6月。
梅雨のじめじめ。
連休なし。
子どもたちも先生も,勢いよくスタートした4月からの元気が少し,ガス欠状態です。
しかしこの時期をダラダラと過ごすわけにはいきません。
ここぞとばかりに授業で進めなくてはいけない中身はぎっしりと予定されています。
学級経営に関しても,この最初の中だるみを許してしまっては嫌な雰囲気がクラスに定着してしまいます。
この6月特有の空気に負けず,必要な緊張感を保ちたいところです。
そこで,授業中に1つのスパイス。
ちょっとした先生の一言が,ピンとした空気をクラスに作ることがあります。
例えば
授業中にある子が発表したあとに,
○○さん,今のを繰り返して言ってみなさい。さんはい。
というキラーパスです。
がんばって発表してくれた子とは,まったく関係のない子にふります。
指名された子は当然びっくりします。
ちょっと意地悪な感じがしますが,それがねらいです。
たった1回の友だちの発表でさえ,聞きもらすようなことがあっては許さんぞ!
先生のそのメッセージが込められています。
時折,ランダムに,先生がこの一言を使うようになると,子どもたちは気が抜けなくなります。
いつ自分にふられるか分からないから,どんな一言も聞きもらせなくなります。
指名された子が答えられなかった場合
花子「1分は60秒だからです。」
先生「そのとおり。太郎くん,今の花子さんのを繰り返して言ってみなさい。さんはい。」
太郎「えっっ ・・・・・・ 」
先生「聞いてなかったのですか。」
太郎「・・・・はい」
先生「全員で教えてあげましょう。さんはい」
他の子たち「1分は60秒だから」
先生(太郎に強い視線をギッと送ったあとに)「2回目は厳しくします。」
という感じですね。
聞いてなかった子に,ダラダラと説教じみたことはしません。
授業のリズムが悪くなるし,くだらないですね。
戒めも短く。
それだけで太郎くんと,それを見て(やばっ)と思った周りの子たちには十分でしょう。
次同じミスをしないよう気を引き締めます。
指名された子が答えられた場合
花子「1分は60秒だからです。」
先生「そのとおり。太郎くん,今の花子さんのを繰り返して言ってみなさい。さんはい。」
太郎「1分は60秒だからです。」
先生「すばらしい。聞ける子は学べる子です。100点。」
ぐらい短く,少しおおげさにほめてあげるといいですね。
太郎くんは真面目に授業を受けていて報われますし,他の子も(次来るかも!)と自分のこととして気をひきしめます。
たった1人の,1回の発表を,クラス全体で共有し,かつ授業の雰囲気づくりに役立てる。
そんな手立てですね。