前回に引き続き「こんな学年主任いいなぁ」の話です。
学級経営には各担任のカラーが出るものです。
元気のある担任の元気のある学級。
知的な担任の知的な学級。
音楽好きな担任の音楽好きな学級。
こうして,自分のカラーをそのままクラスのカラーにしてしまえる先生っていうのは,ある意味,力のある先生なのかもしれませんね。
子どもたちを巻き込み,クラスを彩ってしまうリーダーシップがあるということですから。
逆に,クラスに彩りをもたせられない担任は,まだまだ力不足でしょうか。
もちろん必ず強烈な一色に染め上げなければいけないというわけはありませんが。
さて,同学年に複数のクラスがあったとします。
その場合,1組と2組と3組と・・・ の,カラーの違いが浮き彫りになってきます。
それは先生たち自身の目から見ては明らかに分かることですし,子どもたちの目から見ても分かるものです。
当然,保護者からも。
そのカラーの違い自体が悪いものとは思いません。
人の集団です。
どれも均等,均一になるほうが気味が悪い。
自然なことだし,それこそ学年経営のおもしろさととらえてもいいでしょう。
しかし,行き過ぎることはよくありません。
学年主任は,各学級のイベントにある程度のバランスをとる!
そういう役目をしてほしいものです。
学級のカラーは,毎日の学校生活のいたるところに表れるものです。
朝の会,授業,給食,清掃…
もっと細かく言えば
朝の会のあいさつの仕方,授業での手の挙げ方,給食の配膳のシステム,清掃にどれだけ精一杯取り組むか…
いろいろです。
学年主任とはいえ,こういった各学級の日常生活の細々としたところまでチェックをし,口をはさむわけにはいきません。
そこは各担任のセンスに任せて,いい経営をしてくれると信じて,見守ります。
(もちろん,あまりに目にあまるものがあればつっこみますが)
しかし,各学級のカラーが強烈に出て,しかも他のクラスと明確に比べられることになってしまうのが「イベント」です。
ここでいうイベントとは,
運動会の学級対抗リレー・学習発表会の舞台発表・2学期末の学級お楽しみ会・県ドッジボール大会への参加・3学期末に作る学級文集 ・・・・
そういったものです。
いわゆる,クラスが一丸となって取り組み,楽しい思い出をつくろうとするいくつかの行事のことです。
担任は,このイベントに熱意を込め,できるだけよいものを作ろうと必死になるものです。
「学級オリジナル」を目指して,工夫します。
こんな風にクラスのためにがんばる先生は,きっといい先生なのでしょうが,「行き過ぎる」場合があるんですね。
と同時に,中には「置いてけぼり」な学級も存在します。
担任があまりに頼りなくて,イベントに乗り遅れている学級です。
そういった「行き過ぎ」や「置いてけぼり」に気付き,バランスをとる役割にあるのが学年主任です。
そのイベントに関して,学年全体であまりに差ができすぎるのは避けたいものです。
何より子どもたちに嫌な印象を与えてしまいます。
「先生,なんで2組だけ今度の日曜日にみんなでプールに行くの?」
「3組,今度の音楽会で全員かなりのお金出して衣装をそろえるらしいよ…」
「他のクラス,陸上記録会の練習もう始めてるのに,うちのクラスだけまだなんにもしてないよね…」
ある程度の経験や,周囲に広く気を配れる担任であれば行き過ぎたことはしないものですし,置いてけぼりな学級は作りませんが,そうでない担任も少なくありません。
我が学級にしか目が行き届かず,学年全体のバランスまで考えられていない担任のために,学年主任がいつも「大丈夫かな」と,各学級の動向に目を光らせてあげたいものです。
そのために,毎週の学年会等で,行事の確認をするにとどまるのではなく,
「今度の七夕集会,みなさん一人何枚くらい短冊を書かせましょうか。」
「学期末でそろそろみなさんお楽しみ会なんて計画してるんじゃないですか。おおまかに出し合ってみましょうか。」
と,差が生まれそうな事項について事前にチェックを入れることも必要ですね。