この時期,クラスでは文集づくりを進めるところも多いでしょうね。
思い出がたくさんできたクラスの一年を締めくくる,いい文集を作りたいと願います。
6年生であれば卒業文集です。
「大人になっても残る作文はこれくらい」とも言われる作品です。
一生ものになると思えば,その作成に子どもも先生も力が入ります。
その文集の中身について,どんなページを掲載するか,考えるのは楽しいものです。
感動をさそうページ,笑いを呼ぶページ,子どもたちのアイディアも加えながら,そのクラスだけのオリジナルの文集ができます。
こういった文集づくりについて,まずは基本中の基本となることを確認しておきたいです。
文集の誤字・脱字は徹底して訂正する!
ということです。
以前,別のクラスでしたが,つらい場面を見たことがあります。
ある卒業生のクラスの卒業文集が出来上がりました。
その文集には「先生方からのメッセージ」も掲載されており,メッセージをよせてくださったお礼にと,子どもたちはできた文集を先生たちにも配ってくれました。
先生たちも喜んで,さっそく中身を読んでみると…
「 ・・・・・ちょっと,これ,ひどくない?」
「う~ん,これはまずいかもな・・・・」
すぐに先生たちの表情がこわばりました。
原因は,誤字・脱字の多さです。
卒業生らしからぬミスの多さに,「卒業文集」として残すにはあまりにも悲惨なものになってしまっていました。
中には,学校名の漢字を間違っている子も。
先生たちの間でも内々で相談し,苦心の末,作り直させることになってしまいました。
もう時間もないし,もう一度訂正して作り直すなんて,子どもたちもテンションが下がってしまうことは承知の上ですが,仕方ありませんでした。
そして,担任の先生もひどく肩を落としていました。
「子どもたちによる手作りの文集!」
というカラーを大事にしたくて,企画から制作運営まで,できるだけ子どもたちに主体的に進めさせたいという担任の思いは分かります。
少しくらいの遊び心もいいと思います。
でも,最後の担任のチェックの役目を欠かしてはいけませんね。
「一生残る」
というものにするならなおさら,中身のおもしろさと同時に,基本的な字の間違いがないよう,チェックを徹底するべきですね。
間違った字が残ってしまった子は,その文集を見返すとき苦い思い出になってしまうかもしれませんしね。
1 書き終わったら自分でチェックさせる
2 隣どうしでチェックさせる
3 文集制作委員会がチェックする
4 先生が最終チェックをする
5 清書して,印刷
というステップがあることを,最初のうちから子どもたちには伝えておきたいですね。