算数の授業。
子どもたちが習熟のために練習問題を解いているとします。
ここまで学習したことがしっかりと身についているだろうか。
先生としては気になるところで,チェックをしていきたいところです。
きっと,つまずいている子もいるでしょう。
そんな子を見落とさず,確実に指導を届けたいところです。
ではどうするか。
方法はいくつか考えられます。
まず真っ先にするのが机間巡視でしょう。
子どもたちのノートを見て回りながら,直接チェックする。
これも必要なことですが,30人の子どもが取り組むすべての問題をチェックできるかというと自信がありませんね。
また,問題を解き終わった子の丸つけを先生がする。
そういう方法もあります。
これで確実につまずきを把握できますが,30人の子どもがいた場合どうでしょう。
かなり効率が悪いですね。
先生の前にずらーっと列ができて,騒々しくなったり,問題を解かせる時間が減ったりするのが目に見えています。
であれば,授業後にノートを回収する。
熱心にノートの全部をチェックすればつまずきを把握することができます。
が,見つけたつまずきに対して指導できるのが次の時間になってしまいます。
これは,なかなか痛いところで,できるならすぐに,その場で指導したいものです。
そして,正直,これを毎回するのは大変な労力です。
ではこういうのはどうでしょう。
答え合わせを教室の一か所でさせるシステムをつくり,先生はそこで待つ!
具体的には
1 練習問題の答えを,黒板に貼るなどして,一か所に決める。
2 問題を解き終えた子は,ノートをそこに持っていき,自分で丸つけをさせる。
3 自然とできた子からちらほらと黒板前に集まってくる。
4 先生はその丸つけをしている子たちのそばに構え,ノートを常に覗き込む。
という形です。
これで,子どもたちが問題を解けているのか,解けていないのか,解けていないならどの問題が解けていないのか,またどの子が解けていないのかを,確実に把握することができます。
しかも,先生の移動は少なく,効率的です。
そこでつまづきのある子を見つけたら,即時その場で
「ここ,なぜまちがえたか分かる?」
「ここはこうするんだよ」
と話ができます。
このやり方の際には,そんな風にある子と先生が話をしているうちに,先生にノートを見られることなく去っていく子が出てこないように,
「丸つけを終わって,さらに先生がOKをもらった子は席に戻りなさい」
と指示を付け加えておくといいですね。
先生はノートを覗きながら,丸つけの終わった子には
「太郎君OK!」
と短く伝えます。
OKをもらえていない子は,先生の手が空くまで,そこで待つようになります。