以前にいた学校でのことです。
ほんの小さな一場面かもしれませんが,よく覚えています。
それは,火曜日の放課後のことでした。
その学校では,月に一回か二回,そこで「職員体育」をしていました。
学校によっては「職員運動」とか,別の言い方があるかもしれませんね。
体育主任や親和会長が主になって計画した運動を,職員みんなでするという放課後の行事です。
先生たちの健康の保持増進を図ったり,仲を深めたりすることが目的です。
その日はバレーボールをする計画でした。
やる気満々の私は10分ほど前に一番に体育館に入り,ネットを張っていました。
すると,ボチボチ先生たちも集まり始めました。
私は,子どものようにこれから始まるバレーボールが楽しみでした。
先生たちみんなでできる極わずかな時間のスポーツの交流です。
しかも30分ほどのとても短い時間。
私としては1分も無駄にしたくなくて,精一杯汗を流して楽しみたい気持ちです。
でも,先生たちの集まりはイマイチでした。
遅れて来る先生。
来てもあまりやらない先生。
しまいには,姿を現さない先生も…
私も,これまでの経験から,こういった先生がいることはもちろん想像していました。
でも,やっぱり残念でした。
私,思うんです。
「職員体育」に,先生たちみんなで取り組める学校は,きっといい学校!
言いかえれば,職員体育に一所懸命になれる先生は,きっといい先生!
分かります。
職員体育って,やらないならやらなくても,何にも仕事に支障はありません。
その他の職員研修や学年会,職員会議といった毎週の放課後行事と比べれば,仕事上,重要性を感じないものでしょう。
だから,職員体育には一所懸命にならない先生が多くいるのでしょう。
言い分としては「こんな忙しい中に,みんなでレクリエーションなんてやってられんわ」といった感じでしょうか。
でも,私の中の結論。
そんな職員体育だからこそ,みんなでやりたいじゃありませんか!
一見なくてもいい,仲間との交流の時間。
そんな時間にみんなで集まれる,そして汗を流せる職場って,きっとそこはいい職場だと思うんです。
自分の個人的な仕事よりも,仲間と触れ合う時間の方を優先しようとする先生は,きっと人柄的にも,社会人としても,いい先生じゃないかと思うんです。
確かに,その職員体育をサボッて,その時間を自分の仕事を進める時間にあてたら,仕事は進むでしょう。
でも,そんな先生にはなりたくない!!
・・・体育会系の私は,頭が固いのか,そんな変な所で生真面目になってしまうんです。
正直,私が体育主任や親和会長をしたところでは,私のせいでずいぶん汗をかかされた仲間の先生も多かったことでしょう。(笑)
でも,そんなことが,私の先生としての,社会人としてのプライドです。(ほんっとに変なプライドですが)
その日のバレーボール。
結局最後まで来なかった20歳ちょいの後輩のところに行き,話をしました。
「なんで来なかったの!」
「すいません,ちょっとやらないといけないことがあったんで…」
「やらないといけないことは,みんなあるんだよ!職員体育は絶対に来い!」
あんときはごめんね(笑)