
それは先生により実に様々。
そして学級の子どもたちによっても実に様々。
きっと,全国の小学校のどの学級を見ても,全く同じ学級というのは存在しないでしょう。
だからこそ小学校はおもしろいし,だからこそ学級経営は難しい。
担任の先生は,毎年,いや毎日頭を悩ませます。
どんな学級経営の仕方がうまくいくのか。
先生はどんな存在になればいいのか。
そういう思考錯誤した末の手法が,うまくいくときもあれば,うまくいかないときもあるものですね。
さて,そんな学級経営に当たる担任の先生について。
今回は,タイトルにズバッと書いちゃいました。
「Play The Devil ~プレイ・ザ・デビル~」という先生の役割もある!
ということを知っていてもいいのかもしれません。
結論から言うと,これはかなり高学年向きで,しかもある程度鍛えられた,子どもたちがしっかりした学級で実践できるやり方になるでしょう。
「プレイ・ザ・デビル」
多くの方が耳にしたことのある言葉だと思います。
おそらく,一般的には学校現場ではなく,会社や組織の運営に用いられる言葉ではないでしょうか。
訳すと
「悪役を演じる」
です。
組織がよくなるために,あえて誰かが悪役を演じるということです。
これを学級経営の現場に当てはめてみると,もちろん子どもを悪役にするわけにはいかないので,先生が悪役を演じます。
「Teache Plays The Devil」
でしょうか。
先生が子どもたちにとっての,学級にとっての「悪役」になって,それに打ち勝つために子どもたちががんばる。
その中で子どもたちは,団結して,知恵をしぼって,自分たちの姿を振り返って,よりよい学級にしていくために戦っていく。
それがねらいです。
例えば,
・学級で何かにチャレンジしていく中で,先生が「このクラスには無理だ。あきらめよう」と言う
・仲の深まらない子どもたちに対して,先生があえて厳しい言葉で「このクラスはよくないクラスだ」と指摘する。
といったことです。
こんな悪役のような先生に対して,子どもたちが自分たちの力で学級を立て直そうと奮起できれば,それは素晴らしいことですね。
このやり方には,相当な勇気がいります。
相当な慎重さがいります。
子どもたちに力があり,それを信じられる先生にしかできないでしょう。
小学校段階ではなかなか難しいかもしれませんが,卒業前の6年生など,より1歩大きな前進を願って,先生が役割を演じてあげるのも,考えてみてもいいかもしれません。
また,こんな大きな枠での学級経営だけでなく,もっと小さな場面でも「Play The Devil」的なものもあるのかもしれませんね。
例えば,図工の作品を仕上げて見せに来た子どもに
「まだよくないね。」
と突き返す。
一見冷たさも感じますが,そこには「この子ならもっといい作品を作れる。」という期待があります。
この子に「よくできているね。もう一歩,ここら辺に…」とほめながら指導するやり方もありますが,ときには,先生の役割を変えてみる。
そこら辺のセンスを磨きたいものですね。