前回から,子どもの「遊び」について書いています。
休み時間など,もちろん放っておいても子どもたちは遊びます。
自由な時間に,何をするかといえば,たいていの子は遊ぶことが真っ先に頭に浮かぶものです。
中には読書をしたり,机に向かって予習をしたり,塾の宿題をしたりする子もいるかもしれません。
一見感心な子に見えます,
しかしそんな子たちも,どっぷりと浸って,夢中になれる遊びが身近にあるのなら,そちらに引かれるのかもしれません。
まぁ,どんな過ごし方をするにしろ,休み時間はそれぞれの子どもたちの「自由」ですので,それぞれでいいと思います。
そんな中で,これは私も経験があるのですが,例えばだれかが
「今日はクラス全員でけいどろをしようぜ!」
なんて声を上げたとします。
そのあとに,クラスの子たちはどんな反応をするか。
2つに分かれます。
クラス全員が「イェーイ!」と盛り上がるクラス。
何人かの子は「いいね!」と賛成するけど,何人かの子は「え~」と反対の表情を浮かべるクラス。
この差が何にあるかというと,「一緒に遊べる仲の深まりがクラスにあるか」ということも大きな要因だと思います。
それなくしては,全員で遊ぶということはなかなか成立しませんもんね。
それともう一つは,
「遊ぶという文化がクラスにどれほど浸透しているか」
という見方もできると思います。
「遊ぼうぜ」の言葉に,瞬時にまとまり,みんなで遊びを楽しめるクラスは活気があっていいですね。
こんなクラスは,普段の学校生活のリズムの中に「遊ぶ」という活動が組み込まれていて,子どもたちの生活の一部のようになっているんだと思います。
何をして遊ぶにしろ,だれと遊ぶにしろ,抵抗なく参加することができます。
逆に,遊びが浸透していないクラスでは,遊びが存在したとしても個々の遊びだったり,遊びの種類も限定されていることが多いです。
時に,いつもしない遊びをするとか,いつも遊ばない人と遊ぶとなると,とても抵抗が大きくなっちゃいます。
子どもたちにとって「遊び」は,そこから学ぶことや,得る喜び,築く人間関係がたくさんあって,大事なことだと思っています。
だから,ぜひ遊びの浸透したクラスをつくりたい。
そこで大事なことは,やはり
担任が,遊ぶことに前向きであり,遊びをつくれる先生であること!
が大事なんだろうと思います。
言いかえると「常に遊び心を忘れない先生」でしょうか。
子どもたちは遊ぶことが一番好きだということを理解していて,それを笑顔で見守れる先生。
そんな先生は,子どもの遊びを大切にしてくれます。
どんな遊びをすれば,子どもたちにどんな体験をさせてあげられるかを知っていて,適宜そんな遊びを子どもたちに紹介しては,クラス全員を巻き込んで夢中にさせてくれます。
そして先生自身もその遊びに加わり,夢中になってくれます。
さらには,クラスの生活リズムの中に,遊びを取り入れてくれます。
一日の中に,一週間の中に,一ヶ月間の中に。
そして,だれと,何をして遊ぼうにも,「遊ぶ」ことに抵抗を感じず,どっぷり浸れる子どもたちをつくります。
そんなクラスは,きっと仲も深まるでしょう。
ルールを守ることを学ぶようにでしょう。
遊ぶ時間と,勉強する時間と,けじめをつけらるようにもなるでしょう。
何より,子どもたちが生き生きして,学校を好きになってくれたらうれしいです。
忙しい毎日の日課。
先生は,毎時間の授業を組み立てるのが一番の仕事ですが,それと同じような感覚で,子どもたちの遊びを組み立てる仕事を,進んでしていけるようになりたいものです。